突然ですが、好きなことを仕事にできるって素敵ですよね。最近ではYoutuberによる「好きなことで生きていく」のキャッチコピーも有名です。
もちろん、仕事にする以上、好きだけじゃやっていけないことも多々あると思いますが、それ以上にやりがいがあると思うのです。
このブログをご覧になっている方にもそういう人多いのではないでしょうか?
今回は、そんな音楽で生計を立てることに興味がある方に向けて、世の中にはいったいどういった仕事があるのかについて、大特集していきます!
目次
音楽に関係するお仕事一覧
音楽関係の仕事!…というと、どうしてもアーティストというかスポットライトを浴びる存在をイメージしがちですが、実は音楽の仕事はその範囲がとても広いです。
おおさっぱにいっても、音楽を作る側、その曲を演奏する側、演奏されている楽器を作る側…とどんどん広がっていきます。
まずはどんな仕事があるのか一覧形式でみていきましょう!
- アーティスト
- スタジオミュージシャン
- ラウンジプレイヤー
- デモンストレーター
- 作曲家
- アレンジャー
- サウンドクリエイター
- レコーディングエンジニア
- PAエンジニア
- 楽器メーカーエンジニア
- クラフトマン・リペアマン
- 音楽雑誌編集者
- 音楽ライター
- 音楽教室講師
- 音楽教師
- 楽器店スタッフ
- 音楽スタジオスタッフ
- 音楽療法士
- ピアノ調律師
- 採譜屋さん
音楽に関係しているとはいえ、職種はかなり多岐にわたっている感じですね。
それでは、一つずつ仕事内容を確認していきましょう。
①アーティスト
音楽を仕事にする…というイメージが一番強いのがこのアーティストではないでしょうか。
ソロアーティスト、バンド、ユニット、グループ等色々な形態はありますが、CDや音楽配信等により音源を発売し、ライブ活動を行う…というのは共通するところです。
近年ではインターネットの発展により自作曲を直接販売できるサービスや、「歌い手」と呼ばれる存在の台頭もあり、メジャーシーン以外での活動の幅が広がっています。
日本の音楽業界はCD販売の不況により厳しいといわれますが、上記のような状況を向かえ、すそ野が広がっている分ある意味チャンスともいえます。
求められるスキル
アーティストの場合は人気商売ですので、資格も必要なければ、ある意味絶対的に必要なスキルというものもないといえます。
人気の要素が楽曲をベースとした場合もあれば、その人自身の魅力(容姿や雰囲気、話すメッセージ等)の場合もあります。
とはいえ、バンドの場合であれば最低限の演奏スキルは備えておく必要があります。まずは自分が得意とするところで活動の幅を広げていくのが近道でしょう。
アーティストになるためには
様々なルートがありますが、冒頭で述べたように、資格も必要なければスキルの形も決まったものは無い…逆にいえば「これをやればなれる」という確実なものがないため難しい面があるでしょう。
一般的にはプロダクション等のオーディションに応募する、またはデモテープや自主制作のCDを送るなどがスタンダートな流れになっています。
バンドの場合は、アマチュアから始まりライブの動員が増えていく過程でメジャー契約…というのが王道でしょう。
ただし、これも冒頭で述べたように近年は自分で楽曲を発信していく方法もあるため、行動次第で道が開ける職種ともいえます。
【楽曲は発信できるサービス一覧】
- TuneCore Japan
- Bandcamp
- Spotify
- SOUND ON LIVE
- Frekul
②スタジオミュージシャン
アーティストが自分たちの音楽を追求するのに対して、スタジオミュージシャンは、アーティストのレコーディングやライブに演奏者として参加することが仕事です。
音楽系の仕事の中でもプレイヤー志向の高い方にとっては、魅力のある仕事でしょう。
求められるスキル
求められるスキルは非常に高いといえます。
- 高い演奏能力
まずは何はなくとも演奏技術です。速弾きのようなバカテクが必要というよりは、ギターでいえば確実なピッキングや正確なタイム感といったものが求められます。 - 譜面への対応
スタジオミュージシャンの場合は、仕事の現場に入り譜面を渡されそのままレコーディングに入るということも多く、譜面への対応は必須となります。
鍵盤系のプレイヤーは譜面に馴染んでいる人も多いですが、ギターやベースの場合は譜面を通っていない(TAB譜ではなく5線譜)場合も多いため、スタジオミュージシャンを目指す場合はその辺もキーになると思います。 - 柔軟なアレンジ力
譜面が渡されるからといって譜面どおりに演奏すればよいわけでなく、柔軟なアレンジ力が必要となります。
というのも、レコーディングの現場では試行錯誤が繰り返され、「ここをこうしてみよう」というアーティスト側からの提案も多いため、提案を具体的なフレーズなりに落とし込んで提示する必要があります。
毎週関ジャムが面白い。今回のスタジオミュージシャンの方々のレコーディングの話とかとても興味深かった。そしてお題に沿ったアレンジの即興セッションがほんとかっこよくて。凄い人が集まると凄いものできるんだって思う。いつか剛さんとTU FUNK ALL STARSで出てほしいな(^o^)
— こさかママ (@kosakamama) 2017年9月25日
スタジオミュージシャンになるためには
スタジオミュージシャンの活動形態にはレコード会社等の組織に所属する場合と、フリーランスの場合があります。
フリーランスの場合は自分で売り込む(営業)ことが基本ですが、「日本スタジオミュージシャン連盟」というサイトに登録して仕事をとることもできます。
このサイトにミュージシャンとして登録しておくことで、レコード会社や音楽事務所のレコーディングスタッフ(プロデューサーやディレクター)が、その時々の条件やスタイルに応じたミュージシャンを検索し、探し出すことが出来るというものです。
また、この業界は口コミや人脈というものが強いのも特色です。
つまり、腕のよいミュージシャンであれば、また別の現場に呼ばれる…というものです。そうやって活動の幅が広がっていくスタジオミュージシャンが大半であると思います。
③ラウンジプレイヤー
ラウンジプレイヤーは、ホテルやバーのラウンジ等演奏するのが主な仕事です。
お客さんへの距離感…という部分ではスタジオミュージシャン以上に近い存在といえます。
求められるスキル
ホテル等にいる不特定多数のお客様を満足させるためには、様々なジャンルの曲を演奏できるスキルが求められます。時にリクエストに応えるなど臨機応変な対応も求められ、そのためには演奏できる曲の豊富なレパートリーや即興演奏スキルも求められます。
ラウンジプレイヤーになるためには
一番確実なのは音楽事務所に所属することです。ホテルのラウンジで演奏しているプレイヤーはほぼ事務所から派遣されているケースが多いです。
またバーなどの場合は直接交渉が多いようです。いずれにしても、統一されたルートがあるわけではないため、行動力がものをいう職種でしょう。
④デモンストレーター(エレクトーン)
もう一つ演奏系のお仕事で紹介したいのが、エレクトーンのデモンストレーターです。
エレクトーンは子どもの習い事楽器の中でも上位に位置し、あるWEBサイトで「演奏できる楽器は何ですか」という質問に対して、女性の12%はエレクトーンと回答しています。
エレクトーンを弾ける人で、かつ人前で演奏する仕事に就きたい!という方にとって、デモンストレーターという仕事は最適ではないでしょうか。
デモンストレーターはYAMAHAに所属し、エレクトーンの普及に関する幅広いお仕事を行います。
- 楽器店でのデモンストレーション演奏
- コンサートでの演奏
- 展示会での接客
下記は大西麻美さん、通称「あさみっち」のデモンストレーター風景です。
今日のコンサートのアンコール動画🎹
ロビーにてステージアベーシックモデル(ELB02)を演奏♪
すごい盛り上がりでした👏子ども達が集まってきてノリノリ!!@asami_cchi @kouki_shoji #ヤマハ音楽教室#コウキ商事#エレクトーン#富岡ヤスヤ#大西麻美#USA pic.twitter.com/GGMQ6sbk6v— ヤマハ コウキ商事 せんざいセンター (@kouki_senzai) 2019年5月19日
三木楽器さんでのデモ演の動画を頂いたので、載せてみます!
YouTubeの動画でも演奏させて頂いてるカノンロックです(*’ω’*)#エレクトーン #あさみっち #カノンロック #三木楽器 pic.twitter.com/NICV8VMDdb— 大西麻美(あさみっち) (@asami_cchi) 2019年5月7日
求められるスキル
求められるスキルがYAMAHAのWEBサイト上に記載されています。
詳細はこちらをご覧ください。
デモンストレーターになるためには
YAMAHAのWEBサイトから応募します。
⑤作曲家
作曲家はその名のとおり曲をつくるのが仕事です。
アーティスト自身が曲を書く場合は「シンガーソングライター」と呼んだりしますし、バンドの場合はほとんどの場合自バンドのメンバー内で曲を制作することが多いです。
よってこの項目であげる作曲家は、職業として曲を制作しアーティスト側に提供する立場、とします。
作曲とは曲のメロディ及びコード進行(ハーモニー)をつくる部分を指しますが、上記の形態で仕事として成立させるには、コンスタントに一定のクオリティを保った曲を生産し続ける必要があるため、なかなか難易度高めな職業といえます。
とはいえ、コツを掴めば一定の方法論で曲を生み出すことも可能であるため、物作りが好きな方については理想的な職業ともいえます。
必要なスキル
音楽ジャンルによっても異なりますが、音楽理論に関する深い理解が必要です。
そしてその音楽ジャンルにしても、最近の傾向としては特定の音楽ジャンルに限定しない考え方も求められます。
また最近はアレンジも込みで制作することも多いため、DAWソフトの操作や知識も重要になっているところです。(完成品のアレンジとはいわなくとも、デモテープで提示するためにやはりDAWを使用することが多い)
また作曲に使用する観点からも、専門的に演奏できる楽器が1~2つは必要です。
上記はどちらかというと技術的な部分ですが、それ以上にセンスが問われる職業といえます。というのもいくら技術的な部分を覚えてもいいメロディを作れるとは限らないからです。
いいメロディをつくるためには、たくさんの曲を聴き、自分の中に引き出しをたくさん持つことも大切です。
作曲家になるためには
アーティストの場合と同様に、作曲家の場合も資格があったりするわけではありませんので、自分は作曲家だ!と宣言すればいいのかもしれませんが、基本的なルートがいくつか存在します。
- レコード会社等のオーディションに応募する
- レコード会社等にデモテープを送付する
- フリーランスとして仕事を請け負う
- 自身のアーティスト活動から作曲家への転身
①、②は各レコード会社のWEBサイト等に随時募集が行われていたりしますが、「音スト」のように、作曲家の募集を集約したサイトもあります。
また③については、「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったフリーランスとして直接仕事を請け負うスタイルも一般化してきています。
⑥アレンジャー
アレンジャーとは日本語でいうと「編曲家」のことです。
編曲とは、作成された曲(メロディ)に対して、イントロや伴奏を付けて曲として成立させることです。
その為には、リズム(4拍子なのか3拍子なのか)、使用する楽器(ピアノメインでいくのか、歪んだギターを全面に出すのか等)、テンポなど具体的な要素を詰めていきます。
つまり最初は素朴なメロディだったものを、壮大なオーケストラ調にするのも、ジャズテイストのオシャレサウンドにするのも、アレンジ次第ということになります。
アレンジャーに関しては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
求められるスキル
作曲家の項目でも触れましたが、近年では作曲家とアレンジャーの線引きがクロスオーバーしている部分もあり、両方兼ねている場合が多いです。
よって求められるスキルも作曲家と似ている部分ありますが、ある意味作曲家以上に音楽理論や技術的な部分は求められます。
(極端に言うと作曲は、鼻歌のメロディでもキラリと光るものがあればいい、つまり感性でも勝負できるわけですが、アレンジはそうはいきません)
各楽器の特性を十分理解している必要もあります。
例えば、本来その楽器では出せない高さの音を出してしまうとリアリティが無くなってくるわけです。(意図的にやる場合もありますが)
アレンジャーになるためには
やはり特別な資格が必要なわけではなく、アレンジャーとしての腕や音楽業界内でのつながり等があれば仕事につながる部分があります。
そういったつながりがない最初は、レコード会社等が主催するコンペ等に応募して仕事を得るという流れがあります。
また元々自身の活動として作・編曲を行っており、その作品が認められてアレンジャーへの道が開かれるというケースも多くあります。
いずれにしても、最初はまずアレンジャーの出発点としての作品があり、それが認められ仕事が広がっていく、という流れは共通するところです。
⑦サウンドクリエイター
サウンドクリエイターとは、より大きな枠で音楽を制作する仕事です。
より大きな枠とはどういうものかというと、以下の媒体等で使用する音楽を制作するものです。
- ゲームの効果音やBGM
- CMの音楽
- 映画で流れる挿入曲
私たちが普段テレビ等で何気なく耳にしている音楽は、サウンドクリエイターという職業の人が制作していると考えていいと思います。
一昔前は企業等に所属する作曲家等が制作していたものが、インターネットの発達やDTMの一般化に伴って、フリーで活躍するサウンドクリエイターが増加しています。
求められるスキル
基本的には作曲の仕事になるため、作曲家やアレンジャー同様音楽の基礎知識や理論的なものが備わっている必要があります。
加えて、DAWソフトの操作などコンピューターの扱いに慣れている必要があります。
これらのスキルは当然専門学校等で学ぶこともできますが、趣味の一環として独学で始め、経験を積み重ねることで仕事化しているクリエイターも多く存在します。
サウンドクリエイターになるためには
どういった領域で活動していきたいかによって、クリエイターの道が分かれます。
例えばゲームで使用する音楽全般を作っていきたい場合は、ゲーム制作会社に就職するのが一般的です。
このように、ゲームクリエイターと一口に言ってもその活動はかなり広いため、自分の意志を明確にし、会社員としてやっていくのか、フリーとしてやっていくのか選択していくことができます。
⑧レコーディングエンジニア
レコーディングエンジニアはCD等で販売する音源を録音するための、技術的な部分を担当する仕事です。
現代のレコーディングは一発録り(全パート一斉に弾いて録音する)で行われることは少なく、各パートやボーカルを別々に録音していきます。
レコーディングエンジニアは、1チャンネルずつ録音された素材のバランスを取り、必要に応じてリバーブやコンプレッサーといったエフェクト処理を施します。
そうして整えたチャンネル別の素材を、トラックダウン(LとRのステレオ2chに落とし込む)を行います。
最後に複数曲がある場合はそれらの曲を同一のレベル感等に調整するマスタリングという作業を行い、マスターテープを完了させます。
レコーディングエンジニアはまさに録音現場の司令塔であり、技術力と感性で作品の出来をも左右する存在でもあります。
求められるスキル
特別な資格が必要なわけはありませんが、関係する機材の扱いを熟知していく必要があります。そういった意味では専門学校で音響等の分野を勉強するのは有利に働くと思われます。
また必須なわけではありませんが、サウンドレコーディング技術認定試験やPro Tools技術認定試験という資格があります。ともに仕事で使用するスキルではありますので、取得していた方がより有利に働くでしょう。
いずれにしても実践的なスキルは、現場の作業の中で習得していく必要があるため、会社に就職後数年はアシスタント等で経験を積むことになります。
レコーディングエンジニアになるためには
基本的にはレコード会社やレコーディングスタジオに所属し、活動することになります。
スキルの項目でも述べましたが、こういった技術職は入っていきなり本作業に従事できることはなく、最初の数年はアシスタント等の下働きで経験を積むことになります。
⑨PAエンジニア
PAエンジニアはライブでPAを担当する人です。ある意味音楽現場の最前線にいる人です。
PA(ピーエー)とは、「Public Address」の略で、PA装置により音楽を増幅させ聴衆に広く届けることが仕事です。
具体的には、ミキサーといわれる装置で各楽器の音量バランスを調節し、客席側へ出る音や、アーティスト側が聴くモニターの音を最適化する。
小さいなライブハウスではPAエンジニアが一人で取り仕切ることが多いが、大きめのコンサートでは役割によって分業する体制が多い。
客席への音を届けるのはFOH(フロントオブハウス)エンジニア、アーティストなどの出演者に音を届けるモニターエンジニア、ステージのマイク設置などを手掛ける音響担当などに分けられます。
ライブを観に行ったとき客席の一角に、機材が並んだコンソールがあるのを見たことあると思いますが、あそこで仕事をしている方達ですね。
求められるスキル
まず音響に関する専門知識が必要となるため、一般的には音響関連の専門学校や大学で学ぶ必要があります。
そのうえで求められるスキルとして、現役PAエンジニアの小島政俊さんはインタビューで次のとおり答えています。
――PAエンジニアに必要なスキルは何だと思いますか?
「豊かな感性」です。技術的なことは時間が経てば誰でも身に付いていくからです。
FOHエンジニアはステージ上でバンドから鳴った音をミキサーにまとめ、お客さんに届ける最終的なところを任される仕事です。ライブはやり直しの効かない一発勝負で、そして正解もないのです。いろいろな音楽や物事に興味を持ち経験したことが、結果となりついてくると思います。下積み時代にはつらいこともたくさんありましたが、それも含め今の自分が構成されています。とにかく楽しみながら学んで感性を豊かにしていってほしいと思います。
引用:進路のミカタ
PAエンジニアになるためには
専門学校や大学で音響に関する専門知識を身に着けたうえで、音響会社、コンサートや舞台の企画・制作会社、ライブハウスなどへの就職するのが一般的なラインです。
十分な経験を積むとフリーランスとして活躍できる道もあります。
ただし、駆け出し時はいきなりメインのPAを任されるわけではなく、機材の片づけなど下働きから始まることが多いようです。
⑩楽器メーカー
音楽の中でも特に楽器自体が好き、興味があるという方にとっては、楽器を製造しているメーカーに就職するという道があります。
鍵盤楽器メーカーとして有名なYAMAHAやKORG、ROLANDといった会社などですね。
特にシンセサイザーなどはテクノロジーの塊なので、たくさんの部署がかかわることになります。
リットーミュージックのコラムでは、株式会社コルグで働くエンジニアにインタビューしています。その中の一人、金森与明さんはサウンドデータ開発課という部署で、楽器の音を作る仕事を担当しています。
他にもシンセの基本設計を行う部署やソフトウェアを開発する部署から、営業や広報など非現業部門まで様々あります。このように仮に入社できたとしても会社組織ですので、どの部署に配属されるかで従事する仕事内容は大きく変わる可能性があります。
求められるスキル
上記でも述べているように、どの部署に配属されるかで求められるスキルは変わってきます。
仮に楽器製造部門に配属される場合でも、ピアノ等のアコースティック楽器とシンセサイザーのような電子楽器がまったく異なるように、制作する楽器によって求められるスキルはまったく異なります。
いずれにしてもその道の専門知識が必要となりますので、専門学校や大学で学ぶのが基本となります。
また会社の面接を受ける機会があれば、自分の意志を明確に示すことも大切でしょう。
楽器メーカーエンジニアになるためには
新卒で就職、または転職として就職する、というシンプルな流れになります。
また製品作成の過程で発生するデバック要員など、アルバイトで製品づくりに参加するというケースもあります。
正社員として就職する場合は、採用人数も限定されているため狭き門にあります。採用情報は各社のHPに掲載されていますので、随時チェックしてみましょう。
⑪クラフトマン・リペアマン
クラフトマンは楽器そのものの制作に直接携わる人です。いわゆる職人さんです。
リペアマンは楽器の修理や補修を主に行う人ですが、両方を兼ねている場合もあります。
楽器そのものが好きで、かつモノづくりが好きな人にとっては最適な職業の一つでしょう。
クラフトマンという言い方は、ギタークラフトマンのようにギターやベースなどの弦楽器が多い印象です。
求められるスキル
当然ギター等を制作するためにあらゆる知識、そして実際にそれを形にする技術が必要です。
それプラス、クライアントから要望された点を形として落とし込むセンスが重要となります。
技術や知識については、専門学校等でしっかり学ぶ必要があります。
クラフトマンになるためには
基本的にはギタークラフトの専門学校を卒業した後、楽器メーカーへ就職する、または自分の工房を立ち上げる等のルートがあります
ギタークラフトの専門学校には以下のような学校があります。
- ESPエンターテイメント東京
- キャットミュージックカレッジ
- 国立音楽院
- 東京スクールオブミュージック
職人仕事ですので、しっかり技術を学べば職業として携えるハードルは高くないといえます。(仕事にできるというのと、独立して利益を大きくあげる…というのは別問題です。)
⑫音楽雑誌・WEBメディアスタッフ
音楽情報や最新の音楽の動向に興味がある方、または自分からどんどん情報を発信したい方にとっては、音楽雑誌の編集者やWEBメディアのスタッフとして活動するのはいかがでしょうか。
ただし近年では紙媒体の売り上げが低迷していることもあり、出版社へ正社員として就職するのは狭き門になっています。どうしても働きたい!という夢がある場合は、アルバイト編集者として勤務する道もあります。
反対にこれからもどんどん伸びると思われるのがWEBメディアや動画の世界です。
求められるスキル
雑誌編集やWEBメディアに共通するのは、企画や予算取り、取材や外部ライター等への記事依頼といったところです。
このあたりのスキルは実際会社に入って、下働きをしながら習得していくイメージですね。
雑誌作りはとにかく複数の分担制です。写真撮影や紙面レイアウト、記事全部分業の場合もあれば、小さい雑誌であれば兼ねている場合もあります。
WEBメディアの場合で実際のサイト作成にかかわる場合は、htmlやCSS、その他プログラミング言語を扱えるとなお活躍の幅は広がるといえます。
編集者、スタッフになるためには
雑誌編集の場合であれば出版社に就職するのが基本ですが、大手出版社の採用人数はそれほど多くないのが実態です。
こういった情報を発信して方もいらっしゃいます。
「【結論】出版社に就職するのは難しいと考えるのはムダです」
WEBメディアの場合は、それぞれのサイトで採用情報というメニューがありますので、そこをチェックして応募する流れです。
参考までに音楽メディアを運営しているオリコン株式会社の場合は、このようなページで採用情報を発信しています。
⑬音楽ライター
音楽ライターは音楽雑誌やWEBメディアで記事を書く仕事です。
基本的に文章を書くことが好き・得意で、音楽に関係する仕事に就きたい場合は選択肢の一つになってくると思います。
また企業に所属しなくともすぐにライター活動を始めることもできます。それはブログを書くことです。
今見ていただいているブログも音楽関係といえば音楽関係なので、まずは個人ブログを始めてライティングを積み重ねていくこと一つの方法ですよ。
求められるスキル
基本的な文章構成能力はあった方が望ましいのと、職業として考えればある程度の執筆スピードは必要でしょう。
というのも音楽ライターの報酬は記事の本数や文字数が基準になることが多いため、数をこなせばそれだけ報酬が増えると考えられる
音楽への造詣の深さは執筆するメディアによるでしょう。
例えばニュースサイトとプレイヤー誌ではおのずと求められる記事の内容が異なってくると思われるので、自分の得意とする、またはやってみたい領域で活動するのが望ましいですね。
音楽ライターになるためには
音楽雑誌も種類は多いですが、紙媒体全体の部数の落ち込みもあり、出版社での採用人員は少ないようです。それでも大手出版社を中心に採用情報は頻繁にチェックしておくべきでしょう。
WEBメディアに関しては、ニュース系のサイトが多いということもあり、契約社員やフリーランスとしての募集が随時あります。WEB系の場合は在宅でできるというメリットもありますね。
あとは、「ココナラ」や「クラウドワークス」といった仕事マッチングサービスに登録しておいて仕事を受注することも可能です。
⑭音楽教室講師
楽器経験者であれば音楽教室の講師で勤務するということも可能です。
音楽教室といっても、個人経営とヤマハを始めとする大手教室とに大きく分かれますが、いずれにしても、音楽大学等で楽器演奏や歌唱の確かな指導力は養っていることが求められます。
求められるスキル
これまで紹介した音楽関係のお仕事では、基本資格が不要だったり、ある意味技術職だったりしましたが、講師の場合は人に教えるという立場もあり、ある程度厳格な採用試験等が課されます。
例えば「ヤマハ音楽教室」の場合は次の手順を踏んで合格すれば採用となります。
- 1次試験
自身の演奏力を発揮できる曲を録音し、CD等で提出 - 2次試験
実技、筆記、面接
このあたりの試験内容は各教室によって差がありますので、各社をよく比較して検討していただければと思います。
音楽教室講師になるためには
各教室で定められる募集要項に基づい応募します。
⑮音楽教師
小学校や中学校で音楽の授業を受け持つ教員は、公務員という立場の中で働くことができるため、好きな音楽に接しながら生活の安定を図ることもできます。
単に音楽好きだけでなく、教育や子どもとの関わりという部分でも興味がある場合にはぜひ目指したい職業です。
求められるスキル
小中学校の場合は生徒全員が音楽の授業を受けるので、声楽をはじめ教育として幅広い音楽の知識が求められます。
音楽の授業ではリコーダーや鍵盤ハーモニカといった楽器を扱うので、各楽器に関する演奏法の熟知のほか、学校行事では校歌をはじめ様々な合唱曲の演奏があり、それらは音楽教師のピアノ伴奏により行われることが通例です。
音楽だけでなく、教員と一員として学校教育の様々な役割が割り当てられることになります。
音楽教師になるためには
何わなくとも教員免許が必要です。取得するためには、大学の教育課程で免許を取得します。
公務員になるための情報サイト「公務員総研」に、音楽の先生になるためのレポートが詳しく掲載されていますので、参考にしてみてください。
⑯楽器店スタッフ
同じ楽器好きでもこちらは作る方ではなく売る方ですね。楽器に囲まれているだけで幸せ!っていうタイプにはもってこいの職場です。
基本的には小売業ですので、接客が中心となりますが、お客さんの要望や悩みなども全て音楽がらみですので、仕事と音楽は直結しているといえるでしょう。
反面、人と接する仕事や営業の仕事が苦手な場合は、仕事がツライ>楽器好きという状況も生まれます。小売業ですので、やはり販売数値はついてまわるため、自分の業務成績が数値で判断されるわけです。
求められるスキル
特別はスキルはほぼ必要ありません。基本的な接客に問題がなければ、業務上必要な具体的手順等は就業時の説明や訓練により習得します。そういった意味でも就業に対するハードルは低いと思われます。
楽器店スタッフになるためには
楽器店では正社員での採用、またはアルバイトの両方があります。
ともに楽器店のHP等で採用情報が掲載されていますので、マメにチェックして応募する流れです。またアルバイトであれば店頭での募集表示も頻繁にあります。
アルバイトであれば辞めハードルも比較的低いと思われますので、やっていけるか分からない等の悩みがあるようであれば、まずはやってみるというスタイルでもよいと思います。
⑰音楽スタジオスタッフ
バンドの練習で借りる音楽スタジオで働くスタッフです。
主な仕事内容は、予約の受付、来客対応、スタジオのレンタル機材配置や撤去、機材メンテナンス・清掃業務等。
バンドマンであれば普段頻繁に作業風景を目にするため、仕事内容もだいたい察しがつくのではないでしょうか。
これも楽器店スタッフと近いものがありますが、音楽を身近に感じられる仕事でありながら、就業のハードルが低いものの一つだと思います。
また楽器店スタッフと違い、お客さんとの密なコミュニケーションも不要であり、小売業ではないため、販売数値に追われるということも少ないでしょう。
求められるスキル
特別はスキルはほぼ必要ありません。基本的な接客に問題がなければ、業務上必要な具体的手順等は就業時の説明や訓練により習得します。そういった意味でも就業に対するハードルは低いと思われます。
音楽スタジオスタッフになるためには
各スタジオのWEBサイトで採用情報が掲載されていますので、応募する流れです。ちなみにスタッフはほぼアルバイトという形になっています。
⑱音楽療法士
音楽療法士は、音楽のもつ力を使い、様々な方の生活質向上を図ることを仕事としています。
主な活動対象としては、高齢者福祉、障碍者福祉、医療分野などで次の目的を持って仕事にあたります。
- 健康維持、介護予防
- 痛みの緩和
- 認知症の症状緩和
- 心のケア
- リラクセーション
- 子どもの発達支援
具体的には、実際に演奏し一緒に歌ったり、体を動かしたり、音楽を作ったりします。
また音楽を聴いてもらうことで心のケアを図ったりします。
必要となるスキル
音楽療法士は、働く場所により、医療、福祉、教育などの専門職であると同時に、「音楽の専門家」です。したがって、高度な音楽の知識や技術が必要です。
音楽療法士になるためには、次のようなことについて学びます。
・専門分野の学び(音楽や音楽療法に関する知識と技術)
・関連分野の学び(医学、福祉、心理学の知識)
・実践力(音楽の技術、援助の技術)引用:一般社団法人 日本音楽療法学会
音楽療法士になるためには
一般的には日本音楽療法学会など民間団体の認定資格取得します。
資格を取得するためには、認定校に入学、又は所定の講習会を受講し、認定試験を受けることになります。
詳しくはこちらをご参照ください。
音楽療法士 認定資格の取得について
⑲ピアノ調律師
ピアノの調律師は、その名のとおりピアノを調律することが仕事です。
ピアノはそのままの状態でも音程がズレていきます。これは強い力で張ってあるピアノの弦が緩んでくることから起こる現象ですが、その他にも湿度や練習頻度など音程がズレる要素は色々あります。
そこでピアノは最適でも1年に一回は調律を行うことを推奨されています。
ただし、ギターなどのチューニングと違って、ピアノの調律は誰でも気軽にできるものではありませんので、そこで作業を依頼するのが調律師という訳です。
求められるスキル
調律を行う上で絶対音感が必要と思われるかもしれませんが、必ずしも絶対音感は必要ありません。
調律は基準となる音に対して音程があっているかを確認しながら行うため、相対音感があれば対応できるわけです。ちなみに相対音感はほとんどの人が持っている音感です。
またピアノ調律師はピアノの調律だけではなく、全体のメンテナンスも行います。ピアノが弾きやすくなるような調整を施したり、必要に応じて部品交換も行います。
つまり、ピアノという楽器全体を理解している必要があります。
また、必須というわけではありませんが、調律後の音を確認してもらうため、ピアノを演奏する調律師さんも大勢います。
調律師になるためには
調律師になるためには必ずしも資格は必要ありませんし、極端にいうと独学も可能です。
しかし、ほとんどの調律師は専門学校や大学で学んだあと、企業に就職するケースが多いです。
また国家資格として「ピアノ調律技能士」資格があります。これは一般社団法人日本ピアノ調律師協会により実施される技能検定試験で、この資格を取得することでピアノ調律技能士を名乗ることができます。
⑳採譜屋さん
採譜屋さんは、既存の楽曲を譜面におこすことが仕事です。
世の中にはどうしてもこの曲を演奏したいけど、譜面が発売されていない!といったケースがあります。そんなとき、楽曲を聴いて全て譜面におこしてくれるサービスを提供するのが採譜屋さんです。
求められるスキル
正確に譜面におこすためには絶対音感が必要です。
以前別の記事で耳コピの方法について解説しました。
このような手順を踏めば必ずし絶対音感は必要ないと思いますが、仕事として正確性、スピードを担保しようとすればやはり絶対音感が不可欠になります。
またポップスのようなシンプルな楽曲であればまだしも、オーケストラのようなハーモニーも複雑なものになるとなおさら難易度があがるため、絶対音感が必要になります。
採譜屋さんになるためには
ほとんどは個人事業として活動されているケースが多いようです。
また、採譜を専門で行う会社もありますので、そこに就職するケースです。
まとめ
音楽に関係する20種類の仕事をまとめました。
日常の中で身近な職業から、遠い存在に思えるような職業まで色々ありました。
一見手の届かないような職業であっても、きちんと手順を踏んで、キャリアを積んでいけば十分活躍できる業界が多いのではないでしょうか。
希望の業界で活躍するには、本人の明確や意志と努力(そしていくらかの運)に尽きるのだろうと思います。よく大切といわれる人脈も努力の延長線上にあるのだと思います。
気になる仕事があればさらに調べてみるのも面白いと思いますよ。
Amazonが提供する”Amazon Music Unlimited”は、
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