バンドアンサンブルにおけるキーボードバッキングについて、今回はブロックコードを中心としたリズミックなパターンをいくつか動画でご紹介していきたいと思います。
ブロックコードを用いたストレートでリズミックなパターンは、基本であり、色々応用も効きますので、是非マスターしていきましょう!
目次
ブロックコードとは
ブロックコードという名前は色んな解釈が出来ると思いますが、この記事では分散和音の反対の意味で使います。つまり三和音であれば3つの音をジャーンと鳴らしたもの、要するに普通のコードです。
ブロックコードを活用したリズミックなバッキングとは、コードを連続して刻んで弾いていくようなスタイルを指します。
ブロックコードを使ったバッキングパターン
① シンプルな8ビートパターン
トライアドコードを8分刻みで弾いたパターンです。
シンプルで疾走感のあるロックやポップスでは、あまりボイシングに凝るというよりは、こういったシンプルなパターンが合うと思います。
弾く際は全て均等な力ではなく、適度にアクセントを入れるとよりスピード感を高めることができます。上記譜例のアクセント以外にも位置をずらすことでノリを変えることもできます。
② ロックンロールパターン(トップノートの動き)
いわゆる、伝統的な「ロックンロールパターン」です。
このパターンではトップノートを5度→6度→7度と動かすことで、フレーズに動きを取り入れています。これにより単調な感じが薄れる効果があります。
また、(譜例には載せていませんが)左手はルートをオクターブで交互に弾いており、これもスピード感を与える一つの要因になっています。
本パターンのようにトップノートを変化させるパターンはたくさん考えられますが、トップノートは目立つだけに、ボーカルが歌うメロディラインとの兼ね合いに注意する必要があります。(要はボーカルを邪魔しないように)
逆にメロディラインをユニゾンで被せることによって、よりメロディラインを強調する事も出来ます。
工夫次第でとても面白いバッキングになると思います!
③ ロックンロールパターン(内声も一緒に動く)
②のロックンロールパターンはトップノートだけを動かした場合ですが、本パターンはトップノートと一緒に内声も動かしたパターンになります。
(コード進行的にみると、C→C6sus4→CM7(3度抜き)という流れになっています。)
聴き比べてみるとお分かりいただけると思いますが、こちらの方がより動的なニュアンスが高まって聴こえると思います。
それだけに、ボーカルのメロディラインが細かく動くような箇所ではゴチャゴチャしてくるため、使いどころの工夫が必要です。
ただし、ピアノのように音粒がはっきりした音色ではなく柔らかめな音色ならハマる場合もありますので、音色の工夫も色々してみるとよいと思います。
④ 少しポップなパターン①(トップノートの動き)
こちらもトップノートを動かしていったパターンですが、コード進行的には、1小節目がC→Cadd9→Csus4→Cという進行、2小節目の右手はまったく同じなのですが、左手がルートのAを押さえることで、Am7→Am7(11)→Am7(13)→Am7になるのです。
Cadd9はちょっとオシャレな響きになりますし、sus4からルートへ流れる進行は非常に強力で安心感を与えます。
2小節目もオシャレに聞こえるのはテンションノートが含まれているからですね。
上記の理由からちょっとポップでオシャレなニュアンスを出すことが出来ると思います。
⑤ 少しポップなパターン②(トップノートの動き)
音の使い方は④と似ていますが、もう少し細かくリズムを刻んだパターンになります。
こちらもコード進行的にはCadd9→CM7→Cというオシャレ感が満載なコードになっていますので、ポップ感が増して聴こえる思います。
こういった特徴的な動きになると単なるバッキングというよりは、リフとして楽曲を特徴づける要素にもなり得ますので、うまく使うと効果絶大、メロディの邪魔をする、曲想に合わない…など使いどころを間違えると効果半減になります。
まとめ
今回は、ブロックコードを使ったバッキングパターンをご紹介いたしました。
バンドアンサンブルのバッキングですので、歌もののバックで、リズム隊の一角として機能すれば最低限の役目は果たしていることになりますが、やはりそれだけではつまらないですよね。
そこで色々なバリエーションを工夫することになりますが、そういった意味でも今回ご紹介したトップノートを動かしていくパターンは手軽にオシャレな雰囲気も出すことができますので、使いやすいと思います。
またちょっとアクセントの位置をずらすだけでもノリを変えることができますので、是非色々なバリエーションを工夫してみてくださいね!
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