こんにちは、カフェラン(@Cafe21130317)です。
突然ですが、NHKと全日本音楽教育研究会が主催している全国学生音楽コンクール、通称「Nコン」をご存知でしょうか?
Nコンは非常に歴史のある合唱コンクールで、2019年の今年は第86回として開催されています。なんと100年近い歴史があるのです!
今回は、我が家の長女が合唱部として出場した東京都予選を応援してきた際、とっても感動したのでその様子をレビューするとともに、Nコンはどうして感動するのか、自分なりに考えた感動ポイントなども併せて共有できればと思っております。
全国コンクールの模様も記事にしています。
2019年Nコンの概要
概要
まずNコンってどういうシステムで運営されているのか、その概要を簡単にご説明します。
- 部門
小学校、中学校、高校の3部門 - 歌唱メンバー制限
小・中学校は35名、高校は40名が上限 - 歌唱曲
課題曲と自由曲の2曲を演奏する。採点はそれぞれ1:1の割合 - 指揮者
当該校の生徒、または教師に限られる - 伴奏者
生徒、教師の他に学校外の人材に依頼することも可能 - コンクールの形態
都道府県地区予選、ブロック予選(北海道、東北…といった感じで全国8ブロック)を経て、全国大会で金賞(1校)、銀賞(1校)、銅賞(2校)を決定。 - 放送
NHKが主催をしているということもあり、全国大会(会場:NHKホール)の模様はEテレで生中継される。
詳しくは公式サイトをご参照ください。
課題曲
課題曲に関しては、毎年課題曲テーマというものが決められており、今年は「翔ぶ」がテーマとなっています。
そのテーマに基づいて今年の課題曲(中学生の部)となったのが、SHISHAMOの宮崎朝子さんが作詞・作曲した「君の隣にいたいから」です。
すばらしいです!特に歌詞ですが、中学生という多感な時期の気持ちなどを歌詞に盛り込みながら、合唱としてのアレンジもすごく良いと思います。
ピアノ伴奏の編曲はピアニストの加藤昌則さんです。公式サイトの動画でこの曲のポイントについて解説してくれています。
この曲はテンポが速めな楽曲であるため、伴奏でしっかりビートを出してあげる必要がある。つまりドラムの打撃音のような要素をピアノが出してあげる必要があるため、音の強い部分と弱い部分のバランスをしっかり意識する必要がある。
難しい部分もあると思うが、ちょっと頑張ってもらって。でもこの曲が弾ければ、どんなJ-POPの曲でも弾けるようになる。
実際に自由曲やこれまでの課題曲も含めて、ここまで疾走感のある楽曲も珍しいなぁと感じましたが、だからこそ新鮮な気持ちで聴くことができました。
東京都予選レビュー
Nコン(中学校の部)の東京都予選は府中市にある「府中の森幻術劇場」にて、4日間に渡り行われます。娘が参加した回は22校が参加し行われました。この22校で金賞5校、銀賞5校、銅賞5校に向けて競われます。
そして、金賞の5校が次のブロック予選に進むことになります。
本編
コンクルールの本編は1校ずつ課題曲と自由曲の2曲が演奏され、次の学校に交代…という流れですが、出場している学校によって本当に様々な特色があるなぁ~と感じました。
人数
まず学校によって部員の人数に大きな差があります。30名を超える多人数で合唱する学校があれば、6名だけで歌う学校もあります。普通に考えれば「合唱だから人数多い方が上手く聴こえるよね」と思いがちですが、そういうわけでもありません。
もちろん、音の迫力という面では、多人数が有利かもしれませんが、人数が少ないと一人ひとりの声が際立って、ハーモニーもキレイに聴こえます。
素人考えながら、それぞれ別の難しさがあるのだと思います。
多人数の場合は、まずそれだけの人数をまとめ上げる統制力が問われると思います。そして全員が練習に参加するなど、足並みの乱れも最小限にしないといけないでしょう。
そういったプロセスがうまくいくと、多人数のアンサンブルというのは大きな力を発揮すると思うのです。
対して少人数の編成では、限られた人数の統制を図るのは相対的にハードルは低くなります。一人ひとりに寄り添った細かい指導だったりも可能なので、個々の技量を磨いていくことに向いていると思われます。
こういうこと考えていたら、これってバンド編成も一緒だなーって。3ピースと5ピースとやっぱり考え方違いますもんね
男女構成
コンクルールでの歌唱形態は「混声」「男声」「女声」の3種類があります。
27日の東京予選では、ほぼ女声の形態で、混声が5校ほどといった感じです。やっぱり合唱部には男子部員が少ないんでしょうね。
混声は基本的には部員に男性と女性がいる合唱で、パートはソプラノ、アルト、テノール、バスの4つのパートで構成されます。
そして結果だけをみると、混声の形態が上位の成績を残していました。
混声の場合は男子の低い音域が加わるため、音に厚みがあり、合唱としての完成度も上がるように感じました。
上記「人数」で、多人数、少人数それぞれいい面があると書きましたが、成績につなげるという観点からみると、人数や形態の要素は完成度に反映する意味で大きいのでしょう。
指揮とピアノ伴奏
指揮とピアノ伴奏も個性的でした。
指揮は圧倒的に先生が行っている学校が多かったですが、何校か生徒が指揮している学校もあってそのあたりの経緯も想像力が膨らみます。
そしてピアノ伴奏については、圧倒的に外部のピアニストに委託している学校が多かったです。(まったくの外部なのか卒業生なのか、その辺りは色々あるかもしれません。)
先生と生徒が担当している学校は少ないながらもいて、特に生徒が弾いている学校は全員で臨んでいる一丸感が感じられて応援したくなります。
今回のピアノ伴奏はアップテンポでリズム面の難易度が高かったと思うので、なおさら生徒のピアノはカッコよく感じられました。
舞台開放
本編終了後、審査結果発表までの間は舞台開放が行われました。
舞台開放で歌われた曲は、今年の課題曲である「君の隣にいたいから」、昨年の課題曲である「Gifts」。そして米津玄師の「Lemon」など。
この選曲を最初から決まっていたのか娘に聞いたら、あらかじめ決まっていたものではなくて伴奏が弾かれて初めて次の曲が分かったそうです。つまり即興ですね。それでも全員歌えるから大したものですね。
結果発表
40分ほどの審査時間を経て、審査結果の発表です。
審査員からの講評の後、NHKの担当プリデューサーらしき方から金賞、銀賞、銅賞、奨励賞の発表です。
発表のたびに、そこかしこで歓喜が溢れ、ああ青春だなーっと。
肝心の娘の賞についてここでは述べませんが、十分がんばったと褒めてあげたい内容でした!
発表内容自体すごく良かったんです!
正直、部活がめんどくさい…とかの愚痴もたまに聞いていましたから、どうなんだろうか?という気持ちもありましたが、合唱自体もそして表情もイキイキしていました。それがうれしかったです。
そしてラストは全員で課題曲「君の隣にいたいから」を合唱です。全員というのは、生徒、先生、審査員、会場のお客さん…本当に全員です。
といってもお客さんは歌ってない人も結構いましたが、コンクールでこういうラストというのは想像していませんでした。
この日、課題曲の君の隣にいたいからを何度も聴きましたが、まったく飽きることはありませんでした。良い曲。
感動ポイント
ということで、本編から舞台開放まで、恥ずかしながら涙が流れる瞬間というものが何度かあったんですが…いや、何度というかかなりでした…最近涙もろくて…。
この感動はなんだろう…というポイントを自分なりに考えてみました。
単純に曲がよい
本当に単純に曲が良いんですよ!!今回の課題曲「君の隣にいたいから」は作者の宮崎さんが語っているように作詞が共感MAXです!
サイトで歌詩をご覧になればお分かりになると思いますが、中学生が持つ不安と希望をうまく表現し、そしてうまくいかない日常もポジティブにまとめ上げる、前向きな作品となっています。
個人的にはAメロのメロディもたまらないです。涙がこぼれるのもこの部分です。
課題曲に関してもう一つ、それは、Nコンに注目していて良かったと思える内容として、このような名曲をいち早く味わえるという点です。
Nコン(中学校の部)の課題曲は、このコンクールのために書き下ろされたものが多いですが、まさに名曲ばっかりなのです。
例えば…
- 2008年の「手紙(アンジェラ・アキ)」
- 2009年の「YELL(いきものがかり)」
- 2013年の「友~旅立ちの時~(ゆず)」
- 2018年の「Gifts(superfly)」
などなど。いずれも当初コンクール用に書き下ろされ、その後アーティスト本人のバージョンにアレンジされ音源化されています。
今年の課題曲「君の隣にいたいから」。合唱バージョンもいいですが、SHISHAMOのオリジナルバージョンは、疾走感が加わって気持ちいい。
そして昨年の課題曲「Gifts」は今聴いても目頭が熱くなります。こちらがSuperfly本人のバージョンです。
なんて素敵なPVなんだ…。
そして、この曲が好きすぎて、コンクール用の楽譜を譲り受け、ピアノで弾いているくらいです。楽譜のボロボロ、中身も書き込みで溢れ、子どもの努力が感じられます。
子どもの頑張る姿
これは我が子のがんばりを見て、ホロっとするのは親であれば共通するところだと思います。
そして我が子だけでなく、出場している子どもの一生懸命な姿に胸を打たれます。
子どもが一生懸命に何かに打ち込んでいる姿って特に響いてきませんか?年齢を重ねるとその思いがより強くなる傾向にあって…。
やっぱり社会にでて仕事をしていると色んなことがあるし、色んな人がいます。自分の努力だけでは中々動かない物事というのも多くなってきます。
そんな中、一つのことに打ち込んで努力する中学生がまぶしく映るのかもしれません。中学生には中学生の悩みがあるんですけどね。
自分の中学時代を投影している
中学生の歌声を聴いていると、歌詞の内容もあいまって、すこし自分自身の中学時代を思い出したりします。
自分も悩んでいたなぁとか、同じだったなぁといった共感が、一瞬のタイムスリップといいますか、そんなことからちょっとウルっときたりがあるのかもしれません。
そういう機会ってありそうで、あんまりないですからね。
まとめ
Nコン中学校の部での東京予選の様子をレビューさせていただきました。
これをご覧になった方で、自分自身が過去Nコンに出場したことがある、または我が子が出場したことがある…という方は懐かしさを感じられたかもしれません。
そして、これまで縁のなかった方、このようなコンクルールが毎年行われていることを知っておくだけでも損はないかもしれません。
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