昔ゲームセンターに「キーボードマニア」というゲームをよく見かけました。落ちてくるブロックを鍵盤で弾くゲームですね。こういうものです↓

今回はこれと似たような遊びができつつピアノの練習にもなるアプリ「synthesia(シンセシア)」について詳しい使用方法などを解説します。
無料で始めることができますので、是非使い方をマスターして練習も楽しい時間にしましょう!
目次
シンセシアの概要
シンセシアの主な特徴は次のとおりです。
- ピアノを始める敷居が低い(楽譜が読めなくてもOK)
- ゲーム性と練習の両立
- 様々な曲を弾くことができる(拡張性が高い)
1つずつ解説します。
①ピアノを始める敷居が低い(楽譜が読めなくてもOK)
ピアノを弾いてみたい!と思った人がまず頭を悩ますのが「楽譜が読めない」というものです。
その点シンセシアは曲を弾くために楽譜を読む必要がありません。
画面の上から落ちてくるブロックと同じ場所の鍵盤を押す…これを最終的には両手で行うことで、色んな曲を弾きこなすことができます。
実際の演奏風景をみた方が早いでしょう。ということでシンセシアに内蔵されている「GREENSLEEVES(グリーンスリーブス)」を弾いてみました。
何となく雰囲気がつかめると思います。他にもYouTubeで「シンセシア」と検索すると色んな曲の演奏動画を観ることができますよ。
このように弾くべき箇所が視覚からストレートに伝わるので、ピアノを始める際のハードルを思いっきり下げてくれます
② ゲーム性とピアノ練習の両立

上の動画をみてのとおり音ゲーとしての要素が満載です。右上にミスタッチの数値も表示されますし、スコアとみなせばなおさらゲームっぽいです。
だがしかし!ただ楽しむだけのアプリではなくピアノの練習ツールとしても秀逸です。特に”鍵盤感覚”を養うのに最適なツールだと思います。
鍵盤感覚を養う
鍵盤感覚とは鍵盤のここがドでここがレで…ということを鍵盤を見ずに把握できる感覚のことで、初見演奏などを行う際はこのスキルが大前提として求められます。
詳しくはこちらの記事でも解説しています。

紙の楽譜で練習する場合は楽譜を見たり手元を見たり…ということが自由に出来るため、多くの初心者はそのように練習を進めるはずです。その結果手元を見ないと弾けない…というケースにつながり鍵盤感覚が身に着くのにも時間がかかるでしょう。
シンセシアをプレイするには画面上のブロックのタイミングに合わせて鍵盤を弾くことになります。この際いちいち手元を見ていてはタイミングよく弾くことは出来ません。
つまりシンセシアのプレイスタイルは「手元を見ない」という前提で成り立っているため、これを繰り返している中で必然的に鍵盤感覚が養われていくということになります。
実は楽譜(5線譜)を読む練習も可能
先ほどから解説しているようにシンセシアは楽譜を読まなくてもピアノを弾くことができるのがウリです。ただし、ピアノ弾きならいずれは楽譜もちゃんと読めるようにしたいですよね。そうすれば選曲の幅もいっきに広がりますから。
実はシンセシアには楽譜を見ながら弾けるモードもちゃんと搭載されています。
しかも設定はとっても簡単!画面上部の歯車をクリックし「Sheet Music」をオンするだけ。

以下画面のように上部に楽譜が表示されます。楽譜もブロックに合わせて弾く箇所が移動していきますので、目で追っていきながら弾いていく形になります。

最初の入り口はハードルをさげつつも、自分の進み具合で楽譜表示を基に練習することで、譜読みに関するスキル向上にもつながります。
この他にも練習結果がきちんと記録され、自分の上達具合を数字として把握できるなど、シンセシアはピアノの練習ツールとしての側面も割と強力です。
③ 様々な曲を弾くことができる(拡張性が高い)
シンセシアには無料版と有料版があり、機能や弾くことのできる曲数に違いがあります。
区分 | 曲数 |
無料版 | 25曲 |
有料版 | 150曲 |
無料、有料どちらも弾くことが出来る曲は主にクラシック曲が中心です。
ただしシンセシアで弾くことのできる曲はこれで終わりではなく、有料版は外部からMIDIデータを取り込むことが可能です。つまり曲数を無限に追加することが出来るのです。
MIDIデータを追加する方法は大きく3つ。
- 購入する(公式サイト・その他)
- インターネット上で入手
- 自分で作る
①購入する(公式サイト・その他)
MIDIデータは購入することができます。例えばシンセシアの公式サイトでは1曲100~300円程度でMIDIデータを購入することができ、そこにはビートルズやクイーン、テイラー・スウィフト、エルトン・ジョンといったロックやポップス系アーティストの名曲が多数含まれています。

②インターネット上で入手
インターネット上でフリーのMIDIデータをダウンロードできたりします。
③自分で作る
自分でMIDIデータを作れば、自分がやりたい曲をシンセシアで弾くことができますね。作り方は色々な方法がありますので、今後別の記事で解説していきます。
このようにユーザ自身で曲をどんどん追加していけるのはシンセシアのウリの1つです。
シンセシアを準備する

さて、シンセシアの特徴がある程度把握できたところで、実際に利用開始するための準備を解説します。
シンセシアのダウンロード
シンセシアはPC、タブレットで使用することができます。アプリを公式サイトからダウンロードしましょう。

「Try it Free」のボタンから無料版のダウンロードページにいくことができます。ちなみに全て英語です。隣のオレンジのボタンは有料版の購入ページで定期的に割引を行っていたりします。
↓こちらがダウンロードページです。自分の使用環境に合わせてダウンロードしましょう。

Andeoid、ipadの場合はこちらからもダウンロードできます。
電子ピアノとシンセシアの接続
次にシンセシアをインストールした機器と電子ピアノを接続しましょう。今回は例としてPCとの接続方法を解説します。
接続する方法は2つありますが、最も簡単なのはUSB2.0ケーブルで接続することです。鍵盤側にUSB端子があればこちらでいいでしょう。ケーブルもだいたい家にあったりしますしね。
無い場合は500円程度で購入できます。
もう一つはMIDIインターフェイスで接続する方法です。USB端子が無い場合はこちらで接続しましょう。僕の電子ピアノにはUSB端子が無いためこちらの方法で接続しています。

中央の2つの端子を電子ピアノ等の背面にあるMIDI端子(IN,OUT)に指して接続します。
機器同士を接続したら、正常に接続されているか確認します。
シンセシアを起動し、セッティング画面が確認してみましょう。

「Music Input」が接続した機器になっているか確認し、更に詳細を設定するためクリックします。(僕の環境は接続に使用しているMIDIインターフェースの名称になっています。)

接続した機器の音域を設定します。鍵盤の両端を押して音域を設定します。僕の環境は88鍵の電子ピアノですので「88 keys」と認識されました。

そもそも鍵盤楽器がない場合は

ここまで接続方法を説明してきましたが、そもそも鍵盤楽器がない…という方。そういう場合は思い切って購入しましょう。安価なものもたくさんありますので、目的に応じて選びましょう。
鍵盤楽器にはいろんな呼び方の機種がありますが、シンセシアを楽しむためであれば下表の①電子ピアノか②電子キーボードを選びましょう。(③はDTMで主に活用。④は高機能すぎ。バンドとかでも使用するならいいかも)
- 電子キーボード
比較的安価で数種類の音色・スピーカが搭載されている機種が多い - 電子ピアノ(デジタルピアノ)
ピアノ音色がメインで、鍵盤タッチがピアノに近い - MIDIキーボード
音源を搭載していないためこれ単体では音がでない - シンセサイザー
最も音色が充実し、自分で音を作りだすこともできる
上記に基づき、2つおススメをピックアップします。
CASIOの電子キーボードをおススメします。この機種自体にも120曲ほどが内蔵されており本体から曲を流すことができますが、その際メロディを弾く箇所を光で教えてくれます。なんとこの鍵盤が光る機能はシンセシアにも連動させることができるのです。
ただ61鍵盤しかないので本格的なクラシック曲などを弾くのは難しいのと鍵盤が軽すぎるので、本格的にピアノを弾きたい場合はちょっともの足りなさを感じるかもしれません。
それでもシンセシアとの親和性がとても高いので、安価に始めるのにおすすめです。
今後も本格的にピアノを続けていきたい場合は、やはり鍵盤のタッチや音色が大事です。そういった意味では電子ピアノがおすすめです。
そこで三大メーカー(YAMAHA,Roland,KORG)の一角、KORGの電子ピアノをおすすめします。この機種はコンパクトでコスパも高いですが、ピアノ音色と鍵盤タッチが本格的でMIDI端子も付いています。長く使える機種だと思います。
シンセシアで遊ぶ(練習する)
さてこれで環境は整いました!さっそく弾いてみましょう
曲を選択する
初期画面で「Play a Song」をクリックすると曲の選択画面が表示されます。
曲は難易度に応じてカテゴリ分けされていますので、自分のスキルに応じて選択します。「Easies」が一番易しく、「Harder」が難しいカテゴリーとなります。

冒頭で紹介した「Greensleevse」は”Herder”に属する曲です。濃い文字が無料版で弾くことのできる曲、薄文字は有料版で解放される曲です。ただし曲だけは聴くことができますので、色々と聴いてみてください。

練習の設定
曲を選んだら、その曲をどのように弾くか設定をすることができます。

モードはそれぞれ次のような意味です。
- Practice the Melody
メロディの練習。間違えると演奏が止まります。 - Practice the Rhythm
リズムの練習。間違えても演奏は進みます。 - Song Recital
総合練習といった感じです。
上記の練習をそれぞれ左手のみ、右手のみ、両手で…といった感じで選びながら進めていきます。
まとめ
シンセシアはまずやってて楽しい!”練習を修行にさせない”…という観点でいえばこの考え方はすごく大事だと思います。
ピアノ初心者から上級者まで、それぞれの楽しみ方ができるのがこのアプリの強みだと思います。
もちろん、これでピアノに求められるすべての練習が網羅されているわけではありませんが、うまく日常の練習に取り入れれば、継続するというモチベーション維持にも効果があると思います。
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