2019年の今年で98歳になる現役ピアニスト 室井摩耶子さんの著書「毎日、続ける」を読みました!
実は最近まで室井さんの存在を存じ上げなかったのですが、100歳になろうかという年齢でありながら、今も観客の前でピアノを弾く。
その事実に興味を惹かれ、本書を手に取ってみました。
今回は読んでみた感想を中心に、自分の考えて実践していることを併せて述べていきたいと思います。
- 何か新しいことを始めたい人
- 取り組んでいることが行き詰っている人
- もっと気軽にストレスなく生きていきたい人
今何かに頑張っている人なら、きっと背中を押してもらえる、そんな本でした。
目次
室井 摩耶子さんとは
室井摩耶子さんは6歳でピアノを始め、24歳の頃(1945年)に日本交響楽協会(現NHK交響楽団)にソリストとして所属していました。
丁度、第二次世界大戦の終戦の年ですね。そう考えると、改めて歴史の長さを感じます。
1956年、モーツァルト「生誕200年記念祭」に日本代表としてウィーンに派遣され、それがきっかけとなり、その後ドイツへ留学、そのままヨーロッパで演奏活動を行いました。
1964年にドイツで出版された「世界150人のピアニスト」に選ばれるなど、ヨーロッパではピアニストとしてある程度の地位を確立しました。
1982年の帰国後、現役最高齢ピアニストとして活躍して今に至ります。
こちらが室井摩耶子さんの演奏している動画です。
この動画では「エリーゼのために」を弾いていますが、著書の中でもこの曲に関するエピソードが綴られています。
著書「毎日、続ける」の感想
この本は、『いつまでも自分らしく、いきいきと過ごすための38の工夫』という副題がついており、タイトル通り、38の工夫(エピソード)を順番に紹介していく構成となっています。
1エピソードあたり3ページ程度にまとめられ、サラッと読めるのがいいです。
今回は特に個人的に響いた5つの工夫(エピソード)をピックアップしてご紹介したいと思います。
✔人生は「目の前の一歩」の積み重ねでできている
このエピソードは、96歳の時に自宅で転んで骨折し、リハビリにより歩けるようになるまでの過程について語られたものです。
やはり高齢ですから寝たきりになると筋肉も衰える、痛みもある、思うように動かない体に苛立ちもある…そのような中リハビリに取り組むのは大変です。
でも室井さんは昔から「今日、このとき」に集中して生きてきたそうです。
リハビリも先の見通しを意識しながら取り組んできたわけではなく、「目の前の一歩」に必死になっていただけ。それでも、気が付けば前の日よりも長く歩けるようになっていた。
そういった、人生に置ける「積み重ね」に関するお話です。
何か物事に取り組むうえで「将来のあるべき姿」をイメージし、そこに向けて計画や実践を積み重ねていくわけですが、時に先のことを意識し過ぎると、現状とのギャップに悩んだり、遠い道のりに対してくじけたりすることもまた多いのでないでしょうか。
今出来る目の前のことを、コツコツ積み重ねる…これが一定の成果を得る最良の道の一つだと大きくうなづいた次第です。
✔「ちょっとしんどい」くらいの方が踏ん張れる
このエピソードは、不注意で捻挫した際、リサイタルのため利用した空港での移動時について語られたものです。
捻挫しているとき、空港の搭乗ゲートまでが遠いので同行者が車イスをすすめましたが、「恥ずかしいからやめておくわ」と遠慮し、ターミナルの端から端まで必死に歩きとおしたそうです。
年を取ると体のどこかに異変はあるものですが、慢性的や原因が分かっているものについては、あれこれ深く考えることはしないそうで、それはなぜかというと、ある種の「暗示となって」気分も滅入ってしまうから。
空港で車イスに乗らなかったのも意地を張ったわけではなく、「自分はけが人なんだ」と大事なリサイタルの前に気分を沈めたくなかったから。なので帰路は気持ちよく車イスを利用させてもらったそうです。
よく「どうせ〇〇だから…」「自分は〇〇が出来ないから」…と行動しない前提で考える人がいます。自分もそういうことあります。
これもある種の「自己暗示」で、勝手に自分の可能性を狭めているのかもしれません。
普段やっていないことに挑戦するのは、時にしんどいと感じるかもしれませんが、でもそんなの辺り前!…くらいに行動できるようになればしめたものですね。
例えば筋トレだって負荷を大きくするとしんどいけど、その分筋肉付きますからね。
✔毎日を楽しくするなら、新しいことを始めるだけでいい
室井さんは80代半ばでパソコンを始められたそうです。周りの高齢者は「デジタル関係はなんだか難しそう…」と敬遠する中、室井さんは逆に「面白そう!」と好奇心が勝ってしまうタイプ。
今ではパソコンで名刺や年賀状を作ったり、ブログを書いたりしているそうです。
パソコンに限らず、新しい趣味や習い事を始めると予想外のこともあるが、それも含めて世界が広がり楽しみも増える。まずは「やってみる」ことで、毎日が楽しくなると綴っています。
日本にもキャッシュレス社会が到来しつつありますが、必ず「高齢者はなかなか対応できないから浸透しないんじゃないか」という声があがります。
確かにそういう実態はあると思いますが、一方で室井さんのような方もいらっしゃる。
(個人のチャレンジと社会インフラを同列には語れないのかもしれませんが…)
でもこの考え方って自分の世界を広げるにはすごく大切だと思います。
世界が広がると知識が増える。
知識が増えると刺激になる。
そしてもっと知りたくなる…
そうやって自分の世界を広げていけば、すごく楽しくなると思うんですよね。
少なくとも「休みの日はヒマでやることな~い~」と言ってるヒマはなくなると思うんですよね(←周りにこういう人結構いるのです)
✔「もう年だから」という、”暗示”を自分にかけない
室井さんは年齢の数字を意識していないといいます。
それは「もう〇〇歳なんだから…」そんな風に暗示をかけて自分にブレーキを掛けたくないから。
あとこれまでピアノを通して、「この年だから」手に出来ているものがあり、これまで出来なかったことが出来る喜びも知っているので、若い時に戻りたいとも思わない。
年齢を理由にやりたいことに背を向ける理由はない、と綴っています。
このブログのプロフィールページに記載していますが、このブログでお伝えしたいことの一つに、次のテーマがあります。
楽器(バンド)は何歳から始めて、何歳までやっても楽しめる!
まさにこのことじゃないですか!
室井さんの考え方と通じるところがあってうれしいです。
✔愚痴や人の悪口は、百害あって一利なし
室井さんはお弟子さんに「先生は愚痴や人の悪口、将来の不安など一切口にされませんね」としみじみ言われるそうです。
言葉は考え方なのでポジティブに考えていれば、自然にポジティブな言葉がでてくるし、反対にポジティブな言葉を口にしているから、考え方もそうなっていく、と述べています。
同じことを言い表すのもポジティブ、ネガティブ、両方の表現があり、例えば「派手」と「華やか」、「地味」と「落ち着きがある」…どちらを選んでもいいならポジティブな表現を選ぶようにしているそうです。
この考え方も、自分とまったく同じだったので共感できたんです!
人間生きていると愚痴りたくなることも多いと思います。そこはすごく分かります。言葉に発すると楽になることもありますからね。
でも自分の場合は何か納得できないことがあっても「まぁそういうこともあるかぁ」って感じで妙に納得してその出来事を終わらせてしまうことが多いです。別に変にあきらめているわけではないんですが(苦笑)
またそうでなくとも、意識的にポジティブな言葉を使うというのは大切だと思います。
日本には「言霊」という言葉があって、発した言葉にはある種の力が宿ると思うのです。
まぁそんな小難しく考えなくても、いつもマイナスなことばっかりいう人と話していても楽しくないですからね。
まとめ
室井摩耶子さんの著書「毎日、続ける」の感想と、それに関する自分の考え方を述べさせていただきました。
僕にとってこの本は「おーこんな考え方があるのか、よーし実践しよう」ではなく、「自分が考えたり行動したりしていることと、同じこと言ってる」といった感じで、共感させていただく場面が多かったです。
しかもその述べている方が、今年で98歳の、人間としても鍵盤奏者としても大先輩の方であるため、『ああ、自分の考え方や行動は間違っていないんだなぁ』という安心感や自信につながったのです。
みなさまはどう感じたでしょうか。
なんといっても言葉の重みが違いますね。
この本のタイトル「毎日、続ける」。
単純な言葉ですが、いま取り組んで知るブログ、ピアノ練習、その他学習(毎日とはいかなくても)継続がんばろうと思います。
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