楽器を始めた社会人にとって「練習時間がなかなか確保できず上達しない」というのは多くの方が抱える悩みではないでしょうか。
「時間は作るもの」…とはいえ仕事や家事の忙しい合間に練習時間を増やすにも限界はあります。
そこで時間を増やせないなら、練習自体を短時間で成果がでる方向に考えてみましょう。
ということで、今回は会社勤めをしながら、子育てに励み、バンド活動も行っている私カフェランが、効率的なピアノ練習方法をご紹介します。
まずは自分の練習を振り返ってみる
何かを改善するためには、まず今の自分を振り返ってみることが大切です。下記にチェックリストを掲載しましたので、まずは該当するものがないか確認してみてください。
- 特に目標を決めず気ままに弾いている
- 逆に目標を詰め込み過ぎている
- 曲を弾く場合は基本「通し」で弾いている
- 練習日にムラがある
効率的な練習方法
それでは、上記にあげた項目を解説しつつ、効率的な練習方法についてご紹介します。
①特に目標を決めずきままに弾いている
ピアノに向かってやることが、その時によってバラバラではないですか?
思い出したようにスケール練習をしてみたり、楽譜を引っ張り出して曲の練習をしたり、またはコードで弾き語りの練習をしてみたり…といった行き当たりばったり感です。
これでは、ただでさえ短い練習時間をただ浪費している感が否めません。
短い練習時間で効果をあげる大前提は目標を持つことです。そしてその目標は小さな目標で構いません。
小さな目標を持つと、短い時間の中での集中力が高まります。そして小さい目標であれば比較的達成しやすいため、上達していることを実感しやすくモチベーションの維持にもつながります。
では「小さな目標」をどのように決めればよいのでしょうか。それは今の自分の課題から決めていくことが手っ取り早いです。
例えば、どうしても弾きたい一曲があったとします。これは大きな目標にあたります。
その曲の中で、どうしても弾けないフレーズがあったとすれば、そこだけを集中的に取り組むことが小さな目標となります。
これなら短時間しか練習時間が確保できなくてもやることは明確ですからすぐ取り組めますし、成果も実感できます。ピアノを前にして何をやるか迷っている時間が無駄ですからね。
この小さな目標の積み重ねが大きな目標の達成につながります。
②逆に目標を詰め込み過ぎている
上記①で目標設定の重要さをあげましたが、その目標設定を同時進行でたくさん持ちすぎると逆に非効率となります。
例えば私は一時期以下の練習を同時並行で行っていたことがあります。
- バンドの課題曲の仕上げ
- ピアノ教室の課題曲の取組
- ブルースピアノのフィーリングを身に付けたくてフレーズの研究
- コード進行パターンの研究
- ハノンなどの基礎練習
私はフルタイムの会社員をしていますので、仕事から帰宅後が主な練習時間。多くて1~2時間といったところですが、その中で上記の取組を行うわけですから今考えるとなかなかに無謀な練習スケジュールですね。
バンドやピアノ教室の課題は、仕上げるまでのリミットがあるので最優先でやらなければいけないのに、プラスして③④⑤あたりをやっていたのでいっぱいいっぱい。結局どれも中途半端で、①②あたりのクオリティも低く、先生にも若干呆れられる…という苦い経験があります。
実現したいことが多くあるのはいいことだと思いますが、それを一度にやろうとするとどこかにムリが生じます。短い練習時間しか確保出来ないならなおさらです。
そのムリのしわ寄せが、本来最も実現させたい部分(上記の例でいうとピアノ教室やバンドの曲仕上げ)に影響するのであまりいい結果になりません。
目標は実現可能な範囲で、優先順位をつけて設定しましょう。
③曲を弾く場合は基本「通し」で弾いている
曲の練習をするとき、何も考えず常に曲の冒頭から始めるというのも、時間の有効活用という観点からいうと非効率です。
例えば、練習時間が30分しか確保できないとすると、5分の曲であれば6回程度弾いたらもう終わりです。でもそれで何となく練習した気になって満足する、ということはないでしょうか。
こういうケースが多いのは、やっぱり弾ける箇所を弾くのは楽しいし、心理的負担が少ないからです。
でもあくまで練習なのですから、弾けないところを弾けるようになるのが目的です。楽しく余裕をもって弾けるところはスルーしましょう!
そこで曲の練習を行うときは、パーツごとにやるのをおすすめします。
例えば一般的なイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、ソロ…という構成の場合、まずはイントロだけに練習範囲を絞りましょう。
更にイントロの中でも特定のフレーズだったり、または左手だけだったりと、苦手な部分があれば更に絞り込みます。
こんなイメージです。
上図イメージのように「部分練習」「パーツ練習」「通し練習」といった順序で練習範囲を徐々に拡大するようにします。この際、絞り込んだ範囲は確実に習得してから次に進むことが重要です。
確保できた練習時間を苦手な部分に特化して取り組むことで、結果的には曲を効果的に仕上げることが出来ます。
④練習日にムラがある
会社勤めの社会人などは練習時間が短いということもさることながら、残業や飲み会で練習自体が出来ない日もあると思います。
で、それを取り戻そうと休日に練習時間を増やして対応する。
たしかにやむを得ない部分がありますし、これでもいいのかもしれません。ただ、1週間に1時間まとめて練習するよりも、1日10分でも毎日行った方が効果的といわれています。
それは前日の練習内容を脳や身体が覚えている状態で、練習を積み上げた方が効率よく覚えることができるからです。
短時間でもいいので、毎日できる練習をルーチン化していくことをおすすめします。
どうしても鍵盤に触れない場合は、自分の練習内容を聴くだけでも効果があります。事前にスマホのボイスメモ機能を使って練習内容を録音しておき、それを電車の中などで聴くのです。
リズムのヨレやタッチの強弱など、演奏している時は気づきにくい部分が、録音を客観的に聴くことで把握できるのです。
このようにすると、「あ、帰ったらここに注意して弾いてみよ」とか「明日の朝は仕事行く前にこの部分やってみるか」といった具合に、課題を意識した前提で練習に入れるため、これも時短になるわけです。
まとめ
ピアノ練習を短時間で効率的に、という観点で説明しました。具体的なテクニックというよりは考え方に関するものですが、いかがでしたでしょうか。
記事で触れた短時間で効率的な練習のコツをまとめます。
- 小さな目標を設定して練習に臨む。
- 目標設定する際はムリのない範囲で、優先順位をつけて。
- 曲練習は通しで弾かず、苦手部分を中心に行う。そのために「部分練習」「パート練習」といった感じで練習範囲を絞り込む。
- 練習日にムラを作らない。短時間でも毎日を目指す。
今回上げたポイントを総合すると、小さく絞った練習範囲を、短時間でも確保できた練習時間に当て込み、コンスタントに積み上げていく、ということです。
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