ピアノ

ピアノ独学に最適な教則本8選!【ジャンル・目的に特化したおすすめ本】

ハノン

ピアノを独学する方法の1つに「教則本で学ぶ」という方法があります。

有名無名を問わず、ピアノの先人がそのスキルを詰め込んだ教則本というのはピアノ独学の心強いパートナーですが、世に星の数ほどある教本の中からどれを選べばよいか迷うのも正直なところ…

僕は自慢ではありませんが、教則本コレクターと名乗ってもいいかな、と思うほど教則本を買ってきた男です。

カフェラン
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だいたい買ってきて満ぞ…いいえ、色んな側面から音楽を学ぶために必要な投資だったのです!(強調!)この経験を今こそ、みなさまに開放したと思います

今回はこれまでの経験を生かしておすすめしたい教則本をご紹介したいと思いますが、ただ闇雲に紹介するのではなく、目的やジャンルに特化した中で最適なもの、という視点で選択させていただきました。

教則本を上手に活用して日々のピアノ独学を充実させられるよう、是非参考にしてみてください!

 

教則本で独学するメリット・デメリット

メリット

ピアノの独学において、教則本を利用することには次のメリットがあります。

  1. コストを低く抑えられる
  2. 練習時間を自分の生活ペースに合わせられる

まず何と言ってもお金をあまりかけずに始められるのはメリットです。
最初は初心者向けの教則本を1〜2冊程度購入(大量に購入しても一度にできる範囲に限度がありますのであまり意味はない)することをおすすめしますので、金額にして3,000円程度です。

もう一つは練習ペースを自由に設定できることです。大人からピアノを始める場合は、仕事やその他の生活に時間を取られることも多いと思いますので、縛りがなく練習を進められるのは精神的な負担軽減に繋がり、結果的に継続できる要素と言えます。

デメリット

反対に教則本だけの独学では次のようなデメリットが考えられます。

  1. 本当にこの弾き方でいいか確信が持てない場合がある
  2. 練習で分からないことがあってもすぐに解決できない
  3. 自由すぎて練習ペースが低下することがある

実際教則本で練習していると①や②のような悩みは割とあります。ピアノ教室などで練習する場合はこの悩みは比較的すぐ解消しますが、教則本のみの場合はさらに別の教則本やネットを見たりと情報を収集する必要があります。

③はメリット②の裏返しですが、縛るものがないがゆえに、練習が途切れがちになってしまうことです。

楽器はどれもそうだと思いますが、特にピアノはスキルを身に着けるうえで毎日の継続がものをいう楽器です。

結局は、独学するうえで、目的意識を明確にもち、自分をコントロールできるのが前提ということですね。

この部分に自信がない場合は、もう一度、ピアノレッスンをどのように進めるか(ピアノ教室等か独学か)検討してみることをお勧めします。

目的別のおすすめ教則本

それではさっそく実際に使ったことのある教則本を、次の目的別にご紹介したいと思います。

目的別のおすすめ教則本
  1. 完全初心者に向けた教則本
  2. 定番だけどきっちり押さえておきたい教則本
  3. ピアニストの練習法を知ることができる教則本
  4. 網羅的に基礎力向上ができる教則本
  5. コードの基礎を理解できる教則本
  6. 鍵盤楽器全般の実践的フレーズを習得できる教則本
  7. ジャズピアノの初心者向け教則本
  8. ジャズピアノを段階的に理解できる教則本
カフェラン
カフェラン
レベル、ジャンル、練習方法などにそれぞれ特化してますので、今自分が求めているものをチェックしてみましょう

①完全初心者に向けた教則本

 

ピアノの経験がまったくない、0から始める方には、ピッタリの教則本です。それはこの本のコンセプトが初心者に徹底的に寄り添うような内容になっているからです。

本の冒頭に「書かれていることに忠実に、順番にやってください」といった趣旨が掲載されています。

カフェラン
カフェラン
つまり、最初は余計なことを考えず、教科書どおりの基礎を身につけましょうというメッセージです

レッスン内容は全9レッスンで構成されており、最初は手のフォームや鍵盤の弾き方から始まり、指番号、ドレミの弾き方と徐々に広がっていきます。各レッスンごとに設けられた課題曲を通じて音符の種類やリズムの考え方など、あらゆる基礎知識を習得できるような作りになっています。

ちなみには課題曲は「ちょうちょ」や「きらきら星」などから始まりますので、比較的スムーズに1曲通して弾けるようになると思います。DVDが付属しているのもポイントです。

まったくの0からピアノを始めてみたい、という方には是非おすすめしたい教則本です。

 

②定番だけどきっちり押さえておきたい教則本

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ハノンは、5本の指を均等に動かせるようになるための練習教本です。「指の訓練」に特化したテキストで、ピアノ教室などでも一般的に使用されている、いわゆるスタンダードな教則本です。

なぜ指の訓練が必要か

人間の指の力は均等ではなく、特に薬指、小指は他の指に比べ弱いです。
ハノンの練習を継続することにより、5本の指を平均して使えるようになるというのが目的です。

正直「ピアノを弾く」と一口にいっても、クラシックをバリバリ弾きたい人もいれば、コード伴奏で弾き語りをしたい人もいるわけです。例えば弾き語りをしたい人にしてみれば、それほど速いフレーズを弾くわけではないので、指の不自由さはあまり気にならないかもしれません。

そういう人にとってみれば、単純な指の訓練は必要性を感じないでしょう。

ただ、ピアノを弾いている以上、いつ、どこで、どういう曲を弾くか、弾きたくなるかわかりません。

ある日このような悩みに襲われるかもしれません。

  • 弾きたいクラシックの曲があるけど技術的にムリ…
  • ハードロックのキーボードソロで速弾きがツライ…
  • 簡単そうに思ったのに実際弾いたら、ナニこの難しい運指…

まぁ上記のような極端なテクニカル向上もそうですが、なにより安定感に違いが出るんですよ。

そういった観点からも日ごろの練習に指の訓練を取り入れていくことは大事です。こういったメカニカルなトレーニングは一朝一夕に身に付きませんから、毎日の積み上げです。

 

肝心の中身

ハノンには全部で60の練習曲が掲載されています。
練習曲といいつつも、そのほとんどは音符がぎっしりつまったスケールを両手で弾いていくものです。

こちらはハノン1番の譜面です。

cafe
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パッと見、うわぁ~となりますが、音は規則的に並んでいますので慣れれば難しくないです。音符を読む訓練にもなりますね

各課題曲ごとに、強化するねらい(例えば4番は3-4-5の指を強化する曲)が示されていますので、そこを意識して弾くのがポイントです。漫然とだらだら弾いてはいけません。意識することが大事なのです。

 

③ピアニストの練習法を知ることができる教則本

 

「本当に役にたつ!」が謳い文句の本書は、各ジャンルのピアニストが実際に自分で行っている、または生徒に指導している練習方法を集めたものです。

その練習方法のバリエーションは多種多様です!

ここではどのような練習方法が掲載されているか、赤色の本の一部をご紹介したいと思います。

  • 基礎力アップ編
    ・効率のよい指慣らしの方法
    ・教えなくても音符が読めるようになる方法
    ・忘れにくい暗譜の方法
    ・楽しみながら毎日練習する方法
    ・柔らかい音を出す方法
  • テクニック強化編
    ・トリルを粒ぞろいよく弾く方法
    ・小指を鍛える方法
    ・オクターブのメロディをレガートで弾く方法
    ・跳躍をスムーズに決めるコツ
    ・弾きたい曲がハイレベルな場合の練習方法
  • 表現力アップ編
    ・モチベーションを保って曲を仕上げる方法
    ・人を魅了する演奏方法
    ・演奏会で集中力を保つ方法
    ・落ち着いて演奏会に挑む方法
    ・音感を鍛える方法

これでもほんの一部です。気になる練習方法多いですよね。

本書には考え方だけでなく譜例も豊富に掲載されていますので、実際に弾きながら練習することができます。しかも2冊ともCDが付属されているので、音源を聴いて確認することができます。

ここまで「練習方法」自体にフォーカスした教則本って有りそうで無かったと思います。
ちょっと日頃の練習方法がマンネリ化してきている方は是非本書を手に取ってみるとよいと思います。

 

④網羅的に基礎力向上ができる教則本

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ピアノ上達への近道は”毎日練習する”というものです。ところがこのシンプルな「継続」が出来ない人がとても多い。

本書はピアノ練習を毎日継続して取り組むための工夫が施され、取り組んだ結果自然と基礎力が向上するようになっています。

中でも一番のポイントは毎日練習する内容はたった「2小節のフレーズ」という目標設定の明確さです。

取り組むためのハードルを低くすることでピアノの前に向き合うという習慣をつけるものですが、練習レベルのハードルまで下がっているわけではありません。

”たった2小節”は”されど2小節”で、365日設定される2小節には様々な要素が凝縮されているので、1年続けてみれば自分の基礎力が大きく伸びることが実感できるはずです。

詳しくはこちらの記事で解説していますので、併せてチェックしてみてください。

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【もうサボらない】ピアノ練習を毎日継続できるおすすめ教則本【弱点の克服と基礎テクニック向上】 こういった疑問にお答えします。 いうまでもなく、ピアノの上達には地道な練習が必要です。弾きたい曲があるから上達したい…でも...

 

⑤コードの基礎を理解できる教則本

クラシックピアノ経験者で「コードも覚えたい!」という方にはピッタリな1冊だと思います。

本書にはコードの基礎の基礎から丁寧に解説されていますので、確実に理解できるような解説が施されています。じゃあ初心者向けの書籍か、というとそうではなくて、基本的なコードを理解して演奏できる人も満足できる発展形の内容も充実しています。

個人的には「ベースラインからみるコード進行パターン」は実践的ですごく勉強になりました。

そしてこの本も譜例が充実&CD付属なので、実際に弾きながら練習できますよ!

 

⑥鍵盤楽器全般の実践的フレーズを習得できる教則本

 

すかんちなどで活躍したキーボーディスト・小川文明さん著の教則本です。

本書はピアノだけでなく、鍵盤楽器全般に対する「おいしいフレーズ」を覚えることで、より実践的なスキルを身に着ける教則本です。

本の内容はこのようになっています。

  • ピアノ
    …すべての基本であり応用も効くブルース・フィーリングをマスター
  • クラビネット
    … ファンキーを体に覚え込ませるための基礎練習
  • ローズ
    …バラードを彩る極上フレーズとアレンジの極意
  • ウーリッツアー
    … ハマるツーファイブフレーズ&使えるオブリ集
  • オルガン
    … 手クセにするならとりあえずコレ!の超・即効フレーズ集
  • シンセ
    … ソロをグレードアップさせるベンディング

まさに鍵盤楽器オールスターズともいえる内容です。特にピアノについては、”譜面のピアノ”から”自由に弾くピアノ”へ幅を広げるうえでとても参考になります。

本書も豊富な譜例と音源CD付属で、弾いて覚える形式の教則本です。

実際の譜例をちゃんと弾きこなすのは難しいですが、本来ならプロが内緒にしておくような技が色々載っているのですごくお得な教則本だなって思います

cafe
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ここまで各鍵盤楽器別に実践例を惜しげもなく開放している教則本は珍しいと思います!



⑦ジャズピアノの初心者向け教則本

ジャズピアノすごく興味があるんだけど「難しそうだなぁ~」「敷居高いなぁ~」と二の足を踏んでいる方!その気持ち、激しく同意します!でもせっかくですから、まずは1冊ジャズ関係の本を買ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

この教則本は初めての「ジャズ・ピアノ・トリオ」を謳っているとおり、付属するCDの音源に合わせて練習する前提で作られています。

音源にはピアノも含めたお手本演奏(コレ聴いているだけでも楽しい)と、ピアノ抜きのリズムトラック(ベース&ドラム)が収録されています。

これに合わせて弾くのがまた楽しい。

ヘタレでなかなか実際のジャムセッションに参加できないので、ピアノトリオ気分を味わっています。

収録されている練習曲は、ジャズのスタンダートです。こちらがその一部。

  • AUTUMN LEAVES
  • SUMMER TIME
  • MOANIN’
  • THE GIRL FROM IPANEMA
  • SOMEDAY MY PRINCE EILL COME

などなど、一度は弾いておきたい曲ばかりです。
理論解説はそこそこ…実践式の教則本です

 

⑧ジャズピアノを段階的に理解できる教則本

ジャズピアノ関連の教則をもう一つ、二つ…。

こちらは独特の視点からジャズピアノをトコトンかみ砕いて説明してくれる教則本です。
Vol1、Vol2と続きものの2冊です。

この本は、1日で1つの単元を学習し、15日続けるとある程度のジャズの知識や奏法が身に付く、というコンセプトになっています。

本当に15日で出来るようになるわけではありませんが、1レッスンごと着実に覚えていくことで、徐々にスキルアップしていけます。

この本は譜例ではなくて、イラストが豊富です。弾いて覚えるというよりは、理屈で覚えていく、って感じです。

例えば、リズムのレッスンではこんなページ構成になっています。

ピアノ教則本 中身

ジャズはテンションコードとリズムに大きな特徴のある音楽ですが、そこら辺を本腰入れて覚えていきたい、という方にとって大きな力になる1冊だと思います。

 

電子書籍でもっと気軽に教本を活用する

上記でご紹介した教則本はどれも本当におススメしたいものですが、実際に買う?となるとキメ手に欠けるなぁと感じる方もいらっしゃるはずです。

そんなにお金をかけずにもっと気軽に色々な教本を試したい…そんな方にはAmazonが提供する本の読み放題サービス「Kindle Unlimited」をおすすめします。

月額980円で電子書籍が読み放題になるため、ちょっとでも気になったものは気軽にダウンロードして試すことができます。

この手軽さにより「気になるけどまぁいいか…」という機会の損失をなくし、自分がせっかく興味をもったタイミングを有効に生かすことが出来るでしょう。

カフェラン
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本一冊フルで読破しなくとも、ある一部分がすごく役立つという経験はよくあります

こちらの記事では電子書籍で読める5冊の教本をご紹介していますので、併せて参考にしてみてください!

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電子書籍で読む 初心者向けピアノ教本【Amazon Kindle Unlimitedで気になる教本を読み放題!】 こういった疑問にお答えします。 教則本はピアノを独学するうえで大きな味方ですが、世の中には星の数ほど(は言い過ぎかもですが...

 

教則本で学習を進める際のコツ

教則本での独学は、当然ながら基本的に一人なので、自分の演奏に足りない部分が把握しづらいと思います。よって「なんとなく通しで弾けたから」がその曲の仕上げの判断ポイントになりがちです。

でも実際人に聴かせるとなるとちょっと…という心配はあると思います。

そこでおススメするのは、自分の演奏を録音して聴くということです。

自分の演奏した曲を、”弾きながら聴く”のと”録音したものを聴く”のでは大きく聴こえ方が異なります。

録音は客観的に聞くことができるため、リズムのよれや音量のバラつき、細かいミスなどが分かりやすくなるのです

録音はスマホのボイスメモ機能で十分です。サクッと録ってサラッと確認しましょう。

カフェラン
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自分で自分の先生になるって感じですね
ししょー
ししょー
そうだな。あとメトロノームを常に活用するのも忘れずに!

 

まとめ

今回はピアノを独学する方法の中の一つ、「教則本を購入して独学する」に関しておススメの教則本を説明させていただきました。

最近の教則本はCDやDVDが付属し、音や映像と合わせて練習することができますし、内容も一昔前と比べてずいぶん分かりやすくなっているようです。

つまり各教則本には大きな違いはそんなになくて、どれでもそこそこの知識や練習方法を得ることができます。

ではあとは何が大切か…それは本人のモチベーションと継続に尽きるのですね!
結局はそこか~となりますが、そこが一番大事です。

とにかく、比較的コストを低く始めることが出来ますので、まずは行動を始めましょう!

また教則本以外の独学方法についても記事を用意していますので、こちらも是非参考にしてみてください。

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