ハードロックと聞くと”ギターメインの音楽”というイメージがあるかもしれませんが、実はキーボードプレイヤーが重要な位置を占めるバンドもたくさんあります。
今回はそんなハードロックシーンで活躍するキーボードプレイ―ヤーを10人厳選してご紹介します。(所属した主なバンドを併せて紹介します。)
バンドの中でかっこよくシンセを弾きたい方には、お手本になるプレイヤーばかりですので、是非参考にしてみてください。
目次
ハードロックキーボーディスト10選
ジョン・ロード(Jon Lord)
- ディープパープル(DEEP PURPLE)
- ホワイトスネイク(WHITE SNAKE)
ハードロックキーボードの元祖といえばこの人、ジョン・ロードでしょう。
まさにハードロックキーボードの創始者ともいえる存在で、ハードロックキーボード=オルガンという図式を作りあげた人です。
多くの鍵盤プレイヤーの例に漏れず、幼少期はピアノを学んでいましたが、ジミー・スミスのジャズオルガンのプレイに影響を受け、そこからオルガン人生が始まりました。実際、キャリアを通じそのスタイルはほぼオルガンです。
特徴はなんといっても、ハモンドオルガンとマーシャルアンプの組み合わせ!この攻撃的なディストーションオルガンサウンドは、ギターのリッチーブラックモアと双璧ななし、第二期ディープパープル以降のサウンドを押し上げていくことになります。
上の動画ではジョン・ロードのソロをふんだんに聴くことができます。リングモジュレーションによる異次元的な音色変化やハモンドオルガン自体を揺らしたりして、攻撃的な音を作り出しています。
おすすめアルバム
キース・エマーソン(Keith Emerson)
- エマーソン・レイク&パーマー(EL&P)
- エマーソン・レイク&パウエル(EL&P)
- 3
ハードロックにシンセサイザーを取り入れた第一人者。先に紹介したジョン・ロードとともに”ブリティッシュロックキーボーディスト御三家”の一人でもあります(もう一人はプログレッシブロックの雄、リック・ウェイクマン)。
まさにキーボードヒーローの先駆けとして、ギターレスのトリオバンド、EL&Pにおいてそのパフォーマンスをいかんなく発揮しました。(EL&Pは音楽ジャンル的にはプログレにカテゴライズされることが多いですが、そのプレイスタイルから、あえてハードロックキーボーディストとしてご紹介します。)
代表曲の「タルカス」。緊張と緩和というか、その目まぐるしい展開は聴きごたえあります。
おすすめアルバム
ドン・エイリー(Don Airey)
- コロシアムⅡ
- ブラック・サバス
- レインボー(RAINBOW)
- オジーオズボーン
- マイケルシェンカーグループ
- ホワイトスネイク
- ディープパープル
上記の所属バンド(セッションプレイヤーとしてレコーディングに参加したものも含む)をご覧いただければわかるように、錚々たるハードロックバンドを渡り歩いた、職人的なキーボードプレイヤー。
中でもレインボーの全盛期にメンバーとして加入していたことは、彼のキャリアにとって非常に大きいものでした。ホワイトスネイクやディープパープルとの関わりは、レインボーが出発点といえるでしょう。
こちらの記事でもドン・エイリーについて触れています。
プレイスタイルは、オルガンにこだわらず、ピアノやシンセなどあらゆる鍵盤類を操るタイプ。決してギターヒーロー的な派手さはないですが、楽曲を生かす味のあるプレイヤーといえます。
こちらの動画は比較的近年のセッション場面。自身が作った”Eyes of the world”のイントロで登場し、オルガンを余裕をもってプレイしています。
おすすめアルバム
イェンス・ヨハンソン(Jens Johansson)
- シルヴァーマウンテン
- イングヴェイ・マルムスティーン
- ストラトヴァリウス
- ディオ(DIO)
元祖”速弾き系”キーボーディストともいえる、イェンス・ヨハンソン。その実力は、あのイングヴェイ・マルムスティーンと一緒にプレイしていたことからも伺い知れます。
速弾き系ですから、プレイの特徴はなんといってもシンセ・リード。特にギターでいうところのチョーキングやビブラートといった表現は、ピッチベンダーで細かく操作していることから、ニュアンスもギターサウンドを思わせます。
これがイングヴェイとのギターVSキーボードのソロバトルが成立していた所以です。
おすすめアルバム
アンドレ・アンダーソン(Andre Anderson)
- ロイヤル・ハント(Royal Hunt)
デンマークのシンフォニック・メタルバンド「ロイヤル・ハント」のリーダーであり、キーボーディスト。
音楽的にはレインボー直系の様式美に、プログレの要素やシンフォニック度を増したようなスタイルです。
この動画の曲「Last Goodbye」のように、ドラマティックな曲が多いです。こういったテイストの曲が好きな方にとっては間違いないバンドです。
アンドレ・アンダーソンはキーボードで要塞を築くタイプで、割とコの字型に配置を組むことが多いようです。正面を向きながら両手を広げて弾くやり方は、決して弾きやすいものではないですが、見た目はカッコイイですよね。
そんなショーマンシップも併せ持つキーボーディストです。
おすすめアルバム
ジミー・ウォルド―(Jimmy Waldo)
- ニュー・イングランド(NEW ENGLAND)
- アルカトラス(ALCATRAZZ)
一般的にはアルカトラスのメンバーとしての方が有名かもしれませんが、個人的にはそれ以前に加入していたバンド「ニューイングランド」でのプレイが素晴らしいと思っています。(ニューイングランド解散後にアルカトラス参加という流れ)
ニューイングランドはメロディアスでプログレの要素があるアメリカのバンドですが、その特徴はなんといっても、美しい旋律と4人とは思えない重厚なハーモニ、ハードロックでありながらポップなアレンジにあります。
キーボードアレンジはソリストのように全面にでるタイプではありませんが、なぜか目立ち、耳に残ります。ロックにおけるポップなアレンジとしてすごく参考になると思います。
ニューイングランドは、近年再結成していますが、動画は2016年の日本公演の模様です。
おすすめアルバム
デヴィット・ブライアン(David Brian)
- ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)
ボン・ジョヴィのオリジナルメンバーであり、現在も変わらずメンバーとして活躍しているデヴィット・ブライアン。
キーボード・ヒーローといった趣はありませんが、堅実なプレイに定評があります。なにより長いキャリアの中で安定的に楽曲に貢献していけるのは、実力があってこそでしょう。
ポップでさわやかな「IN THESE ARMS」はブライアンが作曲に参加した名曲。
他にも「These Days」や「Joey」のようなピアノのイントロが素晴らしい楽曲。「Livin’ on a Prayer」のような分厚いシンセにキラキラ系の音色など、曲の雰囲気によって幅広い演奏をみせてくれます。
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ジョーダン・ルーデス(Jordan Rudess)
- ドリーム・シアター
ドリーム・シアターの3代目キーボーディストであるジョーダン・ルーデスは、”キーボードの魔術師”という異名を持ちます。
9歳でジュリアード音楽院へ入学したという経歴もすごいですが、先に紹介したEL&Pの「タルカス」を聴いて衝撃を受け、シンセを始めたという経歴も、現在の立ち位置になるべくしてなったという感じがします。
とにかくクラシックに裏付けされた確かなテクニックと、斬新なアイディアはキーボーディストとしての高みに上っています。
ライブでは1台のシンセで、スプリットとレイヤーを駆使し、フットペダルで瞬時に切り替えるスタイルも、なんだか男らしい。
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ヤンネ・ウィルマン(Janne Wirman)
- チルドレン・オブ・ボドム
チルドレン・オブ・ボドムはメロディック・デスメタルというジャンルで、疾走感のあるリズムにハードなギター、そこにデスボイスがのり、シンフォニックなシンセが包むといった特徴があります。
ヤンネは、イェンス・ヨハンソンにとても影響を受けているため、キーボードのセッティングもとても似ています。(弾いている手元が見えるよう”逆スラント”というセッティングになっています。)
そして似ているのはセッティングだけでなく、当然速弾きを基調としたプレイスタイルも近いものがあります。そしてオーケストラヒットをタイミングよく畳み込むリズムカルなプレイや、ストリングス系の音色でフレーズを構築するあたり特徴的です。
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ツォーマス・ホロパイネン(Tuomas Holopainen)
- ナイトウィッシュ
ナイトウィッシュはシンフォニック・メタルといわれるジャンルの中でも重要な位置を占めるバンドです。
曲展開が非常にドラマティックで、叙情的な雰囲気をまとった楽曲はとても引き込まれます。それはターヤ・トゥルネンを始めとするオペラティックな女性ボーカルと、重厚なキーボード・アレンジによるところが大きい。
キーボーディスト、そしてバンドのリーダーも務めるツォーマス・ポロパイネンは、ピアノを主軸にいくつもの音源がレイヤーされた音色を好んで使用し、耳馴染みのよいフレーズを随所に散りばめるスタイルをもち、バンドの世界観を作りあげています。
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ロックキーボードの名イントロ
さて、これまでご紹介してきたキーボーディストの具体的なプレイ例として、すばらしい名イントロを集めてみました。
エレピやオルガン、シンセリードに打ち込みと、様々なパターンのイントロを集めましたので、是非こちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
10名のハードロックキーボーディストを厳選して紹介させていただきました。
ハードロックの中にキーボードのスタイルを確立させた先人から、そこへの憧れからスタートし、新たな価値観を生み出しているプレイヤーまで、まさに個性的な10名であると思います。
冒頭でも述べましたが、キーボードの上達、とくにオリジナル曲でのアレンジという面では、たくさんの曲を聴くことが重要です。そういった要素を少しずつ体にインプットし、自分なりに解釈し、アウトプットすることで、自分なりの演奏として形になると思うのです。
もし知らなかったプレイヤーがいた場合は、試しに聴いてみてください。新しいお気に入りができるかもしれませんよ。
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