コードの勉強シリーズ第3回目です。
前回はコードのバリエーションについて解説しました。まだの方はこちら↓
今回はコードを実践的に活用していくためにも必要なコードの「転回形」について解説していきます。練習方法も含めて解説しますので、是非習得していってくださいね!
コードの転回形とは
コードの転回形とは読んで字のごとく、コードの構成音を「転回」させていくこと、つまりコードの構成音の順番を入れ替えて弾くことです。
Cメジャーコードを例に詳しく解説します。
まず構成音はC(ド)+E(ミ)+G(ソ)でしたね。
はい、この構成音を転回してみます。それがこちら。
C音がオクターブ上に移動しました。でも構成音自体は基本形と変わりません。
このようにコードを構成する音の順番を入れ替える(転回)ことを転回形とよびます。
なお、図2のように3度の音が最低音となる形を「第1転回形」といいます。
さて、3和音の転回にはもう一つのパターンがあります。それがこちら。
今度はE音がオクターブ上に移動しました。このように5度の音が最低音となる形を「第2転回形」といいます。
- コードの転回形とは、構成音の順番を入れ替えるて弾くことをいう
- 3度が最低音となる形を第1転回形という
- 5度が最低音となる形を第2転回形という
なぜコードの転回形が必要なのか
コードの転回形の基本的な仕組みは分かりました。
ただ、転回形の必要性というものを認識しないと、十分に活用できない可能性もありますので、ここでは「どうして必要なのか」という部分を整理したいと思います。
必要性は大きく次の2点です。
- コードチェンジを楽に行う
- 曲の展開やフレーズに合った響きにするため
では、一つずつ解説します。
① コードチェンジを楽に行う
まず一つ目の必要性はコードチェンジを楽に行うためです。
詳細を説明する前に、まずは次の動画をご覧ください。
いかがでしょうか?
この動画はコードの基本形でC→Am→Dm→Gを順番に弾いたものです。(通称「1625」というコード進行です ※コード進行については別記事で説明します)
動画では手の動きが非常に大きく、忙しい印象がありませんか?
これだと実際の曲を弾くのも結構大変かもしれません。
では、次にこちらの動画をご覧ください。
こちらは転回形を使用して弾いたパターンです。
手の動きが最小限で、楽に弾けているように見えると思います。
このように、転回形を覚えると、コードチェンジをスムーズに行うことができます。
② 曲の展開やフレーズに合った響きにするため
上の動画をご覧いただけるとわかると思いますが、同じコードのはずなのに聴いた感じがちょっと違いますよね。
同じコードであればどの転回形でも構成音は同じですが、どの音を最高音、または最低音にもってくるかでコードの響きは変わってきます。
こういったコードの構成配置を「コードボイシング」といいます。
コードボイシングは一般的に、ルート音(最低音)、内声、トップノート(最高音)に区別され、その中でもトップノードが一番印象に残る音として耳に届きます。
動画のコード進行が違った印象になったのは、トップノートが違っていたからですね。
コードボイシングは、次の2種類に大別できます。
クローズ・ボイシング
コードの構成音が1オクターブ内に収まるボイシングです。転回形を利用することで、うまく1オクターブ内に収めることができます。
クローズ・ボイシングはコードの変化が小さく聞こえるため、ピアノやオルガンなど立ち上がりの速い音色を使った、ロック系のアプローチに適しています。
オープン・ボイシング
コードの構成音が1オクターブ以上にまたがるボイシングです。
コードの構成音を両手を使って弾くことが多いです。
オープン・ボイシングは音に広がりが出るので、立ち上がりの遅いストリングスやパット系の音色に使うのが適しています。
このように、転回形を覚えることによって、演奏面の幅を大きく向上させることができます。
- 転回形を覚えると、コードチェンジが楽に行える
- 転回形を覚えると、曲の展開に合わせて、しっくりくるボイシングで弾くことができる
コード転回形の練習方法
それでは、転回形の練習を行ってみましょう。
おススメの練習方法は、基本形から第3転回形までを順番に弾いて戻ってくる…の反復練習です。まぁいたって地味ですが、こういった地味な練習がジワジワ身に付くものです。
この時、今自分が弾いているコードを必ず意識していることが大事です。できれば同時に声に出すのがいいですね。
ただ機械的に手を動かすだけでは効果が半減しますので、是非実践していただければと思います。
以下がCメジャーコードの例です。
続けて、Fメジャーコードの例も行ってみましょう!
同じ要領で他のコードも反復練習を行えば、だんたんとスムーズに押さえられてくると思います。
まとめ
今回はコードの転回形に関する基本や、覚えるとどういうメリットがあるか、そして基礎練習の方法について解説しました。
実際にコードの転回形を覚えると、バンドの中で演奏するにしても、弾き語りをするにしても出来ることが一気に広がっていきますので、是非じっくり取り組んでみてください。
最後に繰り返しになりますが、練習の時は、頭の中と弾いている手のコードを一致させて(最初のうちは声に出して)やっていきましょう!
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