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【関ジャム】バンドマン目線で選ぶおすすめ回 清塚信也が解説するアドリブ演奏の仕組み

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バンドマン目線で選ぶ関ジャムのおススメ回の4回目ということで、今回は2019年3月3日に放送されたアドリブ特集を解説します。

アドリブ演奏って「なんとなく難しい」「手が届かない」といったイメージを持たれることも多いと思いますが、この回ではピアニストの清塚信也さんが、かなり分かりやすく解説してくれています。

本記事ではその分かりやすい番組を、更に分かりやすく、感想も交えながら説明しますのでかなり疑問点が解消できると思います。

そもそもアドリブ演奏とは

ライブ風景

番組の中身を解説する前に、そもそもアドリブ演奏とはどのようなものか、簡単に説明します。

アドリブ演奏とは最低限の決め事に基づき、自由に演奏する音楽であり、バンドでアドリブ演奏することを、”ジャムセッション”とも呼びます。

よしさん
よしさん
”関ジャム”のジャムジャムセッションからとっているヨ

 

そして”最低限の決め事”とは次のようなものです。

  1. キー
  2. コード進行
カフェラン
カフェラン
①だけだったり、①と②だけだったり色々なケースがあります。例えば、Aのブルース進行で!(この場合は①と②)…と決めるだけで演奏を始められるという感じ。曲を指定する場合も多いです

最低限の決め事だけでバンド演奏が可能なのは、ジャムセッションには様式的なルールが存在するからです。

多くの場合、以下の構成で演奏することが多いのです。

ジャムセッションの形式
  1. テーマ
    演奏する曲のメインのメロディを演奏します
  2. アドリブ・ソロ
    ソロがアドリブの部分です。ソロはギターやキーボードなどが順番に取ることが多く、これを”ソロ回し”ともいいます。ときにはベースやドラムもソロをとります。
  3. テーマ
    ソロからテーマに戻って何小節か演奏してから終了となります

どのパートがどの順番でどのくらい(何小節)とるかは、事前に何となく決めている場合もあれば、その場のノリで進むことも多く、その場合はアイコンタクトやハンドサインで合図します

アドリブの楽しさは予定調和にはない意外な展開が生まれたりすることです。特に演奏がハマっていく瞬間の盛り上がりはすごく高揚感があります。

カフェラン
カフェラン
こういった超集中した状態に入ることを”ゾーン”または”フロー”に入ったといいます

 

番組本編を解説

アドリブ演奏を実演するプレイヤー

今回の番組ゲストは、全体的な解説を清塚信也さんが務め、実際にアドリブ演奏を実演するプレイヤーには以下の錚々たるメンバーが参加しました。

石成正人 久保田利伸・平井堅・JUJUらをサポート&サウンドプロデュースを行っているバリバリのギタリスト
山中千尋 バークリー音楽大学を主席卒業し世界で活躍するジャズピアニスト
日向秀和 ストレイテナーのベーシストで米津玄師・木村カエラらのサポートも務める 愛称はひなっち
SATOKO FUZZY CONTROLのドラマーでDREAMS COME TRUE・稲葉浩志・吉川晃司らのサポートも務める 父は”手数王”菅沼孝三
カフェラン
カフェラン
現場の第一線で活躍しているすごいプレイヤーばっかりですね!

普段活躍しているジャンルもバラバラなので、組み合わせも新鮮で面白いです。

 

アドリブとは会話

さて番組冒頭、清塚さんからアドリブ演奏の本質を表す言葉が発せられます。それが次の言葉です。

アドリブとは会話出典:テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」

つまりアドリブとは、日本語や英語と同じように音楽という言語をつかった会話、というもことです。

一方が相手を無視してしゃべりまくったら会話が成立しないように、アドリブ演奏もコミュニケーションが大切。そういった音のやりとりがアドリブであるという説明を加えます。

音のコミュニケーション出典:テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」

 

さあ、このイメージを踏まえて実際にセッションを行います。

アドリブ演奏の実演

事前打ち合わせ等

セッションを行ううえでは最低限の決め事があった方がいいと冒頭に触れましたが、今回はコード進行などの約束事が把握しやすいように演奏する曲を決めます。曲はセッションの定番曲でもあるスティービーワンダーの「Isn’t She Lovely?」。

上の動画は「Isn’t She Lovely?」のセッションイメージです。

演奏に入る前に4人でなにやら相談。ドラムやベースはソロやらずにリズムに徹することや、小節数は特に決めないことなど軽く話します。

テーマ

まず曲のテーマ(曲のメインメロデイ)を担当したのはギターの石成さん。演奏に入る前にピアノの山中さんに軽く合図しています。

このときの流れはこんな感じです。

石成さん
石成さん
テーマは僕が弾くね
山中さん
山中さん
お願いします

テーマは必然的にメロディ楽器であるギターか鍵盤が担うことが多いですが、どっちがいくかは人間関係的なものも関係してくるし、ちょっと駆け引き的な部分もでてくると思います。

解説で清塚さんは、普段からそういう役割をこなすことが多いんじゃないですか?という問いに、石成さんは、確かにそういう立場(バンマス等)になること多いですね、と答えていました。

 

アドリブソロ(ギター → ピアノ)

テーマが終わりアドリブソロに入る瞬間、また山中さんの方に目で合図します。

アイコンタクト出典:テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」

このアイコンタクトにより下記のような会話が成り立っていたのです。

石成さん
石成さん
まずは僕が先にソロ弾くよ
山中さん
山中さん
OK。バッキングに回るね

ギターソロが1コーラス終了すると、流れるようにピアノソロに入ります。この辺りの流れも非常にスムーズです。これが打ち合わせ無しで成り立つわけですからすごいです。

アドリブソロ(ベース+ギター)

ピアノソロが終了後、どういう展開になるかなとおもっていたら、ここですかさずベースがソロ弾き始めます。

ひなっち
ひなっち
かなりイキった感じでいきました

ベースでソロをとる場合は、本来のリズムを刻む感じでいくと目立たない。そこで音程は高音部を使い、かつロングトーンではなく細かいパッセージフレーズを盛り込むといいでしょう。

ひなっちの「イキッた感じ」とは、そういった勢いのある演奏を表現したもの。

そして、ベースにかぶせるように後半からギターも加わります。このときはイメージはこんな感じです。

石成さん
石成さん
ほうほうそうきたか、ではこんなフレーズはどう?

加えてこの時、ピアノとドラムは瞬時に音量を控え目で演奏しました。ベースは音が低いので周りの音量を落とすことでベースを浮かび上がらせる。その辺りも暗黙の了解で合わせているんですね。

SATOKO
SATOKO
ちょっと音量抑え目にするね
山中さん
山中さん
わたしも

突如リズムチェンジ

ベースソロの後、ベースのリズムがテンポアップ、よりノリのよいリズムに変化しました。それにすかさずドラムが呼応。軽快なリズムセクションになりました。

ひなっち
ひなっち
いっちょグルーブ変えてやろう
SATOKO
SATOKO
お?面白いリズム、それ乗っかろう

このあたりの流れを清塚さんがこう解説しています。

会話でいえば、これまではお茶してたけどここでお酒でもどう?とベースが提案して、ドラムがいいね!それ待ってた…という感じ

テーマに戻らないから終われない!?

本来であればどこかのタイミングでテーマに戻り何小節か演奏して終わり…となるはずですが、テーマに戻らない。みんなはギターの石成さんがテーマを弾くと思っているようです。

この時の各人の考えはこんな感じです。

石成さん
石成さん
よし、キメを弾いたら終わりでいいな
SATOKO
SATOKO
あれ?テーマに戻らないぞ…やばいドラムで引っ張らなきゃ
ひなっち
ひなっち
な~んかどうなっちゃうの、これ?
山中さん
山中さん
しょうがない、私がテーマを弾こう

このときは、みんないろんな表情して見ていてとっても面白かったです。そして、なんだかんだ綺麗に終わらせられるのがさすがです。

この流れをまとめた清塚さん解説はこんな感じで行われました。

アドリブ演奏のまとめ出典:テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」

 



 

安田くんのアドリブ参戦

別のコーナーを挟みつつ、司会の村上くんからこんなムチャ振りがありました。

村上くん
村上くん
例えばコードとリズムを決めれば、ヤスやってみーっていえばアドリブ出来るってことですよね?
清塚さん
清塚さん
もちろんできますよ!

この時の安田くんの反応がこちら。


最初は驚いていた安田くんですが、促されるまま石成さんからギターを借りて、セッションに参加します。

一緒に清塚さんもピアノで参加しますが、最初にコード進行だけ決めましょうと提案があります。この時の流れがこんな感じです。

清塚さん
清塚さん
ヤスさん好きなコードを
安田くん
安田くん
割とAm7が好きで…
清塚さん
清塚さん
じゃあ始まりはAmで、次は…
安田くん
安田くん
(何やらギターで音を確認しながら)Dm7…

こんな感じでコード進行を相談し合って、最終的にはAm→Dm7→E7→Amという進行に決まりました。

この進行はよくある”3コード”となっています。

トニック サブドミナント ドミナント トニック
Am Dm7 E7 Am

特にV→Ⅰの進行は”ドミナントモーション”と呼ばれ、終止感(ここで終わりだな、と感じさせる雰囲気)が得られる定番進行です。

ただし、本来AmキーであればドミナントはEm7になるはずですが、ここではE7を使用している点が異なっています。

カフェラン
カフェラン
つまりダイアトニック意外の音が入っていることになります。でもE7にしたことでよりパンチがあるというか、切ない雰囲気が増しますね。

スタートは安田くんに託され、まずはAmのカッティングを弾き始めます。4小節ほど弾いたところで、ひなっちのベースがいい感じで加わります。

さらに4小節ほど2人で弾いたところで、ドラムやピアノも加わります。

カフェラン
カフェラン
この瞬間はめちゃめちゃカッコいいサウンドでしたね~

そして、停滞しそうなところで、安田くんのチョーキング!からの速弾きフレーズ。

終わったあと、みんなで安田くんをベタ褒め。

でも、こうやって自由に感じたまま演奏するのが、アドリブの楽しさであり醍醐味っていうことを再認識させてもらえました。

 

その他のコーナー

その他には、ピアノ未経験でもいきなりアドリブできるか、というテーマでゲストの高橋茂雄が挑戦するコーナーだったり、

黒鍵の5つの音のみを適当に弾いてもらい、周りがそれに合わせるという仕組み。黒鍵だけに絞り込むことで、演奏するキーから音が外れないため、適当に弾いても演奏が成立する

清塚さんからテーマに基づいて、アドリブ演奏するコーナーがありました。

例えば、「悲しい」「ジャズ調」「セクシー」「怒った感じ」といった感じでアドリブで感情表現に挑戦します。

 

まとめ

アドリブと一口でいっても幅が広くとても深いテーマだと思いますが、清塚さんが番組冒頭でいった「アドリブ=会話」っていう部分が本質をついていると思います。

例えば楽器のテクニックはあるけど、前後の展開を無視して勝手に弾きまくるだけだと、聴いている方もなぜか気持ちが入っていかないし、その場の空気も白けるはずです。

テクニックはなくとも、メンバー同士のやり取りが見えれば、すばらしいセッションになるんだと思います。

カフェラン
カフェラン
まずは楽しむ…コレですね!

それにしても1時間まるまるアドリブをテーマに放送するって、なかなか地上波では考えられないですね。そういった音楽の深い部分を、分かりやすく解説するところが良番組だと思います。

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