こんにちは、カフェラン(@Cafe21130317)です。
今回はフュージョンという音楽ジャンルの中で、特におすすめしたいバンド「TRIX」の名曲の数々をご紹介したいと思います。
TRIXは、ベースの須藤満(元T-SQUARE)とドラムの熊谷徳明(元CASIOPEA)が結成メンバーであることから、日本の正統的なフュージョンの流れを組むバンドであることは間違いありませんが、リーダーの熊谷さん自らが「ハイパーテクニカルコミックフュージョンサービス団体」と自称していることからも、とても楽しいバンドです。
日本にはTRIXの他にもおすすめしたい、素晴らしいバンドは多くありますが、こと「ライブの楽しさ」という観点からみれば、TRIXの右に出るバンドは存在しないでしょう。
今回はその辺りも含めて、存分にTRIXの魅力に触れていきたいと思います!
- インスト音楽でよいバンドを探している方
- テクニカルの要素を盛り込みながら、良質なメロディを堪能したい方
- 楽しい雰囲気のバンドを好きな方
目次
TRIXのメンバー遍歴と歴史
まずは簡単にTRIXの歴史を振り返りたいと思います。
結成以降のメンバー変遷は次のとおりとなっています。
オリジナルメンバーである第一期が長く続きましたが、この時代にある種の「TRIXらしさ」が確立し、以降メンバーチェンジがあっても、常にこの時代と比較されているように思います。
それだけ、結成メンバーである4人(平井武士、窪田宏、須藤満、熊谷徳明)のバランスとキャラ立ちがすごかったと思います。
もちろんお笑いだけではなくて、肝心の演奏がすばらしい。
そしてメンバー全員の作曲能力が高い(ほとんどの曲は熊谷さんが作曲していますが)、そしてなんといっても多くの曲で主旋律を担当している平井さんのギターの美メロ!
極力を言えばギターのメロディを聴いているという感じです。
そして、第二期ではギタリストが菰口さんに、第三期でキーボードがAYAKIさんに交代しました。
もちろん、この時代もTRIXらしさはありましたが、菰口さんがあまりそういうノリが得意でない(好きでない?)のか、ライブではオリジナルメンバーのようなノリは出ていなかったように感じます。AYAKIさんもまだ淡々と演奏していた時代です。
もちろん、ギターやピアノの腕は一級品でしたけどね。
そして、ギタリストに佐々木さんを迎えての第四期、こちらは現在進行形のTRIXです。
この佐々木さん、ギターがとにかくすごい!!弾けないものはないんじゃないか…というくらい、ハードロックからジャジーなものまでは幅が広い。そして安定感抜群なので聴いていてとっても心地いい。
そして、なによりしゃべれる。特にツッコミがいいですね。ライブでは佐々木さんのおかげでだいぶまとまりがあるように感じます。
こんなエピソードがあります。
佐々木さんが加入間もない頃、熊谷さんが遠慮しがちに「佐々木君、あのーステージ上で踊りとか大丈夫?」と聞きました。
佐々木さんが「え?あ、はい、大丈夫っす」と答えたら、熊谷さんホッと胸をなでおろす…みたいな。
熊谷さんとしては、第一期のようなノリを再現していきたかったのだと思います。
今では、踊りは当たり前、被り物あり、LEDによるピカピカ・キラキラはありと、TRIXらしさ?全開です。
そして忘れてはならない、”AYAKING”ことAYAKIさん。
なぜか第四期以降、開眼したかのように、不思議な宇宙人キャラが定着し、ライブのMCでは大きなウェイトを占めています。
そんな不思議キャラを醸し出しつつも、演奏では難関なフレーズをピアノでサラリとこなす…このギャップがたまりません。
TRIXのライブリポートとして記事を書いていますので、こちらも是非。
今では、SasaKing、AyaKingのコンビが(通称”Wキング”)が、TRIXに新風を巻き込んでいますが、この二人、気が合いすぎたのか、二人のユニットでCD出しちゃいました。
ギターとピアノのみで構成される3曲を収録…TRIXとはまた違った魅力がたっぷりと。
TRIX 名曲10選
それでは、TRIXの誇る名曲の数々から、個人的に解くに「これだ!!」という10曲に厳選してご紹介いたします。
Recollection 1st「INDEX」
2004年に発表された記念すべき1stアルバム「INDEX」から”Recollection”。この曲は外せません!
今でもライブでは定番の曲で、盛り上がり必死な曲ですが、まずイントロの歯切れのよいカッティングが印象深いです。
そして、リズミックなフレーズのAメロと、切ないフレーズのBメロの対比があり、Bメロの切なさを更に押し上げるサビにつながるなど、見事な曲構成になっています。
最初のサビが終わった辺りのカッティングをバックに叩くドラムソロ。この凄まじいドラミングは、これから始まるTRIXへの希望が込められた熊谷さんの気合が伝わってくるようです。
「INDEX」は本当によいアルバムで、今でもこのファーストが最も気に入っているアルバムだ、という人も見受けられますね。
Good Luck!! 1st「INDEX」
「INDEX」からもう1曲、アルバムのラストを飾る”Good Luck!!”です。アルバムラストにGood Luckってそのままなのが、逆にいいですね。
全体的にピアノメインの曲で、思わず弾きたくないようなメロディが心地よいです。
中間のピアノソロも素晴らしい。窪田さんはエレクトーン出身ですが、ピアノで奏でるフレーズ展開も非常に上手く、いつまでも聴いていたいソロです。
で、ピアノメインの曲とはいえ、ギターの見せ場もしっかりあり、その辺りのバランスもすごくいいんですよね。
曲もすごく明るく、ポップで、聴いていると元気がでてくる曲だと思います。
小樽 2nd「Mode」
2005年に発表されたセカンドアルバム「Mode」から”小樽”をピックアップ。
泣きのバラード。なんといっても平井さんのギターがいい!Aメロはトーンをおとし気味の枯れたギターで弾くフレーズがまた哀愁を誘い、伸びやかなサビからのピアノソロ…この辺りの展開は大好物です。
そしてサビ終わりで再度Aメロに戻りますが、ここでは須藤さんのベースがメロディを担当します。ギターと同じメインフレーズですが、ベースでメロディを弾くと素朴さが際立って余計泣けますね。
冒頭とラストの波の音、そして海鳥の鳴き声…SEがそのまま海を連想させることもあり、小樽をイメージしやすくはなっていますが、歌詞がない分、小樽で展開されるストーリーを色々頭で想像するのも楽しいです。そこがまたインスト音楽の面白いところだと思います。
Trip Wonderland 3rd「Art」
2006年に発表された3thアルバム「Art」から”Trip Wonderland”をピックアップ。
この曲は、ストレートで分かりやすいというたぐいの曲ではありませんが、なんとも中毒性のあるといいますが、クセになる系の曲だと思います。
Aメロ、Bメロはなんとも浮遊感のある展開で、このあたりはタイトルの”Trip Wonderland”を地でいく展開ですね。そして、引っ張った先のサビでいっきに視界が開けるような、解放感がある。
個人的にはフュージョンというよりは、プログレに近いアプローチだなと思います。曲展開の構築美といいますか、ポップでストレートな曲もいいですが、こういった複雑性も違った意味でゾクゾクきます。
Passion 4th「FORCE」
2007年に発表された4thアルバム「FORCE」の1曲目”Passtion”
この曲はとにかく明るい、お祭り騒ぎ的ソングです!
なんといっても、イントロのラテンで夏祭り感がいっきにでますし、サビの繰り返しメロディがクセになります。
ポップで明るい曲が好きな人には特におすすめです!
ライブでは、この曲を演奏するときは、TRIX恒例の客席乱入も起きたりして、そういう意味でも楽しいです。
非常にTRIXらしい曲の一つだと思います。
Sincerely 11th「TRICK」
2014年に発表された11thアルバム「TRICK」から”Sincerely”をピックアップ。
第三期TRIXの作品ですが、この曲に関しては第一期メンバー時代の作品とあまり違いは感じられません。
もちろん、曲によって第三期には第三期メンバーの個性を感じる曲もありますけどね。自然とこういう曲を選ぶということは、きっと僕が往年のTRIXの楽曲が好きなんでしょう。
この曲はミディアムテンポのポップナンバーといえるもので、しっとりと聴かせてくれます。
タイトルが”Sincerely”…心から…という意味ですので、そういった人間の内面を伝える、さらけ出すみたいな、気持ちがメロディから伝わってきます。
ギターもそうですが、ピアノでの感情表現…もっと学んでいきたい。
Christmas Flower 7th「FEVER」
2010年に発表された7thアルバム「FEVER」のラストを飾る曲。
これは名曲です。
私が今のところTRIXの曲で一番聴いている回数が多いのがこの曲で、何度聴いても飽きるということがありません。
まずイントロのエレピの音色とコード感がいいんですよ~。透明感というのでしょうか?ドラムのハイハットと含めて、クリスマス感を演出していると思います。
曲後半は転調の連続で、不思議な浮遊感を味わえます。でもこれ、演奏する方にしたらどのパートも大変だと思いますが、特に鍵盤は大変ですよ。
それにしても熊谷さん、ソングライターとしてのスキルもすごいわ…。
ジョイちゃん 7th「FEVER」
こちらも「FEVER」からのピックアップ”ジョイちゃん”
冒頭に犬の鳴き声が収録されていますが、この曲は熊谷さんが飼っていた愛犬、今は亡きジョイちゃんをモチーフにした曲です。
曲自体、落ち着きのある美しいメロディが展開するバラードですが、この背景を知って曲を聴くと、なお感情移入されますね。
別の曲でも述べましたが、本当に楽器のみのアレンジで情景を表現するのが本当にうまいですね。TRIXのアレンジは、ただテクニカルなだけでなく、そういう表現する、伝えるという部分が素晴らしいといつも思います。
初涼 15th「FESTA」
2018年に発表された15thアルバム「FESTA」から、バラードナンバー”初涼”をピックアップ。
このアルバムは第4期TRIXとしての2枚目で、佐々木さんが加入しだいぶ馴染んできたのが伺い知れるほど、素晴らしい曲の数々が収録されています
特にこの”初涼”はその佐々木さんが作曲したもので、久々にこういった、正統的な泣きのギターを堪能できる曲に出会いました。肩の力が抜けまくってますねぇ。
そしてAYAKIさんのピアノがまた良い味を出していて、よりギターが活きるサポートになっているなと思いました。
実際、ライブでこの曲に入る前奏を、この二人(ダブルkING)がしっとりと奏でていましたが、実はアドリブだったりするんですよ。その演奏が素晴らしく曲が終わったあと熊谷さんが「二人とも、すごいねぇ~」と感心するほど。
TRIXの鉄板バラードに加わるかな~と期待しています。
Thunder bolt 15th「FESTA」
「FESTA」から2曲ですが、実はこの曲も佐々木さん作曲の”Thunder bolt”
ゴリゴリのロック・ナンバーでカッコイイのなんのって!
先ほどの”初涼”とは打って変わった曲調ですが、冒頭に触れたように佐々木さんの演奏スタイルの幅が広いため、それぞれがとても堂に入っています。
こういったストレートなロックナンバーが1曲入ると、アルバムがとても締まると思います。ライブでもモニターに片足上げて、ロックスタイルの演奏に切り替えるあたり、魅せる要素も抜群です!
佐々木さんの曲を選んじゃうのは、好きなんだろうなぁ、作風が。
まとめ
TRIX珠玉の名曲10選ということで、無理やり10曲に限定してご紹介してみました。
選曲を見ると、あまり攻めたものはなく、良質のメロディを基調とした「間違いない!」というものを中心に選曲したような形になっており、TRIXをこれまで聴いたことなかった方にとって入り口として良かったのではないかなと思っています。
TRIXは毎年のようにアルバムを出してくれるように、積極的に活動をしてくれるバンドでもありますので、気に入ったら退屈しませんよ!
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