こんにちは、カフェラン(@Cafe21130317)です。
音楽は学校で習う科目の一つであることからも、教育的に重要であるのはいうまでもありません。特に情操教育という観点から見れば、子どもに与える影響というのは決して少なくないでしょう。
だがしかしです!
音楽の効能はそれだけではありません。脳の発達や、学力そのものの向上にも役立つとの検証結果や専門家の見解があるのです。
今回は音楽、特に楽器演奏を行うことについての有効性についてお届けしたいと思います。
楽器演奏が脳に与える影響
TED Talksのとは
まずは、こちらの動画をご覧ください。
この動画は、TED Talksが作成しているアメリカの若者向け教育動画の一つです。
TED Talksとは、TED(テド(Technology Entertainment Design))というアメリカに本部のある非営利団体の一部門と言えるもので、動画の無料配信を行っているプロジェクトです。
TEDは元々様々な分野の著名人(元大統領政治家やノーベル賞物理学者などなど)の講演を定期的に行っており、それらを元にした動画を提供しています。冒頭であげた動画の他にも面白くてためになる動画がたくさんあります。
こちらに日本語字幕がついた動画がありますので、参考にしてみてください。
TED Talks 日本語字幕版
動画解説「楽器演奏は脳にどのような効果をもたらすか」
さて、ここからが本題です。
動画ではどのようなことを述べているのでしょうか。
この動画の講師であるアニタ・コリンズ博士(音楽教育と神経学の研究者)の語っていることを要約します。
ここ数十年の間、FMRIやPETスキャナーなどの装置により脳をリアルタイムで監視することが可能となった。
それらの機器を、本を読んだり数学の問題を解いている人につないで脳を様子を見ると、脳のそれぞれ関連する部分が活性化するのがわかる。
次に音楽を聴いてもらうと、脳の関連する部分が「火花」のように明るくなった。
さらに検証の対象を「音楽を聴く人」から「音楽を演奏する人」に変えたところ、裏庭の小さな花火は大祝祭に変わった…つまり、脳の活性化が桁違いに変化した。
これらの検証により、楽器の演奏は脳にとって「全身運動」に匹敵することがわかったのです。
なぜ、楽器を演奏すると脳が活性化するのか?
一つは、楽器の演奏には視覚、聴覚、運動領域と、脳の全領域を使うため。
また、演奏には左脳が多く関わる言語的、数学的な正確さと、右脳が得意とする創作的活動を結び付けたりもします。
つまり、演奏することで左脳と右脳の橋渡しを行う「脳梁」の結びつきが強まり活性化するのです。
そして「ロジックの左脳」と「イメージの右脳」のどちらも楽器演奏には大事で、それをトコトン使うことにより、両者を橋渡しする「脳梁」の活性化につなげる…それを継続すればなお両方の脳を使いやすくなるというプラスのサイクル…確かに納得のお話です。
楽器演奏の学力への関連性
前項では、楽器演奏が脳そのものの活性化に大きな影響を与えることについて、関連動画を元に解説しました。
では、上記の動画を補完しつつも、実際の学力へはどのような影響があるかについて、二つの記事を参照しながらさらに説明いたします。
ピアノレッスンと学力の関係は?難関大生1,188名を調査
こちらの調査はカシオ計算機が、国内難関大学(東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学)の在学生、卒業生1,188名に対して行った調査で、難関大学の合格とピアノ演奏の経験がある程度関連づけられる結果となっています。
当該サイトはこちら
調査内容からピックアップした結果は以下のとおり。
子どもの時の習いごと … ピアノ43%
全体の半数弱が習い事としてピアノの経験があると回答されました。
ピアノだけでもこの結果ですので、ヴァイオリンなど楽器全般に広げるともっと割合が高くなると想定されます。
次のピアノの経験がある回答した300名を対象とした調査です。
子どもの時にピアノを習っていて、大人になってから良かったと思った経験の有無
良かったと思った経験あり 70%
習ったスキルなどをマイナスに捉える人は少ないでしょうから、うなづける結果ですね。
- ピアノは脳の機能を向上させるうえで役立つと思うか…思う73%
- 子どものうちにピアノを習うことはおすすめできると思うか…思う83%
上記は学生自身の体感として、お勧めできるとしたものですが、ピアノの有効性については、蔭山ラボを運営している教育者の蔭山英男氏は次のように述べています。
幼い頃からピアノに触れることが、脳の成長に影響を与え、子どもを高学力に導く可能性が高いと感じている」という。さらに「子どもの学力を高めるためには、優れた学習を徹底的に反復することが重要である」と考え、「ピアノの反復練習は『一般的な学習』にも良い影響を与えると考えられる
つまりここで述べている結論としては、脳の活性化もさることながら、楽器の反復練習で培われた行動力は、一般的な学習にも適用できるということですね。
難関大学に合格できるほどの学力は、そうした反復学習ができる素養が身についたがゆえ…とも言えると思います。
ピアノが脳にいいと断言する理由 澤口俊之
次は「ママテナ」というサイトで行われた、脳科学者 澤口俊之氏へのインタビュー記事を元に解説です。
インタビューの中で澤口氏はこのように語っています。
ピアノは脳機能をまんべんなく育て”地頭”をよくする
地頭がいいとは「詰め込み式の勉強でいい点数とったー」的な頭の良さではなく、着眼点とか頭の回転とか、その人本来の頭の良さを言います。
これがいいと、学校の学習はもちろん、仕事をする上でも非常に有利です。
では、澤口氏は何を持ってピアノは地頭を良くすると語っているのでしょうか。インタビューを振り返って見ましょう。少々長いですが大事なところなので引用します。
ピアノというのは、両手を並列かつ複雑に使い、楽譜を一時的にも記憶しながら演奏し、さらに次に弾く楽譜を先読みします。そして特に重要なのは両手を同じように使いますが、その使い方がまったく異なるという点です。これは他のものにはない非常に高度な行為なんですね。つまり、ピアノをやっていると、自然にすべての脳機能を高めてしまうというわけです
ピアノのレッスンを続けることによって、脳の監督役でもある前頭前野が構造的に発達し、HQの長期的な発達につながります。また、脳梁(のうりょう)と呼ばれる部分が太くなり、左右の脳のバランスがよくなるんです。まだまだあります。
小脳も大きくなり、運動機能や知的機能、感情的機能までもアップします。さらに、海馬とよばれる部分が発達し、記憶力がアップするので、学力向上につながります。つまり、ピアノを習うことによって、脳機能をまんべんなく育て“地頭”をよくすることができ、スポーツや学力まで効果を及ぼすんです
冒頭の動画で述べられていた脳梁の発達と同じことが語られていることに加え、前頭前野、小脳、海馬といった脳機能がまんべんなく発達することも触れられています。
つまり、冒頭の動画で示されている内容、つまり音楽教育者(兼神経学者)と脳科学者の見解が同じであることからも、有効性のロジックに関する信憑性は高いと言えます。
ここではピアノ演奏に関することをベースにしていますが、楽譜を読む、指を動かす、音を聴くという一連の動作を行う他の楽器でも、これに近い効果があるものと思われます。
まとめ
最後に楽器演奏(特にピアノ)と脳の発達に関するポイントをまとめてみます。
- 楽器演奏は視覚、聴覚、運動領域と脳の全領域を使用するため全身運動に匹敵する脳の活性化を促す
- 楽器演奏は左脳、右脳をバランス良く使う必要があるため、両者を橋渡しする「脳梁」が発達する
- 脳梁の他、小脳や海馬も発達するため、地頭が良くなる
- 難関大学合格者にはピアノ経験者が多い
- 楽器は反復練習が基本であるためそういった素養が身につき、一般学習に適用でき、結果として成績の向上につながる。
世の中には色んな趣味がありますが、これほど脳の機能を総動員して行う趣味は限られていると思います。脳の活性化につながるのは納得です。
まぁ理屈は色々ありますが、単純に楽器演奏は楽しいです!楽しみながら、他の面でも成長できるってとってもお得な趣味ですので、是非お勧めしたいと思います。
こちらの記事でピアノの始め方(ピアノ教室or独学)について解説しています。
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