コード進行

【鬼滅の刃】炎のコード進行を中心とした楽曲分析【メロディ・歌詞・アレンジ…三拍子揃った名曲】

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歌詞

歌詞についても少しふれてみたいです。

歌詞は映画の内容とリンクしている部分があるため、ネタバレにご注意ください

 

【Aメロ】
さよなら ありがとう 声の限り
悲しみよりもっと大事なこと 去りゆく背中に伝えたくて
ぬくもりと痛みに間に合うように

【Bメロ】
このまま続くと思っていた 僕らの明日を描いていた
呼び合っていた光がまた 胸の奥に熱いのに

【サビ】
僕たちは燃え盛る旅の途中で出会い
手を取りそして離した未来のために
夢が一つ叶うたび僕は君を想うだろう
強くなりたいと願い泣いた 決意を餞に(はなむけ)

【Aメロ】
懐かしい思いに囚われたり
残酷な世界に泣き叫んで 大人になるほど増えていく
もう何一つだって失いたくない

【Bメロ】
悲しみに飲まれ落ちてしまえば 痛みを感じなくなるけれど
君の言葉 君の願い 僕は守りぬくと誓ったんだ
音を立てて崩れ落ちて行く 一つだけの かけがえのない世界

【サビ】
手を伸ばし抱き止めた激しい
光の束 輝いて消えてった未来のために
託された幸せと約束を超えて行く
振り返らずに進むから
前だけ向いて叫ぶから 心に炎を灯して 遠い未来まで……

「炎」  作詞:梶浦由記、LiSA

 

冒頭の基本事項でも触れたように、本作の歌詞は梶浦由記さんとLiSAさんの共作です。それはどのように進められたのか。LiSAさんはインタビューで次のように語っています。

 

――主題歌「炎」の作詞は梶浦由記さんとの共作ですが、どのように制作を進められたのでしょうか?

-省略

LiSA:私もLiSAの楽曲として「こういう想いを込めたいです」という気持ちを書いたお手紙をお送りして。そして梶浦さんが仮歌詞を書いてくださって、「ここはLiSAさんの本当の言葉が入ったほうがいいと思う」と言ってくださって。私が書き加えさせていただいて共作という形になりました。

――少し加筆したり、されたりではなく、しっかりとした共作なんですね。

LiSA:梶浦さんはなかなか共作をされない方で、シンガーの方が梶浦さんの世界観を表現する形で歌われていたと思うんですけど、今回は私への愛情や信頼をひしひしと感じて。「LiSAはこういう人で、こういうことを歌いたいんです」という気持ちを誠実にまっすぐに伝えなくてはという想いでやり取りを続けていたら結果として共作になっていました。

animate Timesのインタビューより

 

紅蓮華もそうですが、炎も鬼滅の刃の物語を投影して詩に落とし込んだとされています。

カフェラン
カフェラン
実際に映画をご覧になった方であれば、この詩を読むだけで映画の場面が浮かんでくるのではないでしょうか

例えば、Aメロは命を懸けて闘ってくれた煉獄さんへの、感謝と惜別の想いを炭治郎の目線で描いたものでしょう。まるで映画のクライマックスシーンを曲の冒頭に持ってきているように感じます。

それはサビも同様で、特に「夢が一つ叶うたび僕は君を想うだろう 強くなりたいと願い泣いた 決意を餞に」の部分は煉獄さんが最後に語った次世代への想い。それを受け取った炭治郎たちのもっと強くなりたいという決意がこれでもかと伝わってくる詩になっています。

そして2番のBメロ「悲しみに飲まれ落ちてしまえば ~」の部分。文脈から考えると、家族との別れなど悲惨な体験をした炭治郎の思いを謳ったものと考えられますが、個人的には敵である上限の鬼”猗窩座(アカザ)”の目線でも語れるのではと思います。

猗窩座の人間時代、恋人の恋雪を守ると誓った…その想いとも重なるのです。

このように色々な解釈ができる本作ですが、根底にあるのはLiSAさんの「色々あっても前に進んでいくしかない」という残酷だけど前を向いていく強さが表現されているのだと思います。

 

まとめ

今回の分析をまとめます。

  • イントロは6541進行という順次下降のコード進行を使われている。
  • Aメロやサビの多くで6451進行(小室進行)が使われている。
  • Aメロ(D)→Bメロ(F)→サビ(E)→間奏(G)→大サビ(E)といった流れで効果的な転調が繰り返されている。

上記のテクニカル的な構成に説得力を持たせているのは、やはりLiSAのヴォーカルと梶浦由記のアレンジですね。

まさに鬼滅の刃ファンであれば必聴の楽曲であり、また鬼滅の刃の枠だけに収まらない、名曲といえるでしょう。

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