ギタリストやベーシストの足元はエフェクターやらペダル類やらでにぎやかですよね。
では私たちキーボーディストの足元はどうでしょうか?
この話題については、音楽のジャンルや演奏スタイルによって、だいぶ状況が異なるのではないでしょうか?(もっとも、これはギター、ベースにもいえることですけどね)
とはいえ、ペダル類をうまく扱えるようになれば、演奏の効率やクオリティが上がることは間違いありません。
今回は、足元を構成する機材の一つであるフットスイッチについて、どんなことが出来るのか、深堀していきたいと思います。
目次
フットスイッチとは
まずフットスイッチとは下記画像の黄色のペダルっぽいものです。こちらはKORG製のフットスイッチですが、後ほどメーカー別に代表的な機種をご紹介します。
フットスイッチとは、基本的には足を使ってシンセサイザーの様々な操作を行うものです。
様々な操作は出来るのですが、基本的にそれらの操作を同時に行うことはできず、その都度機能を割り当ててあげる必要があります。この割り当てることを”アサインする”といいます。
キーボーディストは鍵盤を弾く以外に、ボタンやツマミ、スライダー、そしてピッチベンダーなどの”機械の操作を行う”という側面が大きいです。
それでは、どんなことができるのか、さっそく解説を進めていきましょう。
フットスイッチで可能な操作
”フットスイッチで出来ること”といっても、厳密には機種によって異なります。分かりやすくいうと、入門用のエントリーモデルと、フラッグシップモデル(上位機種)では、搭載される機能数に差があるからです。
今回は私が愛用しているKORGのKRONOSを例に解説します。細かい違いはあっても、およそ共通する部分は多いと思います。
まずは主な機能の一覧です。
- 音色の選択
- ビブラートの操作
- リボンコントローラーの操作
- スイッチ1,2のON/OFF
- シーケンサーのSTART/STOP
- タップテンポの変更
- PADを鳴らす
- ドラムトラックのSTART/STOP
では、一つずつ解説します。
①音色の選択
フットスイッチで音色を選択することができます。この機能が最もオーソドックスで便利さを感じるところかもしれません。
切り替えの仕方は、あらかじめ並べておいた音色をアップかダウンで順番に切り替えていくものです。
基本的にシンセサイザーでは、自分で作成した音色を保存しておくことができます。その保存した順番に切り替えていくというわけです。保存した音だけではなく、プリセット音色も同様ですけどね。
なぜこれが重宝するかというと、基本的に音色切り替えのタイミングはタイトであることが多いです。切り替え操作を優先するため演奏の手をあけて音が途切れるなど、ちょっとむなしいものがあります。
フットスイッチを活用することで、手は演奏に集中したまま、切り替えを行うことができます。
②ビブラートの操作
フットスイッチで音にビブラートをかけることができます。
KRONOSの場合、通常ビブラートはジョイスティックを上下に動かすことでかけることができます。下記画像の囲み部分ですね。
例えばシンセリードなどは単音なので左手でジョイスティックを操作すればよいですが、両手を使ったパット音色にゆるくビブラートをかけたい場合などに重宝するでしょう。
③リボンコントローラーの操作
フットスイッチでリボンコントローラーを操作することができます。
リボンコントローラーとは、下記画像の囲み部分です。
使い方は指で左右になぞって効果を出しますが、実はここも様々な機能を割り当てる(アサイン)ことができます。
例えば、音程を変えるとか、フィルターの加減を調整するといった感じです。
フットスイッチを使うことで、指でなぞることなく、現在割り当てている効果を出すことができます。
④スイッチ1,2のON/OFF
KORG製シンセサイザーの大部分にスイッチ1及び2が搭載されています。スイッチ1,2とは下記画像の囲み部分です。
ここまで話を進めてきて勘の良い方ならピンとくると思いますが、こちらも様々な効果を割り当てることができます。
例えば、オクターブのアップやダウン(鍵盤丸ごと音の高さを変動させる)、ポルタメントの起動、ジョイスティックの効果固定などです。
ちなみにフットスイッチに割り当てることが出来るのは、スイッチ1か2の片方のみです。両方一度に選択することはできません。
⑤シーケンサーのSTART/STOP
KRONSに内蔵されているシーケンサーで作成したソングをSTART及びSTOPすることができます。
個人的にはあまり演奏中に使用することはありませんが、
⑥タップテンポの変更
シーケンサーのソングや、ドラムトラックなどシンセから流す音源のテンポを変更することができます。
通常はツマミで変更するものを足で行います。変更方法は、足で2回踏んだその速さでテンポを判断します。
ゆっくり2回踏めばゆっくり、パンパンと早く2回踏めテンポが速くなります。
⑦PADを鳴らす
KRONSでは、”ヴァーチャルパッド”という機能があります。これは、鍵盤を弾くのではなく、タッチスクリーン上のヴァーチャルパッドを叩くことで音を出すものです。
こういった画面です。
1~8の枠内どこを叩いてもOKです。単純に叩けばよいので、リズミカルなプレイができたりします。最近のシンセでは物理的な装置としてパットが装備されているものも多いです。
フットスイッチにこの機能を割り当て、足でコードを鳴らすことができます。
手の他に足で特定のコードを鳴らすことができるので、工夫次第で面白い使い方ができるかもしれません。なお、割り当てることができるのは、1~8のいずれか1つです。
⑧ドラムトラックのSTART/STOP
シーケンサーのソングと同様に、ドラムトラックもSTART/STOPを足で行うことができます。
各メーカーのフットスイッチ
ここでは各楽器メーカーの主なフットスイッチをご紹介します。基本的にはご自分が使用されているシンセと同じメーカーのフットスイッチを使用することをおすすめします。
他メーカーのものでも使用できますが、”極性”が逆になっていることがあるため、設定変更する必要があります。極性が逆だと、踏んだ際の効果が逆に現れます。
KORG製ではこちら
ROLAND製ではこちら
エフェクター Roland フットスイッチ FS-5U(S)
YAMAHA製ではこちら
まとめ
今回は足元機材の中から、フットスイッチに焦点をあて、”フットスイッチで出来ること”を解説させていただきました。
「あ、便利だなぁ」と思うものから、「あんまり必要ないかも」といった機能もあったかと思います。
ただ、”どういうことができるのか”というのを頭の片隅にでもとどめておくと、今は必要なくとも、いずれ必要な機会が訪れるかもしれません。
そういったときうまく活用できれば、幸せになれますよ。
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