ピアノを始めたいけど「ピアノ教室通ったりはなかなか出来ないなぁ~」と二の足を踏んでいるあなた…そういう方に是非おすすめしたいのが、ピアノ練習用のアプリを使って独学をする方法です。
独学というと大げさな感じもしますが、まずはゲーム感覚でピアノに触れる時間を増やすということです。
今回はそんな独学に最適なアプリである「Simply Piano(シンプリーピアノ)」の使用感を徹底レビューしますので、是非参考にしてみてください。
シンプリーピアノ(SimplyPiano)の特徴
シンプリーピアノの概要
「Simply Piano(シンプリーピアノ)」はJoyTunesという会社が提供する音楽教育用のアプリで、自分の弾いた音をアプリが認識して曲が弾けているかどうかを判定する、という使い方が基本となります。類似のアプリはたくさん存在しますが、シンプリーピアノならではという特徴がありますので本記事で解説していきます。
下記は公式の紹介動画です。
JoyTunesがおくるSimply Piano(App Store)
まずはシンプリーピアノの特徴を下記のカテゴリ別に整理して解説します。
- 音声認識方法
- カリキュラム
- 課題曲
- 料金
では、①から順に詳細をご説明します。
①ピアノ音階識方法
弾いた音の認識はスマホ(タブレット)の内臓マイクを利用するので追加で何かを用意する必要がありません。スマホ等をピアノの譜面台に置いて弾くだけでOKです。
ただし、使用している環境や弾き方によってはうまく認識しないこともあります。
実際に自分もちゃんと正しく弾いているはずなのに、弾けていないという判定をされることが割とあります。
この問題に関しては、アプリを提供しているJoytunes社も把握しており、ユーザーに対して次の対策をお願いしています。以下の対応で90%は解決できるとされています。
- 演奏時にはアプリの音量を下げてください
- iosデバイスを置く場所を変えてみてください
- デバイスのマイクを邪魔するものがないようにしてください
- 静かな環境で弾いてください
- サスティンペダルを使わないようにしてください
- デジタルピアノまたはキーボードの場合:デフォルトの音を使用してください
- MIDIインターフェースで接続することを検討してください
内蔵マイクでうまく認識されない場合は上記項目をそれぞれ試してもらうことになります。
私の場合は内蔵マイクでもほぼ問題なく使用できるレベルでしたが、ある特定の音がどうしても認識しずらいという状況にありました。そこで上記①~⑥を試しましたが改善しなかったため⑦のMIDIインターフェイスで接続する方法を採用しました。
MIDIケーブルの接続
この方法を行うには楽器が電子系の楽器(電子ピアノやシンセサイザー)である必要があります。(アコースティックピアノにはケーブルを接続する端子がありませんからね)
下図が電子ピアノとスマホを接続している時の様子です。

MIDIインターフェイスの見た目はこのようなものです。

電子ピアノの裏面にはMIDI端子というものがありますので、そこにMIDIインターフェイスを差し込みます。

私が使用しているのはRolandの「UM-ONE」というUSBタイプのMIDIインターフェースです。
MIDIインターフェイスの他にスマホ(iphoneの場合)側の端子につなげられるように変換ケーブル(MIDIインターフェイス側のUSBとLightningケーブルを変換するためのカメラアダプター)が必要です。
②カリキュラム
カリキュラムに関しては「コース」というメニューから自分で選択することができます。
具体的な手順について、アプリ画面と合わせてご説明します。
カリキュラムの基本的な流れ
◆コース選択の前に、まずは全員が「ピアノ基本」「基礎Ⅰ」という講座をクリアする必要があります。ここで「イマジン」や「ジングルベル」等の比較的やさしい曲を体感して、ピアノの基礎の基礎を学びます。
◆基礎編が終わると「ソリスト」又は「コード」のどちらのルートを辿るか選択できます。
- ソリスト
ピアノでメロディを弾く「ソロピアノ」を目指すルート。楽譜や両手の連携など主にテクニックを磨く - コード
曲の伴奏を弾けるようになるためのルート。主にコードの知識を高める
◆各ルートを辿っていくと、レベルやバリエーションが広がっていきますので一つずつチャレンジしていくイメージです。ちなみにトロフィーが表示されているコースは「終了済み」というのを表しています。
◆先に進むにしたがって、レベルも上がっていく感じです。
各コースの中身(トレーニング内容)
各コースの中身について、ソリスト「中級Ⅲ」の場合はこのようになっています。基本的には各トレーニングメニューがあり、クリア後は仕上げとして各トレーニングで学んだスキルを使った曲にチャレンジするといった流れです。
◆下図がトレーニング画面で示された音符を弾いていきます。曲終了後、採点結果が表示されます。★が三つでクリアです。
◆こちらはコード「ポップスコードⅢ」のコース画面です。
音符と合わせてコードネームも表示されます。

③課題曲
「コース」の他に「曲」というメニューがあります。このメニューは基本的にトレーニングで課題となった曲を自由に選択して弾くことができるというものです。
(ただし、コースクリアしていないレベルの曲に関しては、この曲はちょっと難しいかもしれませんよ、という注釈が表示されています。)
◆ソリスト系の曲の一部。ゲームオブスローンズなどのドラム音楽などもあります。
◆コード系の曲の一部。基本的には洋楽のみです。
◆当然クラシックの名曲も豊富になりますよ。
◆曲単体で講座化しているものもあります。
現在(2019/5/19現在)350曲以上選択することができますが、一部をピックアップしてご紹介したいと思います。
曲名 | アーティスト | レベル |
We Are the Champions | クイーン | 基本Ⅰ |
Don’t Worry, Be Happy | ボビー・マクファーリン | 基本Ⅰ、コードスタイリングⅠ |
Sorry | ジャスティン・ビーバー | |
Amazing Grace | スピリチュアル | 基本Ⅱ |
Don’t Stop Believin | ジャーニー | 基本Ⅱ |
Eye of the tiger | サバイバー | 基本Ⅱ |
Last christmas | ワム | 基本Ⅱ |
The Lazy Song | ブルーノ・マーズ | 基本Ⅱ |
piano man | ビリー・ジョエル | 基本Ⅱ |
Happier | マシュメロ | ポップスコードⅠ、基本Ⅲ |
Monster Mash | ボビー・ポケット | ポップスコードⅠ |
look what you made me do | テイラー・スウィフト | 基本Ⅲ |
雨に唄えば | ジーン・ケリー | 基本Ⅲ |
Africa | トト | 基本Ⅲ |
City of Stars | ラ・ラ・ランド | 基本Ⅲ |
Halo | ビヨンセ | ポップスコードⅡ |
Pradise City | ガンズ・アンド・ローゼス | ポップスコードⅡ |
Suger | マルーン5 | 中級Ⅰ |
曲に関しては、毎月アップデートでどんどん増えていきますし、季節限定(クリスマスやバレンタインなど)の曲もアップされます。
④料金
アプリ自体は無料でインストールできますが、サービスをフルで利用するためには課金が必要です。課金を行うと「プレミアムメンバーシップ」となります。
課金方法は以下の3種類です。
期間 | 料金 |
年間 | 1か月あたり658円 |
6か月間 | 1か月あたり983円 |
3か月感 | 1か月あたり1,300円 |
年間払いの方が1か月あたりの料金が安くなります。
シンプリーピアノで身に付くスキル

シンプリーピアノの基本的な使い方を解説してきましたが、特にピアノのスキル向上のための練習という観点では、このアプリだけで必要な練習がすべてカバーできるわけではありません。
このアプリで行える練習の代表格は「楽譜(音符やコード)に合わせて正確に弾く」というものです。つまり「譜読み」と「鍵盤感覚」を養うという部分です。
アプリの構造上、音符が横からリアルタイムに流れてきますが、その時必然的に目は音符を追いながらあまり鍵盤を見ずに弾くというスタイルになります。
実はこのスタイルに慣れておくのは重要で、将来的に初見演奏などを身に付けるには必要なスキルです。
初心者は鍵盤を常に見ながら弾いてしまいがちですが、鍵盤の位置を目に頼り切ってしまうと、譜面を見ながらの演奏が苦手になるため、譜読みも苦手になるという悪循環に陥ります。
この最も基礎ともいえる部分について、シンプリーピアノはゲーム感覚で楽しみながらできるのが強みですね。
シンプリーピアノのメリット・デメリット
実際に使用する中で感じたメリット、デメリットについて記します。
メリット
練習レベルの広がりがある
学べるコースの中に「ソリスト」と「コード」という異なる演奏スタイルから選べるのは、自分がどういう練習をしたいのかを意識するキッカケにもなるので、とても有効だと感じます。
正直ソロのピアノ演奏と歌の伴奏では求められるピアノスキルが異なります。もちろん両方対応できた方が便利だし楽しいですが、練習に使えるリソースにも限りがある中、方向性を絞るという考え方はとっても大事なんです。
加えて、それらの練習レベルに発展性があるのが高ポイント。
この種の練習アプリは初心者向けに寄せている傾向が強いため、人によっては多少歯ごたえを感じなくなる場合があると思います。シンプリーピアノの場合は、中級、準上級といったレベルがメニューに随時追加されていくので”アプリの発展性”という観点では他の類似アプリより一歩先を行っています。
曲の更新頻度が高い
新たに追加される曲の更新頻度が高いのはポイントが高いと思います。これは運営に力を入れている証拠ですね。
海外製のアプリなので洋楽が中心ではありますが、ポップス系の洋楽に疎い私でも(洋楽はもっぱらHRかJAZZなので…)知っている曲ばかりです。
新しい曲の追加はモチベーションの継続に大きく寄与するのでうれしいところです。
デメリット
音階の認識が甘い
本文でも述べましたが、スマホのマイクを使ったピアノ音の認識に甘い点があるのが残念です。本来であればスマホのマイクで認識する手軽さがメリットの1つでしたが、僕の環境ではある特定の音が認識し辛いという状況にありました。
とはいえ、これについてはMIDIインターフェイスで直接機器を接続して解決できたので、致命的なものではありません。
それぞれ環境による部分もあるとは思いますが、あくまで個人的に感じたデメリットでした。
解約方法
プレミアムメンバーシップは以下の手順でいつでも解約することができます。
- 左上のメニューボタンをタップ
- 「設定」をタップ
- 「マイアカウント」をタップ
- 「管理」をタップ
- 「メンバーシップを解約する(下図)」をタップ
- 「解約の理由」を選択後「続ける」をタップ
- iphone側の画面に遷移し「登録をキャンセルする」をタップ
まとめ
simply piano(シンプリーピアノ)の特徴や使用イメージについて解説しました。
「シンプリーピアノで身に付くスキル」でも触れましたが、このアプリで学べることは数多くあるピアノのスキルの中でもごく一部です。(他にも音感や音楽理論、表現力や即興、アレンジなど、ピアノにはまだまだ学ぶべきポイントは多いです。)
反面、ピアノを始める入り口として、最初は軽めに始めてみたい方にとっては楽しみながら自分のペースで進められるため、十分独学対象のツールになると思います。
これを経験して、もっとやりたくなったら、次の方法に進んでもいいわけですからね。
まずは行動ですね!!
類似のピアノ練習アプリの比較記事を書いていますので、こちらも検討の参考にしていただければと思います。

Amazonが提供する”Amazon Music Unlimited”は、
6500万曲が聴ける音楽サブスクリプションの中でもトップクラス!
今なら30日無料で聴き放題です。是非この機会に!