音楽の雑学

音楽著作権に関する情報まとめ!(発生の仕組み・著作権協会等による管理・ユーチューブ等での使用・違反時の罰等)

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最近TPP発行の関係で、著作権法の一部改正があったことはご存知でしょうか。
また以前、音楽教室からも著作権料を徴収するとしてニュースになったことは記憶に新しいところです。


この何かと話題があり、複雑な内容の音楽著作権について、今回は主なポイント中心に分かりやすくまとめてみました。ブログを運営していると何かと著作権に注意する必要もありますので、この機会に是非覚えてきましょう!

著作権とは

コピーライトマーク

基本的な概要

著作権は「著作権法」という法律に定められていますので、まずは条文を確認しましょう。

 

著作権法第2条第1項第1号

著作物
思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

 

簡単にいうと自分でオリジナルに創作した「文学、学術、美術、音楽」については著作権というものが発生するということですね。上記の他に映画やプログラム(アプリケーション)などもその対象となります。

オリジナルな創作物であれば作品の上手・下手やプロ・アマ問わず、誰でも著作権者となります。

ししょー
ししょー
私もCafeによって生み出されたため、著作物ってことだな
cafe
cafe
し、ししょー…

著作権発生のタイミング

著作物を創作した時点で、自動的に権利が発生します。国や自治体等に届け出等をする必要はありません。これを「無方式主義」とよびます。

著作権者の権利とは?どんなことが出来るのか?

著作者の権利は大きく分けて二つあります。それは「著作者人格権」と「著作権(財産権)」です。

著作者人格権

  • 著作者の許可なく勝手に作品の改変を行うことはできない。また自分の作品の公開の有無や公開時期等を決めることなどができます。
    この権利は他人に譲渡することはできず、著作者が生存している間及び死後一定期間の保護期間は保有されます。
    ※TPP発行に関連し、著作権法の一部改正(2018/12/30施行)が行われ保護期間が50年から70年に延長されました(元々映画は70年でしたが音楽も同様の期間となったものです)。

著作権(財産権)

  • 一般的にイメージする著作権はこちらを指します。
    「複製権」「上映権」「演奏権」といった実際に著作物を使用するにあたっての権限を指します。第三者が利用する場合は対価を支払う必要があります。
    こちらは人格権と異なり、契約や相続により譲渡することができます

 

少し前に音楽教室からも著作権使用料を徴収するというニュースがありましたが、この出来事の焦点はまさに「演奏権」にありました。

演奏権の定義は、「創作した音楽を公に演奏する権利」とされており、この「公に」の定義を巡ってやりとりがあったものです。演奏権の場合は「不特定多数」だけでなく「特定多数」も含むことから音楽教室も対象になるといわれたものですね。

この辺りの取り扱いは特に、人前で演奏する機会の多い楽器プレイヤーは気になるところですね。「好きな曲を人前で弾いたら著作権違反??」みたいな。

でもご安心ください。条件によっては著作権者への許諾は必要ありません。
その条件とは「営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合」(第38条1項)です。詳しくは後記の項目でも触れますね。

cafe
cafe
ストリートや学園祭での演奏は基本無料でしょうから大丈夫ですよー

音楽に携わるどの人に著作権は付与される?

夕焼けを背にピアノ弾く人

日本の音楽業界では、曲を書いて、音源を制作して、流通させ、また放送もあってと、様々な人は携わっていますが、さて著作権はどこまで付与されるのでしょうか。

作曲家

曲のメロディ部分を生み出す人です。もちろん著作権が発生します。

作詞家

曲の歌詞を生み出す人です。もちろん著作権が発生します。

編曲家(アレンジャー)

作曲家が作った曲(メロディ)に対して、使用する楽器を決めて、イントロやバックトラックを制作します。場合によってはコード進行まで決める場合もあります。
曲想や雰囲気をかなり決定づけるポジションです

編曲家に対しては「二次的著作物の利用に関する権利」というものが付与されます。
つまり0から1を生み出しているわけではなく、1を2に広げる作業であるため、権限的に多くの権限のうちの一つといった感じです。

なお、この権利は編曲の元となる曲の作成者である作曲家も同等に付与されます。

編曲に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。

【編曲とは】編曲家(アレンジャー)の活動スタイルを通じて”編曲”を理解する当たり前の話ですが、私たちが一般的に耳にする音楽は基本的には”曲(メロディ)”と”歌詞”で成り立っているものが多いですよね。(僕の好きな...

 

歌手・楽器プレイヤー

既にある曲を歌ったり、演奏するプレイヤーには「著作隣接権」という権限が付与されます。これは歌手や楽器プレイヤーも、自分なりの工夫をして行っている行為であるため、著作権よりも弱いですが、それに準ずる権限を与えられているものです。

ちなみに著作権の対象にならないもの

音楽の三要素「メロディ、リズム、ハーモニー」のうち、ハーモニーを表す「コード進行」には著作権は発生しません。

曲を創作、つまりオリジナリティがあると見なされるのはあくまでメロディなんですね。実際、同じコード進行を使っている名曲はたくさんあります。

あと、曲のタイトルにも著作権は発生しません。
もっともここまで著作権が設定されてしまったら、普通に話す言葉と被りそうですし、生活上支障ありそうですね(苦笑)

cafe
cafe
せっかく著作権フリーなので、このブログでも有名曲のコード進行を分析したり演奏したりするよー



著作権を管理する団体

JASRAC

ここまで作曲者や作詞家に著作権が発生するといいましたが、実際に商業ベースのお話をすれば、著作権の管理を契約により委任しているケースがほとんどです。

法律上は著作者自身で利用許諾等への対応をし、著作権使用料を徴収することは可能ですが、実際は非常に難しいです。例えばこんな声があります。

つまり、著作者本人がそういった事務を行うと、それだけに追われ、肝心の音楽活動まで手が回らない!…なんて事態になります。

そのためにそういった事務を代行してくれる組織があるのです。日本では「一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)」が代表格です。

ただ、日本にはJASRAC以外にも”NexTone”が有名です。

(株)NexTone(ネクストーン)は、2016年に株)イーライセンスと(株)JRCが統合して生まれた新しい会社で、JASRACを追随する二番手です。ただまだまだ規模ではJASRACの一人勝ちといった状態です。

どのような業界にもいえることですが、1強よりは程よい競合があった方がその業界全体が成熟すると思いますので、この業界もそのようにあれば面白いなと思います。

【音楽著作権料の形が変わるか】著作権の現状(CISAC総会・私的複製補償制度の行方)2019年5月30日に開催されたCISAC((著作権協会国際連合))の総会において、「私的複製補償金制度に関する決議」が行われました。 今回はこの私的複製補償制度とは何なのか、基本的なところ押さえながら私たちにどのような影響があるか等について解説します!...

 

著作物を侵害した場合

先ほど非営利であれば大丈夫という話をしましたが、では営利目的での無断使用はどうなるでしょうか?特に音楽に限らず著作物を簡単に複製できたりするネット上では注意が必要です。

民事上の措置

著作権者は著作権を侵害した相手に対して、民事上の対抗を行うことができます。

  1. 差止請求
    侵害した作品等の発行を止めたり、回収を行わせたりが可能
  2. 損害賠償請求
    侵害によって本来は利益を得られたであろう金額を請求可能
  3. 不当利得返還請求
    侵害者が侵害した著作物で得た利益を返還請求可能
  4. 名誉回復等の措置請求
    侵害によって被った名誉失墜等を回復するための措置を請求可能

 

刑事上の措置

民事だけでなく、刑事上でも処罰される可能性があります。
罰則の内容は原則として「10年以下の懲役」または「1000万円以下の罰金」で、両方化される場合もあります。
そして侵害側が法人の場合には、なんと「3億円以下の罰金」!

ししょー
ししょー
知らなかった…で済まない場合もあるから気を付けよう

身近な例での著作物の使用

さて、罰則の内容も分かったところで、私たちの身近な例で気になることないでしょうか?

例えば…

バンドマン
バンドマン
ライブでコピーバンドとして参加したけど、お客さんから入場料金取っているよな?あれ大丈夫かな?
歌い手
歌い手
YouTubeであるアーティストの曲歌ってるけど、あれも一応収入あるしね…営利目的?大丈夫??

包括利用許諾契約

どこにも特に許可を取ってないし、ここまでの話を聞くとちょっと不安ですよね。
でも安心してください。ほとんどの場合は管理団体側と「包括利用許諾契約」を結んで使用に対する対価を払っていることになっています

包括利用許諾契約とは、1曲ごとの使用許諾ではなく、あらかじめ利用範囲を定め、まとめていくらっていう支払方法です。

例えば、ライブハウスの場合は「〇〇系コピーバンド大会」のようにコピバンの参加を促す企画も多いですが、こういった場合はライブハウス側がきちんと対価を支払っていますので、著作権侵害になりませんし、もちろん出場するバンド自身が著作権使用料を支払う必要もありません。

また、YouTubeの場合も、包括契約によりJASRAC側に使用料を支払っています。
なので曲をコピーしたからといって著作権侵害にはなりません。

ただし、その曲が「〇〇が管理をする楽曲について包括契約」を結んでいる場合で、包括契約外の著作物の場合は侵害になる場合がありますので注意が必要です。

参考までにYouTube以外でアップロード等を行うことが可能なWeb上のサービス等をピックアップいたします。たくさんありますねー。

■動画投稿(共有)サイト(50音順)
JASRAC管理楽曲を含む動画をアップロード可能なサービス
・アフリカTV
・アメーバアプリ
・Weddy Weddy
・うたスキ動画
・うたスキミュージックポスト
・OPENREC
・KARASTA
・ガンダムファンクラブ
・kukuluLIVE
・cavetube
・斉藤カラオケ
・C CHANNEL
・MOTTO ! MOTTO !! App
・すきっとねっと
・Stickam JAPAN!
・Stager Live
・sprasia
・宅スタ
・ツイキャス
・Twitch
・Dailymotion
・Tik Tok
・Topbuzz Video
・755(ナナゴーゴー)
・ニコニコ動画
・Necfru
・ハコスコストア
・VIDEO Clipper
・FAN LIVE
・FREEWORLD
・FRESH LIVE
・ふわっち
・Pococha
・MixChannel
・YouTube
・LIVESTRUCK!
・LINE LIVE
■ブログサイト等(50音順)
JASRAC管理楽曲の歌詞掲載が可能なサービス
・アメーバブログ
・JUGEM
・Seesaaブログ
・textream
・プリ画像
・Yahoo!知恵袋
・Yahoo!ブログ
・ヤプログ!
・ライブドアブログ
・楽天ブログ



引用

これはどちらかというと音楽ではあまり無いと思いますが、「引用」という形で他人の著作物を利用することができます。(著作権法第32条)

例えば、自分のブログ内に他人が創作したイラストや写真、文章を掲載することなどです。

利用するにあたっては、「引用の目的上正当な範囲内」で行うことが定められています。

正当な範囲内というのが多少あいまいですが、主に次の点が守られていれば概ね大丈夫そうです。

  • 記事内容の必然的な流れの中で利用する。
  • 自分の記事と引用を明確に分かるようにする「blockquote」を利用する。
  • イラストや画像の場合は商用利用OKのものなど使用要件を確認する。

 

まとめ

音楽著作権について、主なポイントをまとめました。
特にこのブログの趣旨からすると、有名曲をコピーして演奏する場合はどうなのか、という観点では以下のポイントを押さえることができました。

  • 不特定、または特定多数の前での演奏は基本的に許諾が必要だが、非営利目的であれば許諾は必要ない。
  • 有名曲を演奏するなど営利目的でWeb上のサービスを使用した場合であっても、使用する楽曲が包括契約の対象であれば、その各自での許諾は必要ない。

ブログを運営、そして楽器を演奏するものとして、著作権を正しく理解して、うまく付き合っていく必要がありますね。