楽器のカテゴリーにも色々ありますが、種類の多さや広く親しまれているという観点で、鍵盤楽器と双璧をなすものとして「弦楽器」が上げられるでしょう。
いずれにしても”弦楽器=アコースティックな楽器”というイメージが多いのではないでしょうか。電気を使う弦楽器ではエレキギターが一般的ですね。
だがしかし!ギターだけではなく最近では様々な弦楽器がエレクトリック化されているのです!そこで今回は実に多くの種類が存在するエレクトリック弦楽器を一挙にご紹介したいと思います!
目次
エレクトリック楽器のメリット

アコースティック、エレクトリック、それぞれに良さはありますが、今回の記事はエレクトリック弦楽器の特集なので、エレキ楽器の良さを考えていきます。
- 音を大きく!より広く届ける
- 音を小さく!どんな環境でも弾ける
- 音を加工できる
一つずつ解説します。
①音を大きく!より広く届ける
そもそもエレキギターが誕生したキッカケは、アコースティックギターでは出せない”音量”を出すためです。アンプで電気的に増幅した音があったからこそ、ロックというジャンルが発展したことからも明らかですね。
大音量こそ、エレクトリックの最大のメリットです。
②音を小さく!どんな環境でも弾ける
単に大きい音を出すためであれば、アコースティック楽器の付近にマイクを設置して音を増幅してもいいわけです。
ただエレクトリックの良さは小さい音も出せるという点でしょう。
例えばアコースティックギターを例にとりますが、アコギにはサウンドホールいう丸い穴があります。サウンドホールは弦振動によって生じたボディ内の共鳴を外に向かって放出する役割を持ち、これがあるからアコギの音は響くのです。
反面、音量の調整が難しいので夜中の演奏などは日本の住宅環境を考えると控えざる得ない場合が多いです。
エレクトリックであれば「音量を絞る」「ヘッドホンをする」などにより周囲へ影響を最小限に抑えることができます。
これも、エレクトリック楽器ならではのメリットです。
③音を加工できる
音色に関して、アコースティック楽器は基本的に自分のテクニックが頼りです。ギターであれば音を直接出す右手、ピッキングの技術ですね。
対してエレクトリック楽器は電気的な加工によって音のバリエーションを広げることができます。
エレキギターであれば、ギター本体のピックアップの切り替えやトーンノブでの調整である程度音色を変えることができますし、エフェクターを使うことでより劇的な変化をもたらすことが出来ます。
このように、電気を力を借りることで、多様なバリエーションの音色や効果を発揮できるのもメリットといえるでしょう。
メリットのまとめ
上記3点のメリットの中で、最も身近なものは②の”音を小さくできる”ではないでしょうか。同じことをYoutuberの瀬戸弘司さんもおっしゃっています。
特に忙しい社会人や初心者の方には、いつでも(夜でも)どこでも(自宅でも)楽器と接することができるエレキ系楽器はおすすめです。
ということで、各楽器の初心者向けセットのリンクを掲載していますので、気になった楽器をチェックしてみてください!
エレクトリック弦楽器 10種類

上記のメリットを踏まえて、弦楽器の”エレクトリック化”を図っている楽器を紹介していきます。
ただエレクトリックといっても、ガッツリエレキしているものもあれば、アコースティックの補助的に電気を使っているものもあるなど、そのレベル感は様々です。
エレキギター

- 6弦
- ピックアップが搭載されている
- 木材によるソリッドボディ
まず真っ先に紹介したいのはエレキ〇〇の代名詞ともいえる、エレキギターです。楽器の中でもかなりメジャーな存在ですね。
主にバンドの中で活躍する楽器で、ロック、HR/HM、ジャズ、ブルース、ポップスとどんなジャンルにも重宝される、必要不可欠ともいえる楽器です。
エレキギターといってもそのバリエーションは半端なく、上で掲げた基本ポイントはあくまで基本です。弦も7弦ギターや12弦(こちらは2弦1セットなので6弦のようには弾きますが)もありますし、エレキでもセミアコのようにボディが空洞のものもあります。
とにかく、フェンダー、ギブソンをはじめ多くのギターメーカーが存在し、それぞれ個性的なギターを生み出し続けています。
このようにエレキギターは、形状や機能、音まで千差万別でとてもギターという一口でくくれないくらいのバリエーションがあり、ある意味それがギターの自由奔放さにもつながっているのかなと思います。
その自由奔放さの究極形ともいうべきギターとギタリストをご覧いただきましょう。
エレキベース

- 4弦
- ギターよりも一回り大きい
- アンサンブルにおけるリズムの要
ベースはアンサンブルの中で低音を担当する楽器です。バンドの中ではドラムと共にリズムを作りあげるという重要な役割があります。
たまに「ベースってよく聴こえない」「何を弾いているのかよく分からない」…という声を耳にしますが、ベースがいないと本当に盛り上がらない演奏になります。
スタンダードはあくまで4弦ですが、最近では5弦や6弦の多弦ベースもよく使われるようになっています。多弦ベースの一般化によって、スラップを始めとするテクニックもだいぶ底上げされていますね。
スラップってナニ?という方はこちらの動画をご参照ください。
スチールギター

- 6弦
- テーブル型で抱えずに置いて弾く楽器
- スライド奏法に特化
楽器の構造はエレキギターと同じですが、大きな違いはそのフォルムと弾き方です。通常のギターはストラップを肩にかけ持ちながら弾きますが、スチールギターは、画像のように床に置いて(もしくは座った膝の上に置いて)弾くギターです。
そして弾き方はスライドバーを用いて弾く”スライド奏法”が主流です。どんな奏法なのか、こちらの動画をご覧になった方が早いですね。
スチールギターが活躍するジャンルは、”ハワイアン”です。フラダンスのバックなどでよく演奏されますが、この音色を聴くだけで、気分は常夏って感じですよ!
エレキウクレレ

- 4弦
- 非常に小型
- ハワイアンミュージックで活躍
ウクレレといえば、スチールギター同様”ハワイの楽器”というイメージです。優雅にハワイアンを奏でるイメージがあります。
エレキウクレレにも色々な種類があり、通常のウクレレにピックアップが取り付けられただけのものもあれば、画像のようなソリッドタイプでアンプ内蔵されているものもあります。
エレクトリックシタール

- 6弦(+共鳴弦が13弦)
- 特殊なブリッジでシタール感を出す
- 木材によるソリッドボディ

”シタール”という楽器はインドの民族楽器で、弦19弦(フレットの上に7弦、フレット下の共鳴弦が12本という仕様で、主にチョーキングを主体に演奏するギターとはまったく異なる楽器なのです。
対して、エレクトリックシタールはシタールらしい独特の音色を持ちつつ、ギターのように弾くことができるのが特徴です。おそらくギタリストなら、それなりに弾くことができるでしょう。
特に下記リンクの商品は、弦6本の他、ボディ上部に共鳴弦13本が配置されており、よりシタールらしい演奏が可能になっています。
エレキマンドリン

- 8弦
- トレモロ奏法に特化
- 一般的にはナポリ型といわれるイチジクのようなフォルム
マンドリンといえば”トレモロ奏法”ですね。トレモロとは弦に対してピックを上下に連続して弾く奏法で、ギターでも同様の奏法はよく見られます。
エレキマンドリンの弦は8本ですが、2本1セットなので4本弦感覚で弾く楽器です。(チューニングはヴァイオリンと同じ(低い方から)G-D-A-Eです。
弦2本が共鳴したギターとはまた違う音がカントリーなどにはピッタリで、下の動画はエレキマンドリンとアコースティックギターのセッション!
エレキヴァイオリン

- 4弦
- 弓で弦を擦る擦弦楽器の代表格
- オーケストラで活躍する楽器だが、エレキはロックでもイケる!
ビオラやチェロ、コントラバスとともにオーケストラの中心を担う楽器ヴァイオリン。ヴァイオリンは主に高音部を担当し、ソロもよくとられる楽器です。
オーケストラ楽器の音程に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。

エレキヴァイオリンは、ご覧のとおりボディが空洞の独特の形態をしていますが、これは本体の容積を減らすことで楽器の音量を低弦させる効果を狙ったものです。
まさに”夜でも弾ける楽器”として、エレキ化のメリットをガッツリ体現している楽器です。そしてクラシックだけでなく、下の動画のようにロックバンドの中に混ざっても存在感を発揮できる楽器だと思います。
エレキチェロ

- 4弦
- 大型の楽器
- オーケストラの中で低音部を担当
エレキヴァイオリンがあるんだったら、エレキチェロもあるでしょ!ということでエレキ版のチェロです。
ヴァイオリンのところでも触れましたが、チェロはオーケストラにおいて他の弦楽器とハーモニーを奏でることが中心ですが、実は独奏楽器としてもかなり存在感があります。その証拠に多くのチェロ協奏曲やチェロソナタが作曲されています。
オーケストラの一員になりたいし、ソロ演奏でも楽しみたい!そんな方にチェロはおすすめの楽器かもしれません。
エレクトリックハープ

- 38弦
- ピアノの親戚
- 価格100万円超え
なんとなく高貴なイメージのあるハープ。日本でいうと”竪琴”ですね。
一口にハープといっても大きさや弦の数によって様々な種類がありますが、写真は”レバーハープ”という楽器で、弦の上についているレバーを上げるか、下げるかにより、基準音か半音高い音か切り替えて演奏します。
こちらの楽器は、エレキ化することで音を増幅させることがメインです。冒頭で説明したエレキ化によるメリットの①ですね。これだけ大きい楽器ですから、生音自体を押さえるのはなかなか難しいでしょうからね。
エレキ三味線

- 3弦
- ボディは樹脂製なので音が響かない
- ピックアップが内蔵されている
日本が誇る弦楽器、三味線。
津軽三味線に代表されるように、ダイナミックな奏法による音色が魅力ですが、エレキ三味線は生音ではその音が響かないように工夫されています。その代わりアンプにつなぐと大きな音で楽しめます。
ちなみに日本には”三線”という楽器もありますね。実はこの両者、元を正せば同じ楽器がルーツなのです。
三線はボディにヘビの皮を張ったものですが、実はエレキ三線も存在しますよ。
電気大正琴

- 弦と鍵盤を備えている
- ピアノ+ギター+琴をハイブリットしたような楽器
- エレキ化により大きな音で
大正琴はとても面白い楽器です。
名前に”琴”の名前が付いている通り、横に置いて演奏する楽器ですが、メロディやコードはピアノの配置と同じ鍵盤をおさえます。そして音を出す部分は、ギターのようにピックでピッキングするんです。
まさに、あらゆる楽器のハイブリットといえるでしょう。これは日本発祥の楽器です。
この楽器のポイントはピッキングにあります。ギターなどもそうですが、どのような演奏になるかはピッキングが多くの割合を占めます。強弱やトレモロなど、感情表現豊かに奏でることができるのです。
そのトレモロをふんだんに使った演奏動画をご紹介します。
まとめ
エレキ弦楽器10種類をまとめてご紹介しました。
エレキ化することで、弾く場所や時間、届けられる人数まで大きなふり幅を手に入れた、そんな楽器たちででしたね。
どうしてもメジャーなギターやベースに目がいきがちですが、それぞれの楽器にそれぞれの魅力はありますので、是非興味深くチェックしていただければ幸いです。
入門用セットもご紹介していますが、思い切ってチャレンジするのもおもしろいと思います。

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