今回はそのような疑問にお答えする記事です。
言うまでもなく楽曲にとってイントロはとても重要です。いわゆる”つかみ”になるので、そのまま曲を聴いてもらえるかどうかを左右するポジションです。
また、曲の世界観を聴き手に伝える導入部ともいえるでしょう。
ロックなどではギターがめちゃめちゃカッコイイ!イントロはたくさんありますが、キーボードはどうでしょうか?
もちろんバラード曲などでは美麗なピアノが映える名曲がたくさんありますが、今回はピアノ以外でシンセがカッコイイ、キーボードイントロを10曲セレクトして解説します。
目次
選考基準
”選考基準”…なんてちょっと大げさに言っていますが、
- めっちゃカッコイイ!
- テクニック半端ない!
- この展開!ドラマティック!
といったざっくりとした観点で個人的に選んだものです。上記のような基準なので音楽ジャンルはHR/HMに偏った感じになっています。
加えて冒頭でも触れましたが、ピアノではなくシンセを主体としてフレーズのものを選んでいます。ピアノならバラードでいい演奏がたくさんありますからね。
ということで、是非参考にしてみてください!ちなみにリリース年順不同です。
名イントロ10選
Runaway(Bon Jovi)
1984年にリリースされたBon Joviのファーストアルバム「Runaway」の冒頭を飾る、タイトルトラックでもある同曲。もうBon Joviのデビュー曲のようなものですね。
それでいてこのカッコよさですよ。
動画の0:27~から始まるイントロは、エレピによるコード連打フレーズですが、楽曲のイメージそのものの疾走感あふれるフレーズになっています。
こんなカッコイイフレーズですが、弾くのはそれほど難しくありません。AmとGを基本に構成されており、それぞれのコードの内声を3連で動かしていくのが基本となっています。
ちなみにこの曲、日本でもカバーされて、ドラマ主題歌になってたりします。
Jump(Van Halen)
1984年にリリースされた「1984」に収録された曲で、ロックキーボードによるイントロといえばこの曲を入れない訳にはいかないでしょう。
アルバム自体が世界で1,000万枚以上売れ、日本でも大ヒットしているので非常に有名な曲ですし、このイントロやキーボードソロも含めて、ギタリストのエドワード・ヴァン・ヘイレンが弾いていることでも有名です。
実はエディは幼少期の頃から(プロのクラシック演奏家であるお父さんの影響もあり)、かなり厳しいピアノのレッスンを受けていました。そんなエディからすれば、このキーボード演奏は朝飯前かもしれません。
Mr.Crowley(Ozzy Osbourne)
ブラック・サバスを脱退したオジー・オズボーンがソロになって最初のアルバムである「Blizzard of Ozz」(1980年リリース)に収録された名曲ですね。アルバム自体がもう名盤です!
”Mr.Crowley”という曲を語るとき、個人的に真っ先に浮かぶのは、ギターのランディ・ローズです。エディ・ヴァン・ヘイレンがキラキラのアメリカンハードロックだとすれば、ランディはどこか影のあるギターヒーロー。(実際に、この2人はよく比較対象になっていましたしギタースタイルも対照的です。)
そして、なにより中間とラストのギターソロはいつ聴いても聞き惚れてしまいます。
そのギターソロに負けず劣らず、この曲の世界観を作っているのが、ドン・エイリーが弾くシンセのイントロです。
ミニムーグによる音色がやっぱりイイですねぇ…。オリジナル音源だと高音と低音を行き来するポルタメントがよいアクセントになっていますが、動画のライブ音源では2台弾きなのでそこは再現されていませんね。
Eyes of the worls(Rainbow)
ヴォーカリストにグラハム・ボネットを迎えた通算4作目のアルバム「Down To Earth」(1979年リリース)に収録された壮大さを感じさせる曲です。
シンセのイントロにも色々なパターンがありますが、”Eyes of the world”の場合は、壮大な世界観を綿密にアレンジした”打ち込み”による名イントロといえるでしょう。
このアレンジを作りあげたのは、キーボーディストのドン・エイリーです。
ドン・エイリーといえば、幾多のハードロックバンドを渡り歩いた職人的なキーボーディストですが、上記でご紹介したオジー・オズボーンのバンドへは、このRAINBOWを脱退した後(その間にマイケルシェンカーグループへ参加を挟む)、ということになります。
とにかくこのイントロ、曲が始まっていく際の高揚感がありますよね。このようなイントロがハマっていくのも、様式美に拘ったRAINBOWならではといえるでしょう。
The Final Countdown(Europe)
スウェーデンが誇る”北欧メタル”の始祖ヨーロッパ。この曲は4thアルバム「The Final Countdown」(1986年リリース)の1曲目で大ヒットしたシングル曲。
”Jump”同様、キーボードイントロといえばこの曲も外せません!
”北欧メタル”とはヘヴィメタルのサブジャンルの一つで、北欧(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランド)出身のバンドを総称する呼び方ですが、ヨーロッパはその先駆者として世に出てきたバンドです。
北欧メタルの音楽的な特徴は、抒情的でメロディアス、どこか哀愁を帯びたその音楽性は日本人好みで、この曲も日本のオリコンチャート(洋楽部門)で1位になりました。
細分化されてきた印象だな
このイントロは、メロディラインもハッキリしているし、絶対マネしたくなりますよね!
The Magic Breeze(Robby Valentine)
1991年にリリースされた自身の名前と同名のアルバム「Robby Valentine」。本曲はそのオープニングトラックで、まるで物語が始まるような、映画のような曲です。
オランダ出身のソロアーティスト、ロビー・バレンタイン。フレディ・マーキュリーに影響を受けたそのサウンドは、ピアノを主体とした様式美のある作品が主流です。
”The Magic Breeze”の静かな立ち上がりから徐々に盛り上がっていく曲構成は、いかにも日本人好みのするスタイルだと思います。
そしてロビー・バレンタインはマルチプレイヤーであり、この1stアルバムの全楽器を自身で演奏しています。自分のイメージを全て自分で表現することができるため、明確なビジョンがあるアーティストからすると理想的ですね。
このイントロはピアノ主体ですが、それだけで語れない構成の素晴らしさとキャッチーさがあるのでピックアップさせていただきました。
Last Goodbye(Royal Hunt)
ロックキーボードを代表する1人であるアンドレ・アンダーソン率いるRoyal Huntの3rdアルバム「Moving Target」のオープニングトラック。
これまでご紹介したヨーロッパやロビー・バレンタインもそうですが、この曲もアルバムのオープニングトラックです。
こういった壮大さを感じさせるキーボードイントロは、物語の幕開けを演出しやすいのか、オープニングに起用されること多いですね。
本曲のイントロのオリジナル音源は、本物のストリングアレンジだと思いますが、ライブでは上で紹介した動画のようにシンセによる演奏です。
こうした細かいパッセージによるクラシカルなシンセフレーズは、聴いている方はもちろん、演奏する側もアガりますよ!
Now Is The Time(Yngwie J.Malmsteen’s)
アルカトラス(上記で紹介した”Eyes of the world”のヴォーカリストであるグラハム・ボネット率いるバンド)を脱退したイングヴェイが、ソロとして1988年にリリースした4stアルバム「Odyssey」の9曲目に収録された楽曲。
メタル界が誇る速弾きギタリス、イングヴェイ・マルムスティーン。彼はとにかく自分大好きなのか、自らの演奏を大フューチャーしがちです。そんな中でキーボードが目立つカッコイイ、シンフォニックなイントロがあったので取り上げてみました。
キーボーディストはもちろん、イェンス・ヨハンソンです!
このイントロは割と機械的でカチッとしたフレーズになっていますので、音源は打ち込みの可能性もありますが、手引きの場合はシンセのモノモードで演奏していると思われます。
シンセの機能をうまく使うと、それほどテクニックが無くても、カッコよく聴かせられる可能性があります。(もちろん、イェンス・ヨハンソンはバカテクのプレイヤーですが)
Let It Ride(Artension)
本物のクラシックピアノプレイヤーであるヴァタリ・クープリ率いるArtensionの1srアルバム「Into the Eye of the Storm」(1996年リリース)に収録の1曲。
正真正銘、テクニカルフレーズによるイントロです。
Artensionというバンドは、メンバー全員がかなりのテクニックを持ち合わせた超絶テクニカル集団ですが、中でもキーボーディストのヴァタリ・クープリは、ピアノコンクールで優勝するくらい、クラシックピアノの世界でも活躍していました。
本曲のイントロは、クラシカルフレーバー溢れるフレーズを両手で正確に奏でるというもので、しっかりとした基礎力がないと安定して聴かせられないフレーズです。
とにかく音のツブが揃った、モノホンのプレイヤーによる演奏です。
The Cage(Sonata Arctica)
本曲は、叙情的なメロディを疾走感のあるパワーアレンジで聴かせる、ソナタ・アークティカの3rdアルバム「Winterheart’s Guild」に収録の曲。
こちらもテクニカル系のシンセイントロとしてピックアップしました。
テクニカルというよりは、シンセリードによる弾きまくり系のフレーズで、これまで紹介してきた中にはないタイプのイントロです。
キーボーディストの”ヘンカ”こと、ヘンリク・クリンゲンベリは、ライブでショルダーキーボードを肩からぶら下げ、アグレッシブな速弾きを披露する姿はとてもカッコイイしステージ映えします。
まとめ
ロックキーボードにおけるカッコイイ、イントロフレーズを10曲選んでご紹介しました。
シンセのフレーズ…と一口にいっても、エレピのコード弾き、オルガン、ストリングのクラシカルパッセージ、壮大な打ち込みフレーズ、シンセリードの弾きまくり…と様々なパターンがありました。
どれも魅力ですし、キーボーディストならマネしたくなるものばかり。技術的に難しくてもそのエッセンスは是非、自分のプレイにも生かしていきたいですね!
楽曲のイントロについては、こちらの記事でも特集しています。チェックしてみてください。

Amazonが提供する”Amazon Music Unlimited”は、
6500万曲が聴ける音楽サブスクリプションの中でもトップクラス!
今なら30日無料で聴き放題です。是非この機会に!