バンド活動

バンド構成のバリエーションを解説 2ピースから5ピースまで紹介!

キャッチアイ画像

バンドと一口にいっても、音楽ジャンルや人数には様々なバリエーションがあります。
今回はバンドの楽器編成に着目して、その特徴を考察するとともに、実際世に出ているバンド・ユニットを具体例としてあげていきたいと思います。

考察するにあたり押さえておく点として、今回は基本的に正式メンバーのみで音を出しているバンド、かつ日本のバンドに限定します。(レコーディング音源等で曲によっては打ち込みを追加している等は有りとします。)

例えばB’zはヴォーカルとギターの2人組ですが、実際のライブでは大勢のサポートメンバーがいますので、実質的には大所帯のバンドとなります。よって今回の記事では対象外とする、みたいな感じです。

それでは行ってみましょうー!!

バンド形態別の特徴と代表的なバンド

2ピースバンド

2ピース
特 徴
まさにバンドの最小単位といえる2人組!楽器は多くても二つであるため「サウンドの重厚さ」といった要素は少ないですが、より個々の楽器が際立った、コンビネーションを味わうことができます

ボーカル+〇〇といった組み合わせ(この形態だと弾き語りディオですね)より、楽器同士でインスト曲を行うケースが多いと思われます。いずれにせよ少人数ゆえ誤魔化しは通用しないので、演奏技術という確かな裏付けが必須でしょう。

実際に2ピースバンドを組むとしたら
メリット
  • 相談相手が一人であるためバンドの意思決定がスムーズ。
  • 音楽的にも両方がメインであることが多いため、見せ場も多く満足感も高い。
  • 練習やライブ等のスケジュール調性が比較的容易。
  • 必ずしも練習スタジオを借りる必要がないため経済的にお得。
デメリット
  • 曲のバリエーションを広げるのが難しい。
    (この場合、バンドの方向性として大きな変化は求めず、例えばメロディの良さで勝負するなどフィールドを限定するのも良いと思われる。)
  • ひとたび、音楽性や意見の相違が生まれると、緩衝材がないため解散という結論に行きつきやすい。
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僕はフルートとピアノの組み合わせで(誰に聴かせるでもなく)演奏を楽しんでいた時期がありますよ。
それでは具体例として3バンドあげてみましょう!

 

→Pia-no-jaC←(ピアノジャック) 編成:ピアノ&カホン

【メンバー】

  • HAYATO(Piano)
  • HIRO(Cajon)

ピアノとカホンという珍しい組み合わせの2人組。
元々はお互いサポートミュージシャンとして、様々なアーティストの作品に参加していましたが、色んな現場で一緒になることが多く、その流れから意気投合して2005年にバンド結成。

バンド名の「→Pia-no-jaC←」は、左から読めば「Piano(ピアノ)」、右から読めば「Cajon(カホン)」となっており、2人でライブ空間をジャックするという意味が込められています。

2人の演奏はとにかく熱いです!繊細な曲から激しい曲までバラエティも豊富で、かつ手数が多いこともあり、2人とは思えないほどサウンド的には厚みがあります

出典:公式チャンネル 曲名「Paradiso」

→Pin-no-jaC←は是非こちらの動画も見てほしいです!

「熊蜂の飛行」という有名なクラシック曲を弾いていますが、売りはなんといってもピアノが縦に切り替わる「3Dピアノ」!しかも2台のピアノを駆使しても演奏ですから、恐らくものすごい練習が必要だったと思います。

それをサラとこなす技術と、なんといっても「魅せる」要素がすばらしい!!

 

HIROMITSU(和泉宏隆&須藤満) 編成:ピアノ&ベース

【メンバー】

  • 和泉宏隆(Piano)
  • 須藤満(Bass)

日本を代表するフュージョンバンド「T-SQUARE」、その元メンバーである和泉宏隆と須藤満によるデュオです。

この2人に関しては、10年以上も同じバンドで一緒に活動し気心も知れていますし、2人とも良い曲を書くことに定評があります。特に和泉さん作曲のバラードはまさに絶品です!!

2人とも様々な活動(※)がある中、HIROMITSUとしては現在まで2枚のアルバムをリリースし、ライブもコンスタントに行っています。

※その他の活動

◆和泉宏隆
・和泉宏隆     …ソロピアノ
・The Water Colors…ピアノトリオバンド
・Pyramid     …G+P+Drのフュージョンバンド

◆須藤満
・TRIX     …4人組のフュージョンバンド
・タケスト     …G+Bの2人組ユニット
・その他サポートたくさん

アルバムに収録されている曲はT-SQUARE時代の曲から2人のオリジナルまでバラエティに飛んでいますが、何よりそのメロディがすばらしい。

個人的にはピアノがすばらしいのはもちろんですが、須藤さんのベースもまたすばらしい。
所属するバンド「TRIX」では、スラップをはじめとするテクニック満載ですが、HIROMITSUでは、何とも暖かいメロディアスなベースを聴くことができます。

そういったベースを聴くことができるのも、HIROMITSUの良さだと思います。

 

DEPAPEPE(デパペペ) 編成:AG&AG

【メンバー】

  • 徳岡慶也(A・Guitar)
  • 三浦拓也(A・Guitar)

アコースティック・ギターを奏でる2人組。
この2人は「唄わないゆず」と称されることもあるくらい、確かに見た目や音楽性はゆずに通じるものがあると思います。

基本的にはアコースティックギターの柔らかな音色で、爽やかなメロディを届ける、という方向で、本当に爽やかです。

特にアコースティックギターはごまかしが利きませんから、当然かなりの演奏技術があることが前提ですが、この2人はそういった技術うんぬんをひけらかすわけではなく、ひたすらよいメロディを聴いている人に届けることに注力しているように感じます。

出典:公式チャンネル 曲名「ONE」

 

3ピースバンド

3ピースバンド
特 徴
2ピースはどちらかというと特殊な部類に入る編成ですが、ドラム、ベースのリズム隊が揃っていることが多い3ピースは、歌ものバンドとしては最少編成のバンドといえます。

ジャズの世界では昔からピアノトリオは一般的ですし、パンクロック等もやはり3人が定番だったりしますが、現在は同じ3人でも様々な編成がありますね。

3ピースで歌ものをやる場合は、いずれかのパートがボーカルも兼任する必要がありますが、どのパートが兼任するかで他バンドと差別化を図れたりします

仮にギターがボーカルを兼任する場合は、ギターバッキングをそれほど凝ったものに出来ないため、他のパート(ベース、ドラム等)がいかにスキ間を埋めるかというのも問われます。

楽器数が少ないからこそ、アレンジで工夫する余地が大きく、そういった意味では音楽的に最もメンバーの顔が見える編成といえるかもしれません。

実際に3ピースバンドを組むとしたら
メリット
  • シンプルなロックや、ピアノ主体のよりのジャズ/フュージョンを志向する場合は、最適な編成といえます。
  • リズム、メロディの各役割が明確であるため、それぞれのパートがより際立つ。また見た目のバランス感もよい。
  • 練習やライブ等のスケジュール調性が比較的容易。
デメリット
  • ポップス系のバンドを志向する場合は、音の薄さが気になる場合がある。
  • 普段の会話等が2対1になると割とツライ。
  • スタジオ代の頭割りが少ないので負担が割と多い。
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僕はベースで参加したバンドが3人でした!演奏が上手くない3人だったので、あまりよい思い出は…(苦笑)
さあ具体例としてタイプの異なる3バンドあげますよ!

 

UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾンスクエアガーデン)
編成:Vo+G & B & Dr

【メンバー】

  • 斎藤宏介(Vocal&Guitar)
  • 田淵智也(Bass)
  • 鈴木貴雄(Drum)

高校の同級生で結成された3ピースロックバンド。編成はギターがボーカルを兼任するという一般的なスタイルです。

キャッチーでストレートな曲調の中のどこかに必ずフックがあり、思わず耳を奪われてしまいます。

歌詞の世界も独特で、それをハイトーンのボーカルで歌いあげますが、ライブでの再限度もすばらしいです!

何よりライブでは、不動のギター、手数の多いドラム、暴れまくるベースと非常に3人の個性、バランスがとれていて、エンターティナーとしてもすぐれたバンドですね!

出典:公式チャンネル 曲名「シュガーソングとビターステップ」

 

モーモールルギャバン 編成:Vo+Dr & Vo+Key & B

【メンバー】

  • ゲイリー・ビッチェ(Vocal&Drum)
  • ユッカ(Vo&Key)
  • T-マルガリータ(Bass)

ドラムがボーカルを兼任し、キーボードとベースの3人組という比較的珍しい編成のバンド。しかも、元々ドラムはギターで、ドラムの脱退に伴いドラム+ボーカルに転向し、そのままギターレスバンドになったという経緯も面白いです。

このバンドも、メンバー各自の個性がハンパなく、特にライブに定評があります!

キーボードのユッカはオルガンを主体としたプレイを聴かせてくれますが、途中からギターレスバンドになったことに伴い、音が薄くならないよう、外部エフェクターを使うことで歪みを多用した攻撃的な音色を使うなど、アレンジにも様々な工夫をしています。

出典:公式チャンネル 曲名「サノバ・ビッチェ」

 

H ZETTRIO(エイチ・ゼットリオ) 編成:P & B & Dr

【メンバー】

  • H ZETT M(Piano) 青鼻
  • H ZETT NIRE(Bass) 赤鼻
  • H ZETT KOU(Drum) 銀鼻

ピアノ、ベース、ドラムの3人編成で、伝統的なジャズのピアノトリオと同じ編成ですが、音の方は従来のジャズの枠にとどまらない、非常に広い音楽性を有しています。

まぁ、メンバーみんな上手すぎる!
参考動画としてあげた「Beautiful Fight」にしても、音源ですからある程度構築されたものであると思いますが、緊張感のあるインタープレイ(アドリブの応酬)のように聴こえる箇所もあり、導入部とサビの対比が面白いし、カッコイイ!

立ったまま叩くドラムのスタイルも斬新でカッコイイですよね。

出典:公式チャンネル 曲名「Beautiful Fight」

 



4ピースバンド

4ピースバンド
特 徴
一般的にスタンダートといわれるVo&G&B&Drの4人編成。一説にはこのフォーマットはビートルズ以降定着したともいわれています。(もちろんその前からありましたが、ビートルズが与えた影響は確かに大きいでしょう)

専任のボーカルがいる場合、楽器自体の数は3ピースバンドと同様ですが、その分ボーカルはステージングというエンターテイメント性を高めることができます。

また、ボーカルが楽器を兼任する場合は、より音数を増やすことができ、バンドの幅を広げることができます。

実際に4ピースバンドを組むとしたら
メリット
  • 最もスタンダートな編成であるため、参考情報が多い。
  • 専任のギターやキーボードがいることで、アレンジ面も凝ったことを行いやすい。
  • 割と賑やかにスタジオ練習等を楽しめる。
デメリット
  • 特に社会人バンド等であれば練習等のスケジュール調整が難しい。誰か欠席の状態で行うことも多い。
  • メンバーの新規募集や、脱退に伴う補充に苦労することが多い。
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4人バンドも普通に経験ありますよ!こちらは例として2バンドあげます。編成がスタンダードだけあって、バンドもスタンダードかな?

 

スピッツ 編成:Vo+G & G & B & Dr

【メンバー】

  • 草野マサムネ(Vocal/Guitar)
  • 三輪テツヤ(Guitar)
  • 田村明浩(Bass)
  • 崎山龍男(Drum)

もう説明の必要もないくらいの国民的バンドであり、キャリアも30年を超えたベテランバンドですね。

ベテランバンドでありながら、なぜかフレッシュさも失っていない不思議な魅力あるバンドです。

普遍的なメロディを草野さんの声で歌い上げる、まさに「スピッツ節」とのいえる名曲の数々が大好きです!

アレンジ面では、全員実力者揃いで、ギターはテンションコードを多用することで、オシャレなサウンドを出していることが多いですし、ベースも動くベースラインが気持ちいい、そしてドラムは「上手さ」に定評があります。

参考動画は「1987→」という曲で、1987年デビューからのライブ映像が随所に散りばめられています。

出典:公式チャンネル 曲名「1987→」

 

ゲスの極み乙女 編成:Vo+G & Key & B & Dr

【メンバー】

  • 川谷絵音(Vocal/Guitar)
  • 休日課長(Bass)
  • ちゃんMARI(Keyboard)
  • ほないこか(Drum)

このブログは鍵盤楽器をメインにしていますので、やはりこのバンドを外す訳にいきません。

このバンドを率いる川谷絵音が天才的であることは多くが認めるところと思いますが、楽曲アレンジ的にはちゃんMARIのキーボードがポイントになっていることが多いですね。

ちゃんMARIのバックボーンがクラシックに加え、ジャズピアノもきちんと経験しているため、その要素が随所に楽曲にも取り入れられており、他バンドとの差別化が図られているのかなと思います。

出典:公式チャンネル 曲名「私以外私じゃないの」

 

5ピースバンド

5ピースバンド
特 徴
4ピースバンドに更にパートを一つ追加した編成。追加されるパートがギターかキーボードの場合が多く、この場合ギター×2、またはギター+キーボードとなります。

基本的な特徴は4ピースの延長ですが、メロディ楽器が2つあることでより凝ったアレンジを行うことができます。

音楽面重視の編成といえるでしょう。

実際に5ピースバンドを組むとしたら
メリット
  • ギター2本(ツインギター)の場合は、リードとリズムで役割を特化させることができるので、特にギターソロの間は音が薄くなるという問題を解決できる。またソロにおいてもハモったり、掛け合いを行ったりと、アレンジのバリエーションも広がる。
    ギター+キーボードの場合も基本的には同様だが、ポップアレンジの強化などより様々なことができる。
  • スタジオ代は頭割り人数が多いため、負担が軽い。
  • みんなでワイワイやりたい場合は適している。
デメリット
  • 特に社会人バンド等であれば練習等のスケジュール調整が難しい。誰か欠席の状態で行うことも多い。
  • メンバーの新規募集や、脱退に伴う補充に苦労することが多い。
  • アマチュアのライブではステージが狭いので、メンバーのポジション取りで苦労することがある。
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パートがキーボードなので、一番長く経験したのはこの5人でのバンドです。こちらは代表としてユニコーンをご紹介します!まさに何でもありのバンド!

 

ユニコーン 編成:全員Vocal G & Key & B & Dr

【メンバー】

  • ABEDON(Keyboard) ※現リーダー
  • 奥田民夫(Vocal/Guitar)
  • 手島いさむ(Guitar)
  • EBI(Bass)
  • 川西幸一(Drum)

一見一般的な5人編成のバンドに見えますが、実態はなんでもありのバンドです。

まず何が珍しいって、メンバー全員が何らかの曲でメインボーカルをとります。
そして実は担当楽器もあって無いようなものであり、曲によって頻繁にパートを替えます。

主に担当する楽器は次のとおり

  • ABEDON(Vocal/Keyboard/Guitar)
  • 奥田民夫(Vocal/Guitar/bass/Drum)
  • 手島いさむ(Vocal/Guitar/keyborad)
  • EBI(Vocal/Bass)
  • 川西幸一(Vocal/Drum)

実際にやる曲のジャンルも何でもありで、面白そうなことなら何でもやってみようがモットーのすばらしいオジさんバンドです。

出典:公式チャンネル 曲名「ロック!クロック!オクロック!」

ユニコーンについては、こちらの記事でも深堀しています。

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まとめ

バンドの様々な編成ということで、2ピースから5ピースまでのバンドを特徴とバンドをご紹介しました。

バンドを組むにあたって実際どういった編成になるかというのは、結果論であることが多く、メンバーが脱退しても補充することなく、現メンバーで工夫して継続した結果、少人数のバンドになったということも多いようです。

それだけバンドは人間同士のつながりが基盤としてあるため、誰でもよいというものではないということですね。

一方で、どのような編成であれ音楽を楽しむことができるというのは、実在するバンドを見れば一目瞭然ですので、是非参考にしていただければと思います。

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