キーボードを弾くうえで非常に大切なコード(和音)について、「コードとは何ぞや!?」というところから、使い方までこれから何回かに分けて学習していきたいと思います。
第1回目の今回は、「コード」の基礎知識及び、基本形といわれるコードの形について。そして、そもそもコードを何のために覚えるのか、といったところを説明していきます。
今後コードを使っていく上での、超・基礎の基礎になりますので、ゆっくりと理解していきましょう!
コードの基礎知識
コード(和音)の定義
まずはコードの内容を定義します。
高さの違う2つ以上の音が同時に鳴ること
2つなので、例えばC(ド)とG(ソ)の2つの音でもコードといえます。
しかし、もっとも基本的なコードは3つの音を重ねたものです。
もっとも基本的なコード「三和音」
基本的なコードは3音で構成されたもので「3和音(トライアドコード)」とよびます。
実際の押さえ方例を鍵盤でみてみましょう。
図1の場合は、C+E+Gを同時におさえています。この場合のコードの名前(コードネーム)は「Cメジャーコード」となります。
コードネームの把握方法
コードを構成する3音の中で基準となる音を「ルート(根音)」とよびますが、コードネームはそのルート音をそのまま名前として使用します。
図1の場合はCがルートなので「Cメジャーコード」となります。
では、何をもって基準の音とするでしょうか。
基本的には図1のように始まりの音(一番左側)をルート音とします。
ただし、「コードの転回形」で音の並びを変えると、ルートは必ずしも一番左にならないのです。
では、何をもってルート音だと判断すればいいでしょうか。
図1は右手でコードをおさえている様子ですが、実はここには見えていない左手の存在があります。通常左手ではベース音としてルートを弾きます。
【ソロピアノの場合】
左手で弾いたベース音が「ルート(根音)」となります
【バンドの場合】
ベーシストが弾いたベース音が「ルート(根音)」となります
図2右手側では、3音の構成が図1と変わらずC+E+Gですが、G音が一番左側に来ています。ただし、左手側ではC音を弾いているので全体としてみれば、一番左側はCということになります。
このように右手のコード構成音をどのような順番で弾いても、ベース音として何を弾いているかを把握できればコードネームを把握することができます。
なぜコードネームを覚える必要があるのか
コードの基本的仕組みが分かったところでちょっと本筋から離れて、そもそもなぜコードネームを覚える必要があるかについて説明します。
音楽理論の勉強はどれでも同じですが、理論先行で理解しようとしても「活用」するところまで到達できないことが多いです。
常に「何のために理解するか」「どういう目的のためにこの勉強をするか」という部分をセットで考えます。
目的な明確でない場合は、「概要を頭に片隅にでも覚えておく」と割り切って勉強してみます。そうすることで、実際に必要な場面に出会ったとき「あ、ここであの勉強すればいいのかな」と手段と目的がつながる瞬間が訪れます。
音楽の三要素について
ここでちょっとした質問です。音楽には「音楽の3要素」というものがありますが、「コード」はこの3要素のどれに該当しますでしょうか?
《音楽の3要素》
- メロディ
- リズム
- ハーモニー
はい。答えは③「ハーモニー」です!複数の音が重なり合ったものですね。
ところでコードといえば直観的にCやAmといった「コードネーム」を思い浮かべます。
全ての音楽は3要素(特にハーモニー)の上に成り立っているからといって、常にコードネームを意識する必要があるでしょうか。
例えばクラシック。クラシックピアノはピアノ一本でメロディ、リズム、ハーモニーを奏でますが、基本的には全て五線譜上の音符に基づいて弾かれています。つまり、クラシックピアノではコードネームに基づいて弾くという概念はないのです。
じゃあ「コードネームっていらないんじゃない?」と思われるかもしれませんが、複雑な五線譜の音符を全て把握して、瞬時に弾けるかといったら非常に難しいです。
このスキルこそクラシックピアニストの優れているところであり、特徴といっていいかもしれません。
でもそういったスキルとは別の部分で勝負している音楽もあります。そういった場合にコードネームはすごく役立つのです。
コードネームの活用事例
以下にいくつかの具体例を記載します。
- ピアノ弾き語りでコードに基づいて伴奏ができる
- ジャズピアノでコードに基づいてアドリブ演奏ができる
- 作った曲をコード進行として示せばバンドメンバーと共有しやすい
弾き語りにしてもジャズにしても、コードネームに基づいて演奏者が自由にアレンジできることが魅力です。
どうしてそういうことが出来るかといえば、コードネームが共通言語として、その場のみんながどういう音を弾けばよいか理解できるからです。
下のような譜面を見たことはありますでしょうか。音符等が記載されずコードネームのみが記載されている譜面をコード譜(またはリードシートをいいます)といいます。
音符がギッシリ並んでいる譜面に比べて、ずいぶん簡素な印象がありますよね。でもコードネームが分かるだけで、バンドで演奏できちゃうんです。
もっとも今の段階でどう読んでいけばいいのか分からない方もいると思いますが、安心してください。コードの勉強を進めていけば必ず読めるようになりますので。
反対に既存の曲を忠実に再現する場合は、音符が記載された楽譜を元に行う必要があります。
つまり、それぞれ使いどころが違うわけですね。
上記のような演奏をやりたい場合は、是非コードネームを覚えていきましょう!
コードネームの良さは、音符に頼らずとも曲の構成を把握・共有できることです!
まとめ
本日のポイントをまとめます。
- コードの基本形は3音で構成された「三和音(トライアドコード)
- コードネームはルート音を元につけられる
- ルート音はベース音を基準に判断する(ピアノの左手、またがベース)
- 音符に頼らなくても曲の構成を把握。共有できるのがコードの魅力
本日は第1回ということで、コードの超・基礎編をご説明しました。
繰り返しになりますが、現段階では「知識として何となく分かった」程度の理解で結構だと思います。
今後もコードのバリエーション、使い方、練習方法と順番に展開していきますので、是非一緒に勉強していきましょう!
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