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思わず人生を振り返りたくなる 極上の3曲  【じっくりと歌詞を味わいたい】

人は誰しも年齢を重ねていくものですが、忙しい日常生活を送っていると、”自分のこれまでの人生の軌跡”みたいなことを思い起こすってことはあまりないのではないでしょうか?

ヴァン・ヘイレンの元シンガー、デビット・リー・ロスの名言にこんな言葉があります。

三十過ぎたら車のバックミラーは外すつもりさ。過去になんて用はないからな。

くぅーカッコいいですねー。そんな「過去を振り返らないぜ 前を向くだけだ!」的な生き方が出来れば、それはそれでいいのかもしれません。

しかし、自分のこれまでの過去を振り返ることで、豊かな未来へつながることも、またあるのではないでしょうか。

今回はそんな、自分のこれまでの過去を振り返ってみたくなる曲を、厳選して3曲ご紹介します。

カフェラン
カフェラン
どれも過去を唄っているようで未来に向かっているような曲です

 

人生を振り返りたくなる名曲

人生の扉 - 竹内まりあ

まずご紹介したいのは竹内まりあの「人生の扉」

曲の基本情報

  • アルバム:2007/05/23「Denim」に収録。
  • シングル:2007/08/08に「Denim」からのシングルカットとして「チャンスの前髪」との両A面扱いでリリース。
  • 作詞/作曲:竹内まりあ  編曲:山下達郎

 

  • 協和発酵のCMソングとして使用されています。

 

レビュー

この曲は竹内まりあさん自身が50歳を迎えた当時の心境などを、曲として形にしたものです。なので、20代、30代の方が聴いても、もしかしたらピンとこないかもしれません。

しかし、40代中盤から50代を超えた方が聴けば、必ず何か感じる部分があるはずです。

まずは歌詞の後半2行

 

春がまた来るたび ひとつ年を重ね
目に映る景色も 少しずつ変わるよ
陽気にはしゃいでた 幼い日は遠く
気がつけば五十路を 越えた私がいる
信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ

引用:人生の扉(竹内まりあ)

年齢を重ねるごとに、1年の経過する時間が早く感じる、というのはよくいわれることです。これは個人的にも体感としてそのとおりだと思います。

「~知ってしまったら」という部分に、気づいたらこのくらいの年齢になっていた、という想いが表れています。

ほとんどの人は、自分自身が若いつもりで毎日を過ごしている中で、ふと気づけば、40歳、50歳…という人生の折り返しを迎える。ハッと気づくタイミングがこのくらいの年齢なのだと思います。ここがとにかく共感を生みます。

だからこそ「どんな小さいことも~」の部分がより伝わってくるのです。

カフェラン
カフェラン
自分は特に家族のことを想います。子ども達と怒ったり笑ったりの何気ない日々。でもいずれこの家を巣立っていく。何でもないこの日常の瞬間を全部覚えていたい…そう心から思ってしまいます

 

 

満開の桜や 色づく山の紅葉を
この先いったい何度 見ることになるだろう
ひとつひとつ 人生の扉を開けては 感じるその重さ
ひとりひとり 愛する人たちのために 生きてゆきたいよ

引用:人生の扉(竹内まりあ)

さっきの家族の話ではないですが、人生の折り返しを迎えると、1年に1回の出来事が「あと何回味わえるのだろう」とふと考えます

例えば、この歌詞にもある”満開の桜”。20代の頃は「きれいだなー」とただ単に眺めていましたが、40代の今は、なんか胸に来るものがあります。

カフェラン
カフェラン
子どもがまだ小さい頃は家族みんなで桜並木を散歩したものですが、子どもが大きくなった今は必ずしも”みんな揃って”というわけにはいかなくなりました。

きっとこの先も、その形は変わっていくことでしょう。

だからこそ、今を大切にすることが、大事ということを実感しています。

 

I say it’s fun to be 20
You say it’s great to be 30
And they say it’s lovely to be 40
But I feel it’s nice to be 50

I say it’s fine to be 60
You say it’s alright to be 70
And they say it’s still good to be 80
But I’ll maybe live over 90

引用:人生の扉(竹内まりあ)

この英詩の部分もいいですね。この部分は日本語でそのまま歌ってほしいという声もありますが、私は英語でよかったと思います。

  • 20歳になるのも面白いね
  • 30歳は素晴らしいよ
  • そして40歳も素敵です
  • でも50歳も素晴らしいと思う
  • 60歳でもいい
  • 70歳になっても大丈夫っていうね
  • そして、80歳になってもまだまだ
  • たぶん90歳以上でも生きてるよ

 

時はものすごい速さで過ぎ去っていく…でも、そのことを悲観することはないよ。日々を大切に生きていければ、いくつになっても人生は楽しめる。

そんなメッセージが伝わってきます。

 

 

君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように
長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもあるさ

引用:人生の扉(竹内まりあ)

そのメッセージを集約しているのがこの一節ですね。

年齢を重ねていくのも悪くない、この曲を聴いて素直にそう思えます。

 

50/50 - ユニコーン

次に紹介したいのはユニコーンの「50/50」。

曲の基本情報

  • アルバム:2017/03/07「半世紀 No5」に収録。
  • 作詞/作曲:ABEDON  編曲:ユニコーン

ユニコーンのリーダーABEDONの50歳を迎えてのライブ『ユニコーン ABEDON50祭「サクランボー/祝いのアベドン」』用に書き起こされた曲。

ちなみにユニコーンは、メンバーが50歳を迎えるたびに記念の曲を出しています。
すべて「半世紀 No5」に収録されています。

  • 川西幸一 → 半世紀少年
  • 手島いさむ → ゴジュから男
  • 奥田民生 → ロック・クロック・オクロック
  • EBI → TAIRYO

 

 

カフェラン
カフェラン
先に紹介した「人生の扉」もそうですが、50歳というのはやはり人生の区切りなんでしょうね

 

レビュー

私がグッときたのは、途中で数字をカウントする部分です。

小学校や中学校の思い出、社会人になりたての風景、子どもが赤ちゃんのとき、家を建てたとき…そんな節目節目の思い出が、ABEDONのカウントと共にバーッと脳裏に浮かんできました。

ピアノによる主旋律をバックにした、この振り返りともいえるカウント…この曲の余白ともいえるこの箇所は、ABEDONからリスナーに贈るプレゼントだと思いました

カフェラン
カフェラン
聴いている人が、それぞれ想いを馳せてください、という。まさに「思わず人生を振り返りたくなる」という趣旨にピッタリな曲だと思います

これを聴いた方達の感想です

 

そしてMVはここまでABEDONが一人でNYの街並みを歩いている場面のみでしたが、ここからメンバー一人ひとりのレコーディング風景が映ります。

その場面の歌詞がこちら。

 

50/50 重ねてる
50/50 バームクーヘンは 甘い

願いがあるなら 半分叶える
残りはまた次 取り置き

君と僕はそう 二つで一つ
そして僕たちは 五つで一つ
新しい今を 歌おう

引用:50/50(ユニコーン)

この曲は、50歳を迎えてこれまでを振り返るという意味と、50/50…半分ずつ分かち合う…という意味も込められていると思います。

長い人生、半分まで来たね、でも自分一人でここまでこれた訳じゃない。これからも力を合わせていこう。そういう色々な”半分”。

そして最後の「そして僕たちは~」の部分。一度解散したユニコーンではありますが、再集結した現在ののようなものが伝わってきます。

カフェラン
カフェラン
ABEDONは本当に良い曲を書くなぁ。ミディアムバラードを書かせたら一級品ですね



川の流れのように - 美空ひばり

最後は”昭和の歌姫”こと、美空ひばりの「川の流れのように」。

曲の基本情報

  • シングル:1989/01/11にリリース。
  • 作詞:秋元康 作曲:見岳章 編曲:竜崎孝路

上記のオリジナル版の他に、1991年版、1998年版、2000年版といった具体にアレンジを変えた多数のバージョンがリリースされています。

そして多くのアーティストからカバーされていることでも有名です。
五木ひろしや天童よしみといった演歌の大御所から、AIや水樹奈々といったR&B、J-POPアーティストまで多岐に渡っています。

それだけ、誰からも愛される、普遍的な名曲なのだと思います。

 

レビュー

この曲については”歌詞”と美空ひばりさんの”佇まい(たたずまい)”に注目したいです。

まず歌詞冒頭のこの部分。

 

知らず知らず 歩いてきた
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷が見える

引用:川の流れのように(作詞:秋元康)

「人生の扉」でも同様のことを述べましたが、人は年齢を重ねて、人生の折り返しを迎えるときになって、初めて「そういう時期を迎えているんだ」、という実感をもつように思います。

それがこの「知らず知らず~」の部分に現れているのではないでしょうか。

ここで語られる「遥か遠く 故郷が見える」は、自分のルーツ…つまり”若かった頃の自分”と解釈することができます。

 

 

でこぼこ道や 曲がりくねった道
地図さえない それもまた人生

ああ 川の流れのように ゆるやかに
いくつも時代は過ぎて
ああ 川の流れのように とめどなく
空が黄昏に 染まるだけ

引用:川の流れのように(作成:秋元康)

この部分の歌詞は、人生は色々あるけど、それでも続いていく…という、普遍的なメッセージとして感じます。

普遍的…そうなのです、歌詞自体は割と普遍的なことを表現していると思うのです。しかし、どうしてこれほどまでに聴いている人の心を揺さぶるのか。

それはやはり、”美空ひばりがうたっているから”に尽きるでしょう。

改めて動画をご確認いただきたいのですが、イントロが流れている中での、表情、動き、視線…この”佇まい”だけで目が離せません。

そして歌詞の進行に呼応するかのような、仕草と表情…歌詞の情景が何倍にも増幅された心にしみわたります。

歌唱力については、今更私が語るまでもありません。

美空ひばりの歌唱で聴く「川の流れのように」

過去を振り返りながらも、希望の未来を唄ったこの歌を、しみじみ聴くことの幸せがあります。

 

まとめ

思わず人生を振り返りたくなる曲、ということで3曲を厳選してご紹介させていただきました。

人間は(というより生き物全般は)基本的未来に向かって進んでいく宿命にありますから、常に将来のことを考えていく必要があります。

でも時に行き詰ったり、落ち込むこともありますね。

そんなときに、ちょっとこれまでの人生を振り返ることで、なにかヒントとか元気になるきっかけとかあるように思うのです。

また、本文でも述べているとおり、ふと振り返ることで、今過ごしている何でもない日常をとっても愛おしく感じることもできます。そんな時のBGMに今回の曲をいかがでしょうか。

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